引き算の美学
コンパクトでキュートなデザインや都市型EVとして割り切った航続距離、発売を前にしての受注ストップなど、話題に事欠かない「ホンダe」。今回は上級グレード「アドバンス」に試乗し、過熱する人気の秘密を探った。
発売前から人気は過熱
ホンダ初の量産EVがホンダeである。常にEVの“論点”になってきた航続距離はあえて追わず、「街なかベスト」なコンパクトEVを狙った。というか、バッテリーの収納スペースを考えると、ボディーをコンパクトにすれば、当然、航続距離もコンパクトになる。
価格は16インチホイールのノーマルが451万円。17インチを履き、最高出力を13%高め、より装備を充実させたアドバンスが495万円。お値段はコンパクトとはいえない。
これまでのEVは、価格が高いと航続距離が長くなったが、44万円の差があってもパナソニックのバッテリー容量(35.5kWh)は同じだ。それでモーターが高出力になり、車重も少し重いから、高いほうが航続距離は約1割短い。エンジン車だって高性能モデルは燃費が落ちるでしょと言われればそれまでだが、なかなか攻めるEVである。
10月30日の発売前から受注は過熱気味で、すでに第一期分の販売台数に達したため、受付を一時停止していると公式サイトにある(10月1日現在)。
といっても、「フィット」や「ヤリス」のように売れているわけではない。埼玉県の寄居工場で生産されるホンダeの主要仕向け地はヨーロッパである。2021年からさらに厳しさを増すEUのCAFE(企業別平均燃費基準)規制対応を少しでも有利に進めるため、ホンダeは年間1万台の販売を目標にしている。しかし日本は1000台。供給台数が少ないのである。
発売前から話題豊富なホンダeに初の公道プレス試乗会で乗った。試乗車は高いほうのアドバンス。これまでの受注もほとんどがこちらだそうだ。...