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『親バカ青春白書』はコロナ禍の今を問う社会風刺ドラマ? 「家庭」を「社会」に持ち込む主人公たち

  • 『親バカ青春白書』/日曜夜10時30分〜(C)日本テレビ

    『親バカ青春白書』/日曜夜10時30分〜(C)日本テレビ

『今日から俺は!!劇場版』がヒット中の福田雄一監督作品だが、放送中のドラマ『親バカ青春白書』も注目されている。大学生の娘を心配するあまり、同じ大学に入学した父親を描く親バカコメディだ。キャンパスライフを謳歌するシーンが満載の内容だが、現実世界の大学生は学校に行けないどころか、友だち作りもできていない状況。いまだ「外出控え」が叫ばれ、社会と家庭の境界線が強く求められているなか、主人公たちは「家庭」をそのまま「社会」に持ち込み、溶け込ませようとしている。本作をそんな視点でみると、ひと味違った面白さが見えてくる。

家庭内で巻き起こるホームコメディをキャンパスで展開

 本作は、娘・さくら(永野芽郁)を愛しすぎるあまり、娘と同じ大学に入学し、同級生になってしまう父親・ガタロー(ムロツヨシ)が主人公の物語。娘を心配するあまり、大学のことある行事に首をつっこむ父親は、若者たちのキャンパスライフに混じりながら、誰よりも青春を謳歌する。そんな“予想外”の面白さが描かれている。

 しかしこのコロナ禍、現実的には多くの大学が授業を再開できず、入学した学生がまだ一度もキャンパスに入れないという状況が続いている。さらに「外出自粛」はまだ続き、「家庭」と「社会」をできるだけ交わることのないような行動が求められている。

 そんな状況下で観る本作について、ポップカルチャー研究者(早稲田大学招聘研究員)の柿谷浩一氏は、「普段、家の中で自然に繰り広げているであろうホームコメディの風景が、大学や友人といった「外」と「他者」に開かれている点が面白さのポイントである」と解説する。

「物語では、大学に父親が出向くばかりか、小説家である主人公の家には編集者という社会的な第三者が毎回入ってきて、普通に家族団らんの中に混じっています。コロナ禍で、家と外を明確に分けなくてはいけないという意識のなかで生きているいま、その反対側を描く内容は、とてもシニカルに映ります」

 もちろん、制作的にはコロナ禍の状況を意図したものではないだろう。しかし、結果的にいま置かれている社会の空気や雰囲気と真逆をいく設定が、面白くもあり深く胸に刺さる。

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