感服ときどき哀愁
アウディのモータースポーツ活動を担い、そこで得た知見をもとに特別なハイパフォーマンスモデルを開発するアウディスポーツ。彼らが手がけた3台のRSモデル「TT RS」「RS 3セダン」「RS Q3」と、スーパーカー「R8」を、富士スピードウェイで試した。
こんなところにもコロナの影響が
アウディの各モデルにおいて、最もハイパフォーマンスなグレードとなるRSシリーズ。その“ほぼフルラインナップ”試乗会が、2020年のSUPER GT最終戦の翌々日に、富士スピードウェイで開催された。
ほぼフルラインナップ、なんて持って回った言い方をしたのは、SUPER GTの決勝日に発表された「RS 6アバント」「RS 7スポーツバック」そして「RS Q8」が用意されてはいなかったからだ。当然、アウディ ジャパンもこの日のために新型RSシリーズの導入を予定していたのだが、どうやらコロナ禍がそれを許さなかったようだ。
ということで、今回は既存のRSシリーズのみの試乗となったのだが、あらためてそのよさを確認できたので、これを皆さんにお伝えすることとしよう。
まず筆者がステアリングホイールを握ったのはTT RS。その心臓に2.5リッター直列5気筒直噴ターボ(400PS/480N・m)というユニークなエンジンを搭載する、アウディで一番コンパクトな4WDクーペである。
与えられた周回数は、アウト/インラップを含めて3周。冬場の国際コースだけに、先導車によって車速をコントロールされながらの走行となった。アウトラップの1コーナー、ブレーキングからステアリングをゆっくり切り込むと、TT RSのリアタイヤがスーッと流れて一瞬「おぉっ!」となった。
しかし、その瞬間にDSCがわずかに働いて姿勢を正す。その動きにアクセルを追従させると、4WDのトラクションを効かせながら、TT RSは何事もなかったかのようにコーナーを立ち上がっていった。カウンターを当てる必要すらなく、真っすぐに先導車である「RS 5スポーツバック」を追いかけ始めたのである。...