元気のシンボル
トヨタのクロスオーバーモデル「C-HR」に、GAZOO Racingが開発を手がけた新グレード“GRスポーツ”が登場。専用のエアロパーツと足まわりでチューンされた、スポーツバージョンの走りやいかに?
もうおしまいかと思ったけれど
新車の試乗会に参加した際、「マニュアルはないのですか?」と聞かなくなって久しい。2ペダルモデルの進化と反比例するかのように3ペダル式MT車の影はどんどん薄くなっていって、大して台数が出ないうえ加速でも燃費でも勝てなくなってきたMT車の有無について質問するのは「個人的かつ趣味的な興味にすぎないのでは」と自主規制を始め、いつしかマニュアル車そのものが絶滅危惧種になっていた。
だからトヨタが2018年に「iMT」を発表して、国内モデルにも搭載することをアナウンスしたのは意外だった。iMTとは、インテリジェント・マニュアル・トランスミッションの略。発進時に運転者がクラッチペダルを踏むと、エンジンのトルクを厚くしてエンストしにくくし、またギアチェンジの際には自動でエンジン回転数を合わせてシフトショックを抑えてくれる、新世代のMTだ。ハードウエアはもとより、処理能力が格段に上がった車載コンピューターを生かしてソフトウエアでリファインを推し進めたギアボックスといえる。まだまだMT車のニーズが根強い欧米に加え、東南アジアをはじめとする発展途上国のマーケットをにらんで開発された。
商売上手のトヨタは国内市場において、かつては廉価グレードの装備であったMTに「スポーティー」という付加価値を与えて、ニューモデルのカタログに載せるようになっている。3ペダルのマニュアルギアボックスという枯れた技術に、電子制御で新しいオイルを注いだわけである。...