帰ってきた一匹狼
ハーレーダビッドソンのラインナップに、走りのよさが身上の「ローライダーS」がカムバック。怪力Vツインの「ミルウォーキーエイト114」を搭載し、足まわりもスポーティーに仕立てられたニューモデルは、“大人の不良”にふさわしい一台に仕上がっていた。
“走り”のハーレーダビッドソン
Low Rider. 何といっても語感がいい。しかし意味はよくわからない。けれどたぶん、英語圏の人にしても響きのよさでおおむね納得できるものがある気がする。例えば低く身構えて世間に牙をむく、孤高のローンウルフみたいな。って、孤高とローン(lone)で意味がカブッてるじゃないか。
文字通りロー&ロングの、個人的にはハーレーの中で最も男っぽいスタイルだと思う「ローライダー」。2020年モデルで既存のローライダーの他に「S」が付いた新機種が追加されたら、二輪通の間では「Welcome back!」と歓喜の声が上がったという。まずはその辺の説明から。
ローライダーは、かつて「ダイナ」ファミリーに属していた1977年発表の「FXSローライダー」を祖とするモデルだ。ダイナというのは、軽快な「スポーツスター」と重厚な「ツーリング」の間に位置していた“いいとこ取り”のファミリーで、なかでもローライダーは、初代以降“走りのいいビッグツイン”の看板を掲げ続けた。そんなローライダーに最初のSモデルが登場したのが2016年。台数限定でリリースされるCVO(Custom Vehicle Operations)に用いられていた「スクリーミンイーグル・ツインカム110B」エンジンを搭載しており、通常版の1584tに対して1801ccの排気量を有していた。
その後、ダイナファミリーは2018年モデルの登場に際して「ソフテイル」ファミリーに統合される形で消滅。ローライダーだけがソフテイル家に婿入りする形でその名を残していた。このような経緯もあって、最新のラインナップで通常版とは別にローライダーSが発表されたので、ファンの間で「ようこそお帰り!」となったわけである。そうした系譜への筋の通し方はいかにもハーレーらしい流儀なので、あえて触れておくことにした。...