侮れない戦闘力
2020年春に日本の道を走り始めるBMWのニューモデル「2シリーズ グランクーペ」。コンパクトな4ドアクーペの走りには、どんな特徴があるのか? 駆動方式やパワーユニットの異なる2モデルにポルトガルで試乗した。
美しさと実用性を両立
2019年に登場した「1シリーズ」が3代目にしてFF化されてしまったいま、BMWのFRが好きで、しかもなるべくコンパクトなモデルがいいというファンにとって最後のとりでとなっているのが「2シリーズ」の「クーペ」「カブリオレ」および「M2」。同シリーズにはすでにFFの「アクティブツアラー」「グランツアラー」もあることだし、ここまでの流れをみれば、そのうちFRは「3シリーズ」以上、2シリーズ以下はFFと明確に分かれるのではないか? と思うのが自然だ。果たして、新たに加わった2シリーズ グランクーペは、やはりFFだった。
これまで「4シリーズ」「6シリーズ」「8シリーズ」にあった「グランクーペ」は(現在6シリーズは廃止され8シリーズに上級移行)、BMWの車種拡大戦略を担う4ドアクーペで、累計40万台が販売されたというから、それなりに成功をおさめているといえる。ベースのセダンに対してルックスが美しいのはもちろん、乗り味にモアスポーティーやモアソフィスティケートがきちんと反映されていて、よりプレミアムに仕上がっており、それでいて実用性はセダンに近いというのが人気の理由のようだ。コンパクトな2シリーズの場合、FRでは実用性確保が難しいというのがFF採用の理由とされている。
FRの2シリーズ クーペに比べると後席のレッグルームは33mm延長されている。身長180cm程度の人でも無理なく座れて、乗降性も良好だ。
FF化のメリットに加えて、後方のデザインも美しさと実用性の両立に貢献している。ルーフライン後半からCピラーまでを細くしてエレガントに見せつつ、そのピラーの根元を切り返しで太くして安定感を演出するデザインや、リアドア後方までウィンドウを伸ばす6ライトなどの手法がそれだ。サイドビューにおけるウィンドウとボディーパネルの天地方向の比率は、クーペとしてはウィンドウ部が大きくなっている。この点でも実用性を重視しているのがわかるが、前述のデザイン手法でエレガントさを保っているわけだ。
ラゲッジルームは2シリーズ クーペ比で40リッター増しの430リッター。ファミリーカーとしてもしっかり使えるパッケージになっており、先代に比べてボディーサイズが大きくなった3シリーズ セダンを選ぶことに二の足を踏む人にとっても、気になる存在となっている。...