先駆者は惑わない
一代にして軽クロスオーバーというジャンルを築いた「スズキ・ハスラー」が、2代目にフルモデルチェンジ。ユーティリティー、装備の充実度、快適性、走りの質感と、全方位的な進化を遂げた新型は、開発理念にブレのない、完成度の高いクルマに仕上がっていた。
“タフ&ストロング”へ劇的に変化
東京モーターショーや東京オートサロンですでに見ていたが、あらためて目のあたりにすると新型ハスラーは初代とはまるで違うカタチだ。しかし、間違いなくハスラーだとわかる。デザイナー陣はとてもいい仕事をした。売れたモデルの2代目は、似すぎていると代わりばえしないと言われるし、思い切って変えてしまうとユーザーからそっぽを向かれる可能性がある。困難なミッションなのだ。
全長と全幅は変えようがないから先代と同じで、全高は15mm高くなった。ホイールベースは2425mmから2460mmに延長されている。サイズの拡大はわずかだが、ずいぶん広そうに見える。各面をギリギリまで広げ、角張ったフォルムを採用したからだろう。実際に室内スペースも少しだけ広くなっている。
サイドから見ると、はっきりとスクエア感が強調されている。ルーフラインからウィンドウ、キャラクターライン、ホイールアーチ上端と、見事に水平線が並ぶのだ。ボディー後端はほぼ垂直に切り落とされている。ちょっと猫背で愛嬌(あいきょう)のあった先代とは印象がまるで違う。“ファニー&ポップ”から“タフ&ストロング”へと、劇的に変化した。
「遊べる軽」というコンセプトは初代と一緒で、アウトドアを意識したクルマであることに変わりはない。でも、アウトドアに向けられる視線が変わったことで、ハスラーも変化しなければならなかった。初代が登場した2014年より、アウトドアは身近なものになっている。マウンテンジャケットを街なかで着こなすのは普通になり、作業着ブランドだったワークマンがカジュアルウエアとして人気だ。「アウトドアを日常に」という掛け声のもと、都会にあってもアウトドア感を強めることがハスラーに求められていると判断したのだろう。...