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テレ東の“英断”に称賛多数 メインがぬいぐるみの『おじさまと猫』、前例にとらわれない挑戦

『おじさまと猫』6話(2/10深夜放送)場面写真

『おじさまと猫』6話(2/10深夜放送)場面写真

一度企画が通ると「上司が無関心に」、保険のきかないテレ東らしさ

――それにしても、地上波の猫ドラマに本物を使わないということに、テレビ東京らしさを感じます。

「そうですか? 普通なら、本物の猫の可愛さを売りにするヒットの“前例”を踏襲し、マーケティング戦略を踏まえないと、『本当に猫好きの人は観てくれるの?』と上層部から問われると思います。『おじさまと猫』はそこからは外れていますが、物語のキモは、幸せになることを諦めていた主人公(猫)が幸せになっていくシンデレラストーリー。猫を愛でるだけでなく、猫と人間の心の交流に賭けてみようと」

――いっそのこと、人形にしてしまえと(笑)。

「潔く(笑)。そんな“保険のきかなさ”が、テレ東らしさかもしれないです。予算の少なさを隠そうとしないところも、“らしさ”ですかね。『テレ東にフルCGをお求めですか?』、というわけです(笑)。あと面白いことに、テレ東では一度企画が通ると、その後、上司がいい意味で無関心になるという特徴があります。他局なら、“前例”をもとに『大丈夫なの?』と細かくチェックされると思うのですが、テレ東ではとくに何も言われない。良く言うと、作り手が作りたいものに賭けてくれる」

――全面的に任されるのは、作り手冥利に尽きますね。

「誰も視聴率20%超えの大ヒットドラマを手掛けたことがないから、自信がないだけかもしれませんけどね(笑)。そもそも、最初の企画書には『ふくまるは人形です!』とは、書いていなかったかもしれないですけど…」

俳優もスタッフも望む、“他局にできない企画の駆け込み寺”

――草刈さんと神木さんという、キャスティングについては?

 「企画当初から、理想のイメージにしていたお二人に出演いただけました、奇跡です。本作に限らず、最近ではテレ東のドラマもキャスティングが豪華になっている感がありますね。もともと、ドラマでもバラエティーでも、タレントさんのパワーに頼らない、アイディア勝負のコンテンツが多かったと思います。だからこそかもしれませんが、テレ東が俳優さんたちの“地方の観光地”になってきたような気がするんです」

――どういうことでしょう?

 「『せっかく観光地に来たんだから、東京でも食べられるチェーン店ではなく、ご当地B級グルメを食べてみようよ』みたいな。『テレ東でしかできないことをやろう』というお話を数多くいただきます。これは俳優さんだけでなく、監督さん、脚本家さん、制作会社さん、出版社さんも同じ。そういう意味で“テレ東イズム”とは、“他局にできない企画の駆け込み寺”なのかもしれません。有名俳優が、そんな“テレ東イズム”を楽しんでくれる傾向はありがたいですね」

――先日、ふくまるにそっくりな猫・マリンの声を松本穂香さんが担当することも発表されました。今後の展開も楽しみです。

 「猫と人間が互いを想いやる“究極の純愛”を最後まで見守り、癒やしにしていただけたら幸いです。猫を大切にする気持ちはちゃんと伝わっていて、猫もそれに応えてくれるという気持ちがこもっています。安易なペットブームで動物がモノのように扱われないように…。原作の桜井先生の“猫への愛”に満ちた本作は癒しだけでなく、そんな意識も持ってご覧いただけたらうれしいですね」

(文:衣輪晋一)

ドラマParavi『おじさまと猫』

毎週水曜 深夜0:58〜
テレビ東京ほか

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