椀より正味
往年の名車「N360」に込められたスピリットを受け継ぐ、ホンダの軽「N-ONE」。その新型に試乗した筆者は、これまで軽乗用車に抱いてきたイメージを覆すほどの、モノとしての完成度の高さに驚かされたのだった。
世にもまれなやり方
8年ぶりのフルモデルチェンジなのに、ボディー外板を変えなかったのが、こんどのN-ONEだ。いわゆる“ビッグマイナー”チェンジではない。「N-BOX」系のプラットフォーム(車台)に切り替え、安全運転支援システムの充実を図り、「RS」に6段MTモデルを新設するなど、中身は刷新したが、外形デザインはサワらなかった。こんなフルチェンジ、よく考えると、量産車としては自動車史上初ではないか。
N-ONEはホンダ軽のベーシックモデルである。新型も立ち上がりの販売は好調だが、いまやニッポンの国民車ともいえるハイトワゴンのN-BOXほどは売れない。泣く泣くF1からの撤退を決意するような状況にあって、日本専用の軽自動車でいまあえて無理をしたくなかったということだろう。最近、ホンダのエンジニアがよく口にする「選択と集中」の結果、ボディー外板はキャリーオーバーという結論になったわけである。
今回試乗したのは、159万9400円の最廉価ベースグレード、その名も「オリジナル」。ハイトワゴンではないフツーの軽としては高いが、Honda SENSINGの内容は上級グレードと変わらない。14インチのスチールホイールは、15インチのアルミよりもこのスタイリングに合っていると思う。...