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“福岡のνガンダム”に出会った感動をガンプラで「立像見て感じた僕たちを守ってくれそうなヒロイック感を表現」
帰りの飛行機の時間に遅れそうになるほど魅了された「福岡のνガンダム」
puras制作のきっかけは、立像を実際に見たことでした。今年6月、勤め先の同僚2名と「福岡のνガンダム見に行こう!」という話になり、日帰りでららぽーと福岡へ行きました。もともと、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』はとても大好きで、圧倒的な強さと存在感を持つνガンダムはお気に入りの機体のひとつだったので。
――実際に現地で見た『RX-93 ff νガンダム』はいかがでしたか?
puras膨大な情報量と圧倒的な大きさを真に当たりにし、また、僕たちを守ってくれそうなヒロイック感をひしひしと感じ、「これは(ガンプラを)買って帰ってすぐに作ろう」と思いました。新武装の「ロングレンジ・フィン・ファンネル」に一番に目がいきましたね。「フィン・ファンネルがめちゃくちゃデカい!? しかも1本!?」って驚きました(笑)。また、日帰りの弾丸旅行でしたので、νガンダム立像に魅入りすぎて、ガンプラの買い物もしたので、帰りの飛行機に遅れそうになり、同僚と一緒に空港を全力疾走したのが良い思い出になっています(笑)。
――感動とドタバタの素敵な思い出ですね(笑)。興奮のままに制作、発表された作品は、圧倒的なディティールですが、ウェザリング、ミキシングなどではなく、細部まで精度を高めたカスタムです。このような作りにしたのはどのような理由からでしょうか?
puras「νガンダムの立像をそのままの形で作り上げたい」というのが一番の理由ですね。使用したキット(RG 1/144 RX-93ff νガンダム)そのものがとても素晴らしいので、ゲート処理、付属デカール貼り、スミ入れ、トップコートという基礎的な仕上げを施しました。「素材の良さをより引き出してあげたい」という気持ちで制作の方向性を決めていきました。
「素材の良さを引き出せていない…」初期の失敗を糧に腕を磨き今の作風に
puras格納庫を意識した作品は、立像のポージングで飾ると武装が余ってもったいないから、良い展示方法はないかと考えたことが、この作品を制作するきっかけでした。福岡の立像のνガンダムはロングレンジ・フィン・ファンネルのみ装備されていますが、実戦配備時に使用するライフルやシールドもしっかりと存在していて機密的に保管されている、というイメージで制作しました。
――なるほど、それで立像をイメージしながら、武器も装備したスタイルになったわけですね。本作を作る際に一番こだわった点、一番苦労した点をそれぞれ教えてください。
puras前述の通り、素材の良さを活かす為にゲート処理やスミ入れは、自分なりにこだわりました。夢中で組み立てていたのであっという間に完成した感があり、あまり苦労を感じなかったのですが、強いてあげるとすればデカールの貼り付けですかね。RGならではの精細で膨大な量の付属デカールには圧倒されました(笑)。
――本作も含め、purasさんの作品を拝見すると、派手なウェザリングやミキシングを施しているわけではないのですが、基本に忠実に、細かく、一つ一つの“仕事”が実に丁寧に仕上げられており、基本に忠実な作品を生み出していらっしゃいます。なぜこのような作風で作品を作られているのですか?
purasありがとうございます。このような作風になったきっかけは、ガンプラの素晴らしさを自分なりに少しでも共有していきたいという思いでSNSを始めてみたものの、ガンプラを制作し、ポーズを付けて撮影したら、実際に見るのと写真は全然違っていて、「素材の良さを引き出せていない…」と思ったことが始まりでした。ガンプラをどれだけカッコよく、劇中のような活き活きした雰囲気をどれだけ表現できるか、という思いで日々技術を勉強して、この作風となりました。
――本作には、一般のファンだけでなく、多くのガンプラモデラーから賞賛の声が寄せられました。この反響をどのように受け止めていますか?
purasフォロワーの方だけでなく、さまざまな方々から「かっこいい!」「綺麗!」などのコメントをいただけることを、いつもうれしく思い、ガンプラ制作・撮影のモチベーションになっています。この機会をお借りして感謝を申し上げます。本作に対して頂いたコメントのなかで特に印象的だったのは、「無改造、過度なウェザリングなし、無地背景で素材の100%を引き出して人を魅了する写真を撮れるところ。光の明暗のみでリアルさを演出出来るところ。やっぱり私の目標はこの人だ」という言葉ですね。SNSを始めてからの根幹の目標でしたので、感無量でした。
――それはモデラー冥利に尽きるうれしいコメントですね。では、最後にpurasさんにとって「ガンプラ」とは?
purasものづくりの楽しさを教えてくれた原点です。どんどん進化し続けているガンプラは、これからも私を魅了してくれるんだろうなと日々ワクワクしています。これからも「楽しみながら作る」の気持ちを常に大切にしながら、作品作りを続けていきたいと思います。