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10周年『正直さんぽ』P語る、「街の人に嫌な顔されたこと一度もない」背景に有吉弘行の押し付けない“気遣い”

  • (C)フジテレビ

    今年10周年を迎えた、『ぶらぶらサタデー』内で放送されている『有吉くんの正直さんぽ』

 2012年より放送されている『有吉くんの正直さんぽ』(フジテレビ系)が、4月で10周年を迎える。番組が始まった頃の有吉弘行は、尖った印象が強く、散歩番組の起用は意外にも思われた。しかし、お笑いファン以外の視聴者層の多い時間帯で、彼の素顔も垣間見える当番組は新たな支持層を広げ、この10年で芸能界のトップに登り詰めた有吉を陰で支えた番組の1つとも言えるだろう。「こんな有吉見たことない、そんな姿を届けたい」との思いでやってきたと語る永盛健之Pに、舞台裏を聞いた。

街ブラ系番組では“門外漢”だった有吉をあえて起用 定番となった「芸人×散歩」の先駆けに

 『有吉くんの正直さんぽ』は有吉弘行がゲストを交えながら、さまざまな街をぶらぶらと歩く散歩番組。同番組がスタートしたきっかけを永盛健之Pは、「散歩番組にある種の違和感を取り入れたかった」と話し始める。「当時、旅番組や散歩番組というのは、どこかほんわりとしたものが結構多かった。そこに、対極な芸風の有吉さんを入れたら、どんなコメントを言うんだろう、どんなリアクションをするんだろう…そんな、予定調和ではない散歩番組を制作したく企画しました」(永盛P/以下同)

 従来の街ブラ系番組では、例えば美味しいものを食べた時、視聴者にその味の素晴らしさが伝わるリアクションが上手い人が起用するなどされていた。そんな中、永盛Pは有吉ならではの「普通の人では気づかないようなことを突っ込んでほしい」という想いを込めた。美味しいものは美味しい、普通のものはありのまま。だから“正直”。

「もちろん、ただ文句を言うとか、揚げ足を取るとか、そういう演出をしたかったわけではありません。ただ有吉さんの感性を楽しんでほしかった。実際、僕らから見たらただの看板でも、有吉さんは『なんだ、あの看板』って気づいてくれる。ベテランになればなるほど街ブラロケも定形になり過ぎて見逃してしまいがちですが、そこをある種、旅番組の門外漢だった有吉さんだからこそ気づいてくれて、これまでの街紹介とはまるで違うものにしたいという思いで始めました」

打合せなし、番組の流れは有吉の気分にお任せ「スタッフの考えなんて型にはまっている」

 実際ロケが始まると、有吉の街ブラは予想外のことも。島根では何に興味を持ったのか、宍道湖の横の駅で急に『降りたい』と言い始めた。降りてみたらそこは無人駅で、案の定、畑だらけで何もない。奇跡的に一軒だけ喫茶店があったのでそこでロケをしましたが、あまりに長く歩いたこともあり時間もなく、散歩番組なのにタクシーを使うことに…(笑)。そこも面白いのでOAで使いましたが」

 つまり、番組自体が脱線を楽しんでいる。当然スタッフはロケ前に街を下見し、ある程度ルートを想定しているが、出演者との打ち合わせはほぼなし。東京・愛宕に行った際は、サラリーマンの聖地的な立ち食い蕎麦屋で大行列が出来ているにも関わらず、有吉がどうしても食べたいと列に並んだ。待ち時間は実に45分にも及び、他のロケ番組ではあり得ない事態に。長時間の行列に並ぶ一行が、暑さに耐えながら、まだかまだかと待っている光景もOAした。

「結果、『今ちょっと混んでいるんで…』と撮影を断られることも多々あります。そうしたお店は“あきらめ〜店”のVTRコーナーでフォローするのですが、とにかく有吉さんは入りたいところに入ろうとするので『え、ここ行く!?』とか、度々想定を外れることもあり、スタッフもてんわやんや。我々スタッフが考えることなんて型にはまってますから。有吉さんに任せた方が絶対面白いんです。本当に天才です」

 もし、口に合わないものを食べたら「まずい!」と言ってしまう不安はないのか。「僕も有吉さんと一緒に仕事をするのがこの番組が初めてだったので、当初は何を言うんだろうというヒリヒリ感はありました。でも、10年やってきて凄く感じるのは、有吉さんは街が主役だと考えている。街や店に迷惑がかかることはしない。自分のキャラを突き通すこともしない。一人の人間として街を散策する。そういう意味でも“正直”なんです」

 街やお店に迷惑がかからない限り、いくらでも脱線していい。『正直さんぽ』は、有吉の笑いを壊さない箱であり、遊び場でありたい。永盛Pはその一心で番組作りをしているのだという。

有吉×生野コンビ変わらず10年、キャスト変更の危機も有吉の配慮で回避していた

 そして同番組を語る上で忘れてはならないのが、有吉&生野コンビの空気感。10年キャスト変更がない番組も珍しい。その相性の良さは「生野アナが天然だからかもしれません」と永盛Pは話す。「天然で有吉さん以上に正直だけど、人との距離感をすごく読める。スタッフが気づかないところまで察していたり、時には一歩引いていたり」

 番組開始から2年後、生野が夕方の報道番組を担当することになり、昼には局に戻らないといけなくなった。有吉の多忙なスケジュールから、永盛Pも当然キャストを変更しなければいけないと思っていたが、有吉はあっさりと「朝、ロケやれないんですか?」と聞いてきた。結果、番組は朝ロケに変わったのだが、朝ロケではパン屋や豆腐屋など開いている店が限られるため、この当時に“あきらめ〜店”のVTRコーナーが生まれた。

素顔は“すごく人見知りで、すごく優しい人” 結婚後の変化も「紳士的かつ子どもっぽく…」

 同番組で10年有吉を見てきた永盛Pに、彼の素顔についても聞いてみた。「すごく人見知りで、すごく優しい人ですね。特に撮影が終わってお店を出る際、『ごちそうさま』と何度も頭を下げる。番組当初は有吉さんの辛口なイメージが強く、お店の人も怖がっている場合もありましたが、終わってみれば『全然違いますね』と胸をなでおろしている。いくら“正直”にコメントしていても、怒られたり嫌な顔されたりしたことは、一度もないです」

 そういった素顔も垣間見える当番組を通して、有吉のこの10年での変化もそばで感じるという。「食の好みも、当初は肉ばかりだったのに、蕎麦を好むように(笑)。結婚して紳士になってきたのと同時に、子どもっぽい一面も増しているようにも感じます。初めは普段は散歩なんてほとんどしない感じだったのに、最近は歩く量が少ないと機嫌が悪くなります(笑)。このまま年を重ねて『歯が弱くて固いものが食べられない』というところまで番組を作っていきたいですね」

 当番組で、「有吉って良い人なんだ…」と気づかされた視聴者も少なくないだろう。『正直さんぽ』はこの10年で彼のファン層をじわじわと広げ、国民的人気まで押し上げると同時に、過酷なスケジュールの中、有吉にとっても良い息抜きになっていたのかもしれない。同番組は今後も「♪真っ直ぐ正直に、歩いてく、歩いてく」だろう。


(取材・文=衣輪晋一)
ぶらサタ・有吉くんの正直さんぽ
次回【おかげさまで10周年!女子黄金コンビが祝福!】
4月2日(土) 12:00〜13:30放送(フジテレビ系)

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