つつましさという美徳
「ボルボXC60」の2リッターガソリンターボ車が、マイルドハイブリッドシステムを搭載した「B5」に進化。電動アシスト機構を得たボルボのアッパーミドルクラスSUVは、プレミアムなのにつつましいという、得難いキャラクターのモデルに仕上がっていた。
デザインのためのデザインにあらず
「ボルボXC60 B5 AWDインスクリプション」、このクルマの何がいいって、乗っていると、いい人に見られることだ。
まず、「どないだー!」とか「ナンボのもんじゃー!」という押し出しの強さをウリにするモデルとは一線を画す、抑制の利いたルックスが上品だ。パッと見の派手さはない代わりに、前後のオーバーハングの長さがいい案配のバランスで、引き締まった印象を与える。ルーフラインもじっくりと観察するときれいだけれど、クーペっぽさを強調する最近のはやりとは違って、控えめなアピールだ。
つまり“盛る”ことではなく一歩引くことで美しさと個性を表現していて、インスタ映えは期待できないけれど、飽きずに長〜く愛用できそうだ。同時に、ただ控えめであるだけでなく、T字型のヘッドランプやL字型のテールランプでしっかりとボルボらしさも主張している。
ギラギラせずに、落ち着いた印象を与えるデザイン手法はインテリアにも共通する。こちらも、飾り立てることを第一に考えているのではなく、使いやすさを考え抜いて、そこに上等な素材を与えたらこういう内装になりました、という感じ。
内外装ともに、デザイナーが主役ではなく、乗り手が主役のデザインなのだ。グッドデザインというと、つい優秀なデザイナーの顔が見える作品を想像してしまう。けれども、このクルマの場合はデザイナーが黒子に徹していて、クルマがカッコいいというより、乗っている人がステキに見える。そういうクルマって意外と少ないもんです。...