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武田真治、引きこもりに引退決意も…紆余曲折経ての30年「40代は楽しいという所ジョージさんの言葉に助けられた」
所ジョージの「40代は楽しい」を実感、俳優としての50代はもっと楽しみ
武田真治 デビューしてすぐに主役級の仕事を次々といただいて。そこから一時期、「武田真治は消えた」みたいに言われて。そして今は「筋肉キャラで再ブレイク」と言われてるわけですけど。ただ、ドラマでいい役をいただいたり、CMに起用して頂いたりといったマスに認知してもらえなかった時期も、決してなにもしていなかったわけじゃないんです。
──それでも世間にはやはり「マスな活躍」に目が行きがちであって──。
武田真治 はい。それって芸能の世界ではきっとすごく大事で、一般的にいう「売れてる、売れてない」の基準もそこでしょう。しかし、デビュー当時の僕のように、人生を何段も飛ばして歩みを進められてしまったら、その飛ばした分を埋める時間や作業は絶対必要なんだと実感しました。
──「消えた」とされた期間に培ったものが、今に繋がっているということでしょうか?
武田真治 俳優業に関して言えば、具体的には30代で取り組ませていただいた舞台・ミュージカルという分野。そこで市村正親さんや大竹しのぶさん、そのほかにもテレビでは知られてなくても素晴らしい表現をされる役者さんや著名な演出家のかたたちと多く出会って、僕にとってはとても刺激的な経験でした。この人たちと一緒に仕事するために、自分はマスの世界でつまづいたんじゃないかと思ったくらい貴重で充実した期間だったと思っています。
──俳優としての現在の立ち位置については、どう捉えていますか?
武田真治 例えば『凪のお暇』でのスナックのママは、原作では女性なんですよね。だけど(高橋一生演じる)我聞ちゃんが唯一人目を気にせず号泣できる相手を女優さんが演じてしまうと、「我聞ちゃんとママが恋人同士になればいいのに…」という、ドラマの展開として不要なミスリードを視聴者に与えてしまう。そういうわけで、ギリギリまで役者さんが決まらなかったようです。ドラマのポスターに僕の名前が入ってなかったのは、そういう理由だそうです。
──武田さんに白羽の矢が立ったのは?
武田真治 見た目はしっかり男性で、それでいて柔らかい物腰のある人ということでピンと来たそうですよ。ヒゲと筋肉アピールは現場のノリで加味されて行きました(笑)。
──しかしあのママの人間味や懐の深さは、多くの視聴者から愛されました。
武田真治 そうですか、ありがとうございます。たぶん役者さんって、30代くらいまでは恋愛対象になるような長身のイケメン俳優が重宝されるんだと思うんです。だけど40歳を超えると一般的に恋愛対象から外れる分、もっと「人間」を演じることに集中できるようになる。そういう意味でも所ジョージさんの「40代は楽しい」を実感しますし、俳優としての50代はもっと楽しみです。