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TikTokフォロワー220万の佐藤三兄弟、三つ子ならではの“シンクロ”アクロバットに世界中から反響

 宮城県生まれの三つ子・佐藤三兄弟(24)。SNSやYouTubeで三つ子ならではの“シンクロアクロバット”を披露しており、世界中から反響を呼んでいる。TikTokフォロワーは220万を超え、Instagramでも、「奇跡のシンクロ」と称したタンブリングの投稿が2650万回を超えた。6歳から新体操を始め、幼少期からライバルでもあり、同志だったという三兄弟。新体操の名門・青森大を昨春卒業し、現在はタレントパフォーマーとして活動する彼らに、世界中から反響が寄せられている“シンクロアクロバット”に懸ける思いを聞いた。

小学生時代は土日12時間練習、3人揃って日本トップの成績を収めてきた一卵性三つ子

 佐藤三兄弟は、長男・綾人(あやと)、次男・颯人(はやと)、三男・嘉人(よしと)の“一卵性三つ子”からなるユニット。中学時代には3人とも全日本ジュニアに出場し、高校時代は日本ユースチャンピオンシップで入賞、大学は新体操の名門・青森大を揃って卒業。昨春から東京で3人暮らしを始め、現在はavex所属のタレントパフォーマーとして、SNSをはじめ、様々なメディアにて活動している。
――新体操を始めたきっかけを教えてください。

颯人6歳の時、たまたま男子新体操のテレビ番組の特集を3人で見て、「格好いい!!」と感じたのがきっかけです。それまでもサッカーとか野球とかいろいろ見学に行ったんですけど、3人ともしっくり来なくて。でも、男子新体操を見た時に3人の意見が一致しました。

――やってみて、すぐにハマったのでしょうか?

颯人もともと3人とも運動が大好きだったので、最初から楽しかった記憶があります。さらに小学1年生の時に、3人ともレギュラー入りしたチームが東北大会で優勝して、ますます熱量が増しました。
――中学時代から日本トップの成績を収められてきましたが、1日何時間ほど練習されていましたか。

綾人小学生の頃は4時間×週3くらいですね。平日は学校が終わった後、夕方から夜の9時まで。小さい頃にいかに基礎をしみこませられるかが大事なので、土日は、朝の9時から夜の9時までやっていました。高校・大学に進学してからは、もう少し練習時間は減らして、量より“質”を重視。いかに本番を想定した緊張感で練習をするか、常日頃から意識して励んでいました。

常に比べられてきた苦悩乗り越え、辿り着いた境地「“三つ子”という希少性が武器になる」

――3人で同じ競技をしてきた中で、ライバルとしてぶつかり合ったり、常に比べられることに苦悩したりする時期もありましたか。

嘉人大会近くになるとお互い個人競技もやっていたので、家でもピリピリしていましたね。練習中に話さないこともありました。常に比べられていましたから。

颯人容姿も似てるし、常にひとくくりにされて、個人個人を見てもらいにくくなる。ですから、いかに自己主張をするか、それは他の選手よりも意識していたと思います。

嘉人でもある時から、比べられることによってメリットがあることに気づいたんです。例えば綾人はひねり技、バク転バク宙などのタンブリングが強い。颯人は絶対ミスをしない安定感でしなやかな動き。僕はタンブリングの高さやダイナミックさ。自分たちでは気づいてなかったんですが、比べられることで自分の良さに気づけたというか、それを長所だと感じられるようになりました。
――大学時代には、お三方とも“団体”ではなく“個人”選手を選び、2年連続、嘉人さんだけがレギュラーから外れていた時期もありました。

綾人本人と同じぐらい悔しかったですね。何故自分ができることを、嘉人はできないのか。教えようにも得手不得手の問題がある。その悔しさが自分の中にこみ上げました。

颯人ライバルとして見ていたけど、兄弟でもある。なんとか這い上がって来いという気持ちでいました。

嘉人自分以外の2人がメンバー入りしないことは一度もなかった。いつも3人一緒だったから、いつも以上に悔しいし、2人の分まで頑張ろうという気持ちが生まれました。
――兄弟愛溢れる3人だからこそ、これまで一度も進路が別れたことがなかったんですね。

嘉人新体操を辞めたいと思うこともあったんですけど、俺らにはこれしかないって想いが16年間ずっと心の中にありました。だから、辞めようという話が出たことはないですね。

颯人3人ともすごく新体操が大好きで。辛い時もあったんですが、小学6年の時に東日本大震災が起こりました。その時、半年ほど練習ができなかったんです。新体操から距離を置いた半年間、さらに新体操がやりたいという気持ちが強くなり、今まで続けられたような気もします。

――高校・大学と進学するうちに、3人のモチベーションに差が生まれたり、進路に迷ったりすることもなかったですか。

綾人違う大学に入ってそれぞれで闘いたいという気持ちもありましたが、結局3人一緒の道を選びましたね。

颯人高校ぐらいから“三つ子”という希少性、珍しさが武器になるとも感じ始めていたんです。三つ子として生んでくれた親への感謝もあり、3人でパフォーマンスをやりたいと考えた。それが、決め手になりました。

体操は五輪競技でも、新体操はマイナースポーツ…「世界に男子新体操を広めたい」

――そして大学卒業後は、アスリートではなく、3人揃ってパフォーマーの道を選ばれました。

嘉人体操は五輪競技でプロもありますが、男子新体操はそれがなく、まだまだマイナーです。知名度が足りていないんです。ですから、僕たちは男子新体操という競技を広めたい。そのために、“三つ子”という希少性を活かし、アクロバットという派手さを加えて、世界に男子新体操を知ってもらおうと、パフォーマーへと進む決断をしました。

――それを機に東京で3人暮らしも始めたとのことで、本当に仲良しな様子が伝わってきます。

颯人口喧嘩もしますし、今はSNSをしているので、ネタの内容とか、パフォーマンスの演技構成とかで、意見が衝突することはよくありますよ(笑)。

綾人でも、選手時代は寮で別々の部屋だったのですが、3人暮らしになって、前よりも仲が良くなった気がします。
――実際にパフォーマーとしての活動が始まって1年あまり、振り返っていかがですか。

嘉人すごく大きな反響を頂いて、もちろん嬉しいですけど、数字に満足したことはないです。さらに次へ次へ、という気持ちが常にあります。コメントを見ると、僕たちだけでなく、3人を育てた母親に対しての尊敬の言葉も多いんです。それを見て、もっと母親に感謝しなければという気持ちにもなっています。

綾人それはあるね。あと、これまで新体操しかやってきてなかったので、他のことが何もできないんですよ。今、バラエティやモデルにも挑戦させてもらっていますが、3人とも俳優業や音楽業にも興味があって、これから他に活動の幅を広げようと思った時に、そこは苦労するのかなと感じています。

颯人アクロバットやパフォーマーは若いうちしかできない。今いくらでも回れる分、それで得た影響力を、30〜40代でどう生かすかを考えなきゃいけないなと。地元・仙台の良さをアクロバットの映像で見てもらったり、地元貢献もできたら嬉しいですね。
――3人とも体育会系なだけあって、すごくストイックですね。生まれた時から常に一緒に過ごしてきた三つ子、お互いにとってどんな存在ですか。

嘉人僕らは3人で1つ。今日着る服から何をするにも相談するし、隣にいないとダメ。いなきゃいけない存在って感じですね。

綾人欠かせない存在だよね。仲間でもあり、チームメイトという感覚もあります。

颯人僕も必要不可欠ですね。誰よりも信頼できる人達という感じです。


 ムードメーカーで挑戦心溢れる長男・綾人。まっすぐで何事にもストイックな次男・颯人。少々内気だが、一番のしっかり者で3人のまとめ役の三男・嘉人。取材中、まさに三者三様で異なる個性を放ちながら、温かな兄弟愛も垣間見えた。

 目指すは「世界で愛される三つ子」。アクロバットの最大の魅力は、年齢性別、国籍問わず、誰が見ても一目で“すごい!”と感じられる分かりやすさだ。SNSとの親和性も高い。彼らのシンクロパフォーマンスが、世界中で“男子新体操ブーム”を巻き起こすことに期待したい。


(取材・文=衣輪晋一)

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