3気筒の誘惑
BMWの「3シリーズ セダン」に、「1シリーズ」や「2シリーズ」と同じ1.5リッター直3ターボを搭載した廉価モデルが登場。そこに“駆けぬける歓び”はあるのか? 走りや乗り心地の印象に加えて、燃費のデータを報告する。
3シリーズの新たなエントリーモデル
BMWといえば3シリーズ。40代以上には共通の認識だろう。コンパクトでスポーティーなセダンの代表であり、憧れの輸入車の代表だった。ただ、若い人にはSUVのイメージのほうが強いのかもしれない。2000年に発売された「X5」はプレミアムSUVブームを先導した。Xシリーズはその後ラインナップを拡大し、今はBMWの屋台骨を支える存在に成長している。
各メーカーがSUVに雪崩を打っているのだから、売れ筋モデルに注力するのは当然のことだ。クルマづくりの方向性が変わったわけではない。強豪がひしめく中でBMWのSUVが強みを保っているのは、「駆けぬける歓び」というフレーズに象徴される走りのブランドイメージのおかげである。中心にあるのは、今も変わらず3シリーズなのだ。
「318i」は、3シリーズのボトムラインを支えるため、新たに導入されたエントリーモデルである。これまでは2リッター直4ターボエンジンを搭載する「320i」がその役目を担っていた。318iという名前から1.8リッターだと思ってしまいそうだが、実際には1.5リッターである。しかも3気筒エンジンなのだ。「118i」や「218i」で一足先に採用されていたもので、「MINI」に採用されているエンジンも同タイプだ。
気筒あたりの排気量は500ccが最も効率的であるというのがBMWの主張で、1.5リッターなら3気筒、2リッターは4気筒という理屈でモジュラー化を進めている。いわゆるダウンサイジングターボエンジンだから珍しいものではないが、318iはDセグメントのFRセダンである。横置きエンジンのFFハッチバックならば普通でも、このクラスにも流れが波及したというところに意味がある。ストレート6が金看板だったBMWが気筒数半分のエンジンを採用したのだから、よほどの自信があるのだろう。...