掛け値なしにサイコー
半世紀以上にわたる歴史を持つ、ポルシェのアイコニックなスポーツカー「911」。最新世代の後輪駆動モデル「911カレラS」に試乗した筆者は、かつて称賛した先代からのさらなる進化に、深いため息をついたのだった。
変化は数字に表れる
せっかくポルシェ911カレラSがあるのだから箱根まで行こう、と早起きする。朝ぼらけのなか、リモコンキーでドアのロックを解除すると、指の入る余地がないほどボディーにべったり貼りついているドアハンドルが機械音を発してポップアウト、外に飛び出す。これが、2018年11月のロサンゼルスモーターショーでデビューした現行8代目911の大きな特徴だ。外見は、私のような注意力散漫な人間には991.II、すなわち991の後期型と見分けがつかないけれど、ボディーは全部、まるごとすっかり新しくなり、アウタースキンはすべてアルミニウム製になっている。
2450mmのホイールベースは991型と同一ながら、全長は20mmだけ長くなり、「カレラ」およびカレラSのリアのアクスルの全幅が最大45mm広げられて、4WD、および一部の高性能モデルと同じになった。だから、気のせい、いや、スポーツカーは気のものだから、気のせいこそ重要ともいえますが、リアビューミラーに映るリアフェンダーのふくらみがこころもち大きくなった。フロントのアクスルはRWDも4WDも45mm拡大し、991型「GT3」並みになっている。これにより、フロントフェンダーのふくらみも大きくなっている。
さらに前後20インチだったホイールは、前20インチ、後ろ21インチと、前後異サイズとなった。前245/35、後ろ 305/30というタイヤサイズは、リアの直径を除けばこれまで通りである。
でもって、ドライバーズシートに着座すると、リアビューミラーに映るそのリアのフェンダーの張り出し具合がとてもステキに思える。ということはすでに書いた。そして着座してみて、筆者はしみじみ思った。911のパッケージングはやっぱりすばらしい、と。911以外のスーパーカーに比べると、着座位置がはるかに高めで乗降しやすく、だけど乗用車っぽくはなくて、ちゃんとスポーツカーしている。なのに視界がよくて、実にコンパクトに感じられる。...