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がん経験者の美容エキスパート「治療で抜けた眉を自然に」 実践したテクニックを公開

  • ビューティーコーディネーター鉢呂由紀子さん

    ビューティーコーディネーター鉢呂由紀子さん

抗がん剤治療の副作用としてよく知られる脱毛。近年では、治療前にウィッグ(かつら)や帽子といった頭髪の脱毛に備える人も多い。ところが、意外に見落としがちなのが「眉毛」だ。実はこの眉毛、顔全体に占める割合は少ないものの、美容業界では「顔の印象を左右するパーツ」とも言われ、抜けることで人相が激変することもある。昨年、治療のため化学療法を行ったビューティーコーディネーター鉢呂由紀子さんも、眉脱毛に悩んだ1人だ。

アピアランス支援で「治療を気にせず自分らしくいることが可能に」

 美容業界で25年以上のキャリアを持つ鉢呂さんは、2021年12月に手術を行った。翌年2月から約半年間の化学療法で眉脱毛を経験し、強いストレスを感じたと話す。

「眉やまつ毛の脱毛って本当に人相が変わるんです。外見の変化は気持ちまでも変えてしまうということを身をもって経験しました」

 そこで、これまでの経験と知識を活かし“できるだけ自然”な眉メイクの方法を編み出した。ポイントは眉ペンシルではなく、アイシャドウまたはパウダー状のアイブロウを使うこと。

「毛のない部分にペンシルで眉を描くと不自然になってしまうので、使わなくなった茶系・グレー系のアイシャドウがおすすめです。パール入りだとさらに良いと思います。眉毛も毛なのでツヤがあったほうが自然に見えます。最近はあまり見かけませんが、パウダー状のアイブロウがある場合は、そちらを使っても良いと思います」
 綿棒は肌当たりが優しく、「地肌にガリガリしても痛くない」そうだ。これから治療による脱毛がある人には、事前準備も大切と言う。

「目安がない状態で眉を描くのは本当に大変です。私も脱毛前に眉ティント(眉の地肌に着色し、眉メイクをキープするアイテム)して、なんとなくの眉ガイドラインがわかるようにしておきました」

 治療中のメイクアップテクニックはチークにも。

「チークは笑ったときに高くなる部分に入れるのが基本ですが、その時、ちょっと内側に入れることを意識してみてください。より自然な血色感を演出し、リフトアップ効果も期待できます」 

 先週末、ミネラルコスメブランド「ベアミネラル」とがん経験者向けの保険を扱うMICIN(マイシン)少額短期保険のコラボレーションで開催された「がんと向き合う女性」を応援するオンラインセミナーで、スキンケアのコツとメイクテクニックを披露した鉢呂さん。

 がん治療による外見の変化に苦しむ患者が増加している近年、「アピアランス(外見)」支援は、今後、ますますその重要性が増すに違いない。もちろん“今まで通り”とはいかない。だが、「サポートによって“治療を気にせず自分らしくいる”ことは可能」と話す鉢呂さん。自身の経験も踏まえ、今後もがん患者の「自分らしくありたい」気持ちを応援し、生活の質の向上につながる支援をしていきたいという。

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