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古道・魚屋道で神戸の眺望を楽しむ!甲南山手駅界隈 眺望坂めぐり


神戸市東灘区に位置するJR・甲南山手駅界隈には、江戸時代から存在する魚屋道(ととやみち)という有名な古道があります。魚屋道は、現在、六甲山の登山ルートとしても残っており、海と山が近い神戸ならではの古道といえます。今回は、そんな魚屋道の中でも甲南山手駅から観光気分で歩いて訪れることができる場所に絞り、あわせて界隈の坂道や史跡などについても取り上げてみたいと思います。

魚屋道(ととやみち)とは?

写真:雲本 らて

魚屋道(ととやみち)は、江戸時代初期から深江浜(現在の神戸市東灘区)でとれた新鮮な魚を商人たちが有馬温泉まで運ぶのに利用した山越え道だったことからそう呼ばれるようになりました。道のりは12kmほどなので、当時でも半日くらいで新鮮な魚が有馬温泉の湯治客のもとに届けられたといわれています。なお魚屋道(ととやみち)と呼ばれるようになったのは、明治時代になってからと言われています。それ以前は「湯山間道」とか「乃津甲越え」と呼ばれていました。
現在の魚屋道はJR・甲南山手駅からなら、徒歩で4分くらいの場所にあります。魚屋道とJR神戸線の線路が交差するあたりには、「稲荷筋と魚屋道」と書かれた説明板も設置されています。

写真:雲本 らて

魚屋道とJR神戸線の線路が交差するあたりからさらに山側に歩き、阪急神戸線の高架を抜けたあたりに森稲荷神社が隣接しています。元正天皇の霊亀元年(715年=奈良時代)卯月卯日の夜に建立されたというかなり歴史のある神社です。境内も地形に富み、本殿の屋根についても檜皮葺という神戸市内でも数少なく、先の阪神淡路大震災でも拝殿・社務所が被災する中、倒壊を免れた珍しいものなので立ち寄ってみるのもいいでしょう。

魚屋道からの眺望

写真:雲本 らて

森稲荷神社が隣接するあたりから魚屋道は坂道になっていきます。そして急勾配の坂道をのぼり続け甲南女子大学が隣接するあたりまできて海側を見ると、景色が急にひらけてくるポイントがあります。遠くには海はもちろん、海沿いの市街地や六甲アイランドがよく見えます。

写真:雲本 らて

なお甲南女子大学が隣接するあたりから更に魚屋道をのぼっていくと、突然砂利道になります。道路脇には「魚屋道」と書かれた標識が設置されています。これまでは住宅街の中にあった魚屋道ですが、ここからは本格的な登山道になっていきます。もしこれより上に行きたい方は、それなりの登山装備と事前準備をしてから挑戦することをおすすめします。

魚屋道の平地部めぐり

写真:雲本 らて

JR・甲南山手駅から最寄りポイントであるJR神戸線の線路が交差するあたりから魚屋道を海側に歩いた時に見ておきたい場所についても取り上げておきます。
まずひとつは、魚屋道と国道2号線が交差するあたりに「朱鳥居」と呼ばれる赤い鳥居が魚屋道上にあります。この鳥居は、さきほど紹介した森稲荷神社の鳥居で、昭和2年に建立されたものです。昭和20年の空襲の際は青木にあった川西航空甲南製作所を攻撃する際の目印にもなったという悲しい歴史も秘めています。なお鳥居のそばには古い石碑もあります。これは西国街道(現在の国道2号線)から森稲荷神社への分岐点を示す役割をになっており、蜀山人(江戸時代の狂歌師)の「革命紀行」にも記されています。

写真:雲本 らて

鳥居のある場所からさらに海側に歩き、阪神電車・深江駅をこえたあたりにある大日霊女神社境内の道路に面した場所にも「魚屋道」と記された石碑と説明板があります。これは大日霊女神社から海側に歩き阪神高速をこえるとすぐのところに深江大橋があり、かつての海岸線はこのあたりだったためと思われます。要は、このあたりが魚屋道の海側のスタート地点という意味でもこのような石碑と説明板が設置されたのではないかという見立てです。
ちなみに、1995年1月17日に起こった阪神・淡路大震災で倒壊した阪神高速道路崩壊現場(もちろん現在は元通りになっています)まで、ここからなら徒歩4・5分で行くこともできます。

甲南山手駅界隈の眺望坂

写真:雲本 らて

魚屋道界隈にもたくさんの坂道があります。特に甲南山手駅からすぐの場所におすすめの坂道があります。ここでは2つほど紹介しておきます。
まずひとつ目が、甲南女子中学校・高等学校の正門前から海側に向かって下っている坂道です。急勾配のため坂上あたりからは海沿いの市街地が眺められます。周辺も閑静な住宅街ということもあり落ち着いた雰囲気で歩いていても気持ちがいいです。
ちなみに、この坂道には名前はつけられていませんが、甲南女子中学校・高等学校の生徒たちの間では「地獄坂」と呼ばれ、昔から親しまれているそうです。

写真:雲本 らて

ふたつ目は、甲南女子中学校・高等学校の北東側に隣接している階段です。このあたりの地形具合により高低差もかなりあり、そのため階段上からの眺望もよいです。
なおこの項でとりあげた坂道と階段はどちらも神戸市東灘区と芦屋市の市境にある道路です。そういう意味でもマニア心をくすぐる坂道だったりします。
魚屋道界隈には、ここまで紹介したとおり名前のある坂道はありません。ただこのあたりはマニアもうなる坂道の宝庫でもあります。そして魚屋道や坂道からの眺望も地元の人にとっては日常の風景のため積極的に告知されていませんが、観光気分で歩くと楽しいです。ぜひ試してみてください。

魚屋道(ととやみち)の基本情報

住所:兵庫県神戸市東灘区森北町および森南町、本庄町、深江北町、深江本町など
アクセス:JR・甲南山手駅より徒歩4分(および阪神電車・深江駅より徒歩1分)
2020年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
神戸市東灘区:タウンマップ 歴史掘り起こしマップ 魚屋道の碑
https://www.city.kobe.lg.jp/b07715/kuyakusho/higashinadaku/shoukai/townmap/rekishi/rks_14uoya.html
森稲荷神社
http://www.hyogo-jinjacho.com/data/6301008.html

【LINEトラベルjp・ナビゲーター】
雲本 らて

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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