“本物”はひけらかさない
マツダのSUV=都会派のおしゃれSUV。当のマツダがこうしたイメージ戦略を敷いてきた以上、この認識は狙い通りなのだが、これが浸透しすぎてしまい、実はちょっと困っているらしい。クローズドコースでマツダSUVの隠れた(?)オフロード性能を試してみた。
SUVに注力するマツダ
考えてみれば、今のマツダはすっかり、SUVに軸足を置くメーカーとなった。
日本におけるマツダのラインナップには「CX-3」「CX-30」「CX-5」「CX-8」というの4つのSUVがそろう。4車種という数字にはさほど驚かないが、マツダの場合、SUV以外の自社製乗用車も「マツダ2」「マツダ3」「マツダ6」「ロードスター」の4つしかない(車体形式のバリエーションを数えると車種はもっと増えるけど)。さらに、海外市場にまで視野を広げると、SUV以外の車種数はほとんど増えない(しいていえばマツダ2のセダンくらい)のに対して、SUVでは「CX-9」と「CX-4」という海外専売商品が2車種も加わる。
少数精鋭型ラインナップの現在のマツダは、かように“SUV占有率”が高いのだ。「SKYACTIV(スカイアクティブ)」をうたうようになって以降のマツダの、グローバルでの最量販車種はCX-5である。それに続く2番目の量販車種は「アクセラ/マツダ3」だったが、今後は新規SUVのCX-30がマツダ3以上の台数を稼ぐ可能性が高い。
彼らのSUVへの力の入れようは、商品ラインナップ数だけでなく技術的にもうがかえる。現在のマツダが使う4WDシステムの「i-ACTIV AWD」は基本構造こそよくある電子制御スタンバイ式だが、超低フリクションと超高反応制御には独自のこだわりがあり、「FFより高効率で低燃費な4WD」を目指して、日々の技術開発を続けている。また、独自の「G-ベクタリングコントロール/G-ベクタリングコントロールプラス(以下、GVCプラス)」は低ミュー路や悪路でのグリップ確保にも効果的な技術だ。
しかし、マツダがここまでやっても、本格的なアウトドア活動を趣味とするユーザーに選ばれがちなのは「トヨタRAV4」や「日産エクストレイル」あるいは「スバル・フォレスター」であって、CX-5ではないのが現実である。...