中軸打者の底力
モデルラインナップは全7種類と、今や一大ファミリーとなったメルセデス・ベンツのSUV製品群。その中核をなすのが「GLE」だ。4代目となる現行型の出来栄えを、2リッターディーゼルターボを搭載したエントリーモデル「300d」の試乗を通して確かめた。
ラインナップの柱に課せられる使命
メルセデス・ベンツのSUVラインナップは、電気自動車「EQC」も含めると全7モデルで構成される。ちなみに販売台数的にはがぜん多いトヨタが、日本やアメリカで展開するその数も7モデルと聞けば、メルセデスがいかに隙間を埋めまくってきたかが伝わるだろうか。
もはやビッグマーケットの中・米・欧では乗用車販売の約4〜5割はSUV。そしてミニバンが一定の人気を占める日本でもほぼ3割と、SUVなしでは市場が成り立たない状態になっている。それがゆえの多品種化ではあるが、何せこのコロナ禍ゆえ、この先は自動車メーカーも戦略の変化を余儀なくされるだろう。モデル展開に何らしかの変化があってもおかしくはない状況だ。
もっとも、仮にそうなったとしても、メルセデスのSUVラインナップにおける基幹がGLEであることに揺らぎはないだろう。ブランドの“核”としての「Gクラス」に対し、“柱”としてのGLEは、多用途性や台数規模に関してあまたのライバルと戦いながらSUVのど真ん中を貫き、社に確実に利をもたらすことが必達事項とされている。2019年秋に市場投入されたW167型では、日本仕様では他地域ではオプション扱いとなる3列目シートを標準装備として「GLC」と差別化。機能的な尺度ではもはや隙(すき)がないほどのフルスペックとなった。どの方位からもライバルと比較される存在と言って過言ではない。
そのGLEの最もベーシックなグレードとなるのが300dだ。搭載されるエンジンは最新世代のディーゼルとなる2リッター4気筒直噴ターボのOM654型。245PSのパワーもさることながら、500N・mのトルクに驚かされる。同じディーゼルで考えても、従来であれば3リッタークラスのそれだ。これに9段ATを組み合わせることで、実に2.3tという車重との整合性を図っている。...