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家賃込み”月12万”で生活する新婚中年夫婦 結婚後に妻が手に入れたものと手放したものとは?

ふと夜中に起きて、独身時代の生活を思い出した女性(画像提供:@141_maki)

ふと夜中に起きて、独身時代の生活を思い出した女性(画像提供:@141_maki)

 夫婦2人で月12万生活(家賃込み)を実行し、家選び、家計簿の付け方、節約のテクニックなど、お金をかけずに楽しく暮らしている日々の出来事をSNS漫画で発信する、いしいまきさん(@141_maki)。夫は、いしいさんの性格とは正反対の几帳面さがあるという。”節約”の役割を担い、日々の食事の用意、家計の管理、家のリフォームまで徹底的に細かく進めていく夫との暮らしについて、いしいさんは「結婚して生活が大幅に変わった」「あえて、そこを面白がって生活していきたい」と話す。独身時代にあった自由気ままなスタイルから、どのように異なる考えを受容していったのか。その変化を「面白がって生活していきたい」と夫婦2人の生活について話してくれた。

「今が楽しければいいや」から「二人の老後を考える」ように

ーー昨年37歳の時に結婚したと漫画エピソードでも振り返っていますが、結婚前後で、ご自身にどのような変化がありましたか?

「生活は、結婚して大幅に変わりました。一人暮らしの時より質素になりました。それは二人の老後のことをリアルに考えるようになったからだと思います。一人の時は今が楽しければいいや、と思っていたので…。それに伴い、お金の使い方も考えるようになりました。お金の管理が夫ほど得意ではないので、毎回悩みながらやっています。私の大雑把な性格は基本変わりませんが、細かい夫の動作で『いいな!』と思うところは真似するようになりました(スープ皿やコーヒーカップをお湯で温めてからいれるなど)」

ーー著書『低収入新婚夫婦の月12万円生活』でも発表されているように、ご夫婦で月12万円生活をされていらっしゃいます。生活の変化に慣れるまで大変だったと思いますが、実際にどんなところに不便を感じていて、どのように慣れていったのでしょうか?

「家賃を抑えるために築50年以上の古い建物に住むことを選んだときです。夫は古い建物が好きで住むのも抵抗がないですが、私はあまり好きではないので抵抗がありました。でも住み心地を良くするためにプチDIYをほどこしたりしてくれて、だんだん愛着が湧き始めました。明るくて大きな窓、気軽に横になれる畳…落ち着ける自分の家だなと思えるようになりました」

ーーパートナーさんが主導で、節約生活を進めていらっしゃいますが、日々の生活のなかで、驚いたり感心した節約テクニックがあればお聞かせください。

「節約を楽しんでいることです。例えばサーキュレーターをこまめに掃除して、性能を最大限まで上げるんだ!と嬉しそうに言っていたとき、私はそういうこと考えたことなかったな、と驚きました」

「温かい気持ちが層のように積み重なって今の自分を支えている」

 「ないものを数える夜」というエピソードでは、夜中にふと目覚めたいしいさんが、独身時代の一人暮らしを「一人で楽しく生きようとしていた、あの頃の自分が好きだった」と思い出す場面が。お手製のお弁当を持って憧れの図書館で作業をして、友達とお茶をしたり、バーに遊びに行ったり、お気に入りの家具を選んだり…。一つひとつ気に入っていたことだったが、それらを簡単に手放してしまった。自分で選んだはずなのに、ときどき無性に悲しくなる。そんな正直な気持ちが綴られている。

ーー結婚して得たもの、手放したものについての漫画エピソードでは、「何かを得るためには、捨てたくないものも捨てなくてはならないのか…」というフレーズが印象に残りました。現在の節約を気にかけた生活は、いしいさんにとってどのようなものになっていますか?

「毎日一緒に過ごすということは、お互いに思いやりや気遣いが思った以上に必要なんだなと学びました。日々のちょっとした会話や一緒にいる時間に幸せを感じています。捨ててきた家具のように目には見えないけど、そういう温かい気持ちが層のように積み重なって今の自分を支えているように思います」

ーー正反対の性格というパートナーさんと一緒に暮らすなかで、重要だと考えるのはどんな部分ですか?

「私たちは、お互いあまりにも違う性格や趣味思考(私は大雑把だが夫は細かい)をしているので、あえてそこを面白がって生活していけたらいいなと思っています。また、違うからこそ諦めないですり合わせすること、妥協点を探ることの重要さを感じます」

ーー今後、漫画でどのようなことを伝えていきたいですか?

「普通の日常で湧き上がるさまざまな感情を、みずみずしくお伝えできたらいいなと思います。ネガティブな感情も格好つけず出すことで、人間らしさがでていいかと思います。今は特に夫婦漫画を面白いと言ってもらえているので夫婦のエピソードを引き続き書いていきたいです」

『低収入新婚夫婦の月12万円生活』

アラフォー漫画家が2020年に結婚した相手は、節約と暮らしの達人だった?
コロナ禍で収入が激減するもなんのその。
ベテラン主婦も顔負けの生活知識でお金のない生活をエンジョイします。
限られたお金の中でいかに楽しく豊かに快適に過ごせるかが節約生活における腕の見せ所。
手作り家計簿やポーチを活用したお金管理術、簡単で美味しい節約レシピ、暑さや寒さをしのぐプチDIY術など、豊かで快適に暮らせる生活の知恵と工夫が盛り沢山。
2人の生活に苦しさや心が、荒んでいく様子は一切ありません。
家賃込み・夫婦で月12万円というささやかな生活ながらも、卑屈にならず、幸せに仲良く暮らす夫婦の姿が、読む人の心まで豊かにしてくれるコミックエッセイです。

https://www.amazon.co.jp/dp/4824000793/(外部サイト)
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