まずは手堅く
8年ぶりにフルモデルチェンジしたフォルクスワーゲンのコンパクトSUV「ティグアン」に試乗。現段階では、1.4リッターのTSIエンジンに前輪駆動のみの品ぞろえ。インフォテインメントシステムの強化も見どころのひとつだ。
乗りなれた安心感
首都高速を流れに乗って走っている限り、すっかり体になじんだあの感覚、つまり静かで滑らかでスイスイ軽快、そのうえ実用域で切れが良くて扱いやすいVWフィーリングにあふれていて落ち着くいっぽう、最新モデルなのにいつもの店のいつものランチ、のように感じていることを奇妙にも思う。視点が高いことを除けばVWであることは間違いないが、「パサート」か「ゴルフ」かどのモデルに乗っているのか、ふと運転している本人も定かではなくなるぐらい似ているのだ。
それは良くも悪くもSUVに乗っているという感覚が薄いということでもある。VWの横置きエンジン・モジュラープラットフォーム「MQB」の第5弾に当たるという新型ティグアンは、従来型より長く幅広く、低くなっており、ホイールベースも70mm延長されているからこれまで以上に安定感が高く、しかもFWDなので車重も従来型の4WDモデルに比べると100kgほど軽くなっているので、なおさら何に乗っているのかわからなくなる。走破性をうんぬんするSUVではなくクロスオーバーととらえるべきなのかもしれないが、ティグアンならではの特徴は何かと正面切って尋ねられると、ちょっと答えに詰まる。最新モデルだけあって、安全運転支援システムは充実し、最新のインフォテインメント関係もそろって“つながるSUV”をアピールしている。ただし、それはパワートレイン同様、他のVWと選ぶところがないし、広い室内や広大なラゲッジスペース(615〜1655リッター)はもちろん魅力だが、その点はゴルフやパサートの「ヴァリアント」でも同じである。そつなく洗練されているが、特徴的な体臭はほとんど感じられないのである。...