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細分化されていく「かわいい」の価値観…ルッキズムとの上手な “向き合い方”
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「qruam(キュルアム)」リキッドアイライナー
ルッキズムに結び付かない令和の“かわいい”の価値観「かわいいは見た目ではなくマインド」
BCLカンパニー・塚田莉奈さん
「見た目のカワイイの感覚は人それぞれですから、正解は1つには絞れません。むしろ『自分が一番カワイイと思う自分が最高』といった自己肯定感や、『みんな違って、みんなかわいい』というポジティブマインドこそが『真のカワイイ』だという共通認識が私たちの世代にはあるような気がします」(安東さん)
BCLカンパニー・安東初音さん
「安東さんと私のカワイイの指標は真逆と言っていいほど違いますが、共通しているのは『自分モテ』を大切にしているところ。『誰かが決めたカワイイよりも、自分軸のカワイイが一番』という感覚が共感できるから、お互いのことを『カワイイ』と認め合えるのかなと思います」(塚田さん)
「カワイイ」という言葉の定義は、「誰かが決めたもの」ではなく、「自分らしくあること」「似合っていること」「お互いを認め合うこと」と、その範囲や尺度は想像以上に広がっているのが“現代の価値観”といえる。世間一般ではなく、自分自身が主体的に決めるもの。そんな新たな「カワイイの価値観」は、確実に若い世代の間でスタンダードになりつつあるようだ。
画一的なロールモデルがいない現代「メイクは自分の最大値を引き出すものに変化」
「qruam(キュルアム)」リキッドアイライナー
その成果として新コスメブランド『キュルアム』を開発。第一弾プロダクトとして9色のリキッドアイライナーが発売された。黒か茶色が定番のアイライナーでこれだけのカラーバリエーションを展開するのは異例のことで、「パーソナルカラーの概念がこれだけ広く定着しているのだから、アイライナーにも選択肢がほしい」「本当に自分にぴったりなカラーを見つけてもらいたい」といったターゲット世代のリアルな感覚が採用されたという。
「qruam(キュルアム)」カラーチャート
BCLカンパニー・小川麻衣さん
「平成のアイメイクはアイラインを目頭から目尻までがっつり引いたり、重ね塗りしたりして、いかに目を大きく見せるかにフォーカスされていました。『皆が目指すカリスマ』に目が大きい方が多かったり、『目が大きい=カワイイ』という価値観が根強かったことも影響していたと思います。今はそうしたわかりやすいロールモデルがいない分、メイクは『誰かを目指すのではなく、自分の最大値を引き出す』ためにするものという考え方が主流になっています」(塚田さん)
提案ではなく、消費者に寄り添うコスメ作り、「“かわいい”を押し付けない価値観」を大切に
「qruam(キュルアム)」開発メンバー
チームをまとめあげた大小原さんは「当初、『メイクをするときにチャームが揺れるのは邪魔なのでは?』と感じていました」と率直な意見を話してくれた。
「先輩社員の私たちは、『邪魔になるものは付けない』というユーザーの利便性を先に考えてしまっていました。しかし、『かわいいコスメを持っているとメイクをする時の気分も上がる』という後輩たちの主張に、なるほどと思ったんです。コスメを見て"きゅるん"と胸が高鳴る感覚、チャームがポーチからはみ出ているのがカワイイという魅せ方もあるという気づきがありました。平成の頃はメディアが発信するトレンドや、メーカーが提案する商品が消費者に影響を与えていました。しかし、これだけ『カワイイ』の文脈が多様化している今、これまで以上に消費者のインサイトを丁寧に紐解く必要性を感じています」(大小原さん)
BCLカンパニー・大小原碧里さん
「私自身、1消費者として『かわいいものを作りました。ほら、かわいいでしょ!』という主張が強すぎる商品は少し引いてしまいます。もちろん最高にかわいいものができたという自信はありますが、お客さまに対しては『あなたのかわいいのお役に立てたらいいなと思っています。どうですか?』くらいの気持ちでいたい。それを手に取っていただいた方から『かわいいね』という反応が返ってきて、初めてカワイイが成立する。そんな双方向のコミュニケーションがお客さまと生まれるブランドでありたいと思っています」(安東さん)
改めて、FRUITS ZIPPER「NEW KAWAII」の「大好きな人がにゅーかわいかった それがほんの少しでも わたしのせいならいいな」という歌詞を引用したい。相互にポジティブな影響を与え合うことで、メディアやメーカー、社会など誰かが決めたルッキズムを解き放ち、自己肯定も他者肯定も叶えられる最強のツール。そんな「令和のカワイイ」の価値観が『NEW KAWAII』の歌詞、そしてキュルアムのものづくりから見えてきた。