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“恩返しの鶴”がまさかのトランスフォーム?“オチ”最優先の4コマ漫画家が語るこだわり

 4コマ漫画の題材にすでにある物語のパロディや“あるある”を用いるのは珍しくないが、『鶴の恩返し』をモチーフにした4コマ漫画のオチが秀逸だと話題になっている。作者はTwitter上に作品をアップしている留々家(るるいえ)さん(@ruru_ie)。4コマ漫画で一番大切なのは「オチをスムーズに読み手に理解してもらうこと」と語る留々家さんに、自身の作風やネタの作り方、これからの目標などについて聞いた。

星新一氏のショートショートにしびれまくった小学生時代

――さしつかえない範囲で構いませんので、プロフィールをお願いします。

【留々家さん】社会人です。趣味は4コマ漫画を描くことと研究すること、それに読書と映画鑑賞です。

――留々家というペンネームの由来はどんなものなのでしょうか?

【留々家さん】「クトゥルフ神話」という怪奇小説のジャンルに登場する地名「ルルイエ」からとっています。ペンネームを決めてネットに創作物を上げ始めた当時は、クトゥルフを題材にした4コマ漫画も描いていました。

――いつごろから漫画を描き始めたのですか? 初期に描いていた漫画の作風は?

【留々家さん】小学校中学年の頃に漫画を描き始めました。『桃太郎』や『星のカービィ』、『絶体絶命でんぢゃらすじーさん』のパロディ漫画を描いて、クラスの友達に見せていました。ネットに4コマをアップし始めたのは中学生の頃です。コーポ先生やちょぼらうにょぽみ先生、俺と海先生の描く『東方Project』の二次創作の4コマが大好きで、自分でも『東方Project』の二次創作漫画をを描いていました。

――どうして4コマ漫画を描こうと思ったのでしょうか?

【留々家さん】私が描くのは4コマだけで、それ以上のコマ数の漫画を描いたことはないです。ストーリー漫画や長めのギャグマンガを描こうとしていた時期もありましたが、結局はひとつも描ききることができませんでした。描いている最中に自分が納得できる落としどころが見えず、途中で嫌になってしまうからです。1話完結の4コマ漫画なら、「このオチを成立させるために描く」、「このオチを読み手に理解させるために描く」というようにゴールが明快です。コマ割りにもキャラの設定にも悩むことはありません。何より短いのがいい。そういうわけで、自分の性格上最後まで描き切れるのが4コマ漫画だけなので、そこに落ち着いたという感じです。

――4コマという限られたコマ数の中で物語を表現することは大変ではないですか?

【留々家さん】逆に、4コマというフォーマットは私にとって非常にラクなものです。むしろ4コマ以外だと「このネタをどのくらいの長さにしようか」とか、「コマ割りはどうしようか」とか、自由すぎて大変だと思います。

――自らの作品を作るうえで一番気を使っているところは?

【留々家さん】オチ(アイディア)を読み手に円滑に伝える、ということです。

――他の漫画家にはない、自身の作品の強みは何でしょうか。

【留々家さん】「オチ」を最優先にしているという点です。4コマ漫画で一番大切なのは、オチをスムーズに読み手に理解してもらうことだと考えています。ですから、そのスムーズな理解を妨げるもの……例えば無関係な小ネタなどは入れないようにしています。毎回登場するような固定のキャラも基本的にいません。そのキャラクター性がオチのためには蛇足だからです。1本1本の4コマが完全に独立していて、そしてそれぞれの4コマがブレなく一個のオチを表現している。それが私の作品の強みです。

――漫画を描くうえで、影響を受けた作家や作品を教えてください。

【留々家さん】SF作家の星新一先生です。小学生の頃、氏のショートショートを読んで、短い物語が一つのオチに向かってまとまっていくストイックな作風にしびれまくりました。以来ずっと“オチのある短い話”に執着し続けています。

――自身の4コマで、自身の作品性が表れている代表作はありますか?

【留々家さん】宇宙人のお姉ちゃんの話です。女の子を描くのが好きなので、4コマのネタを考えるときにも、女の子が関係するネタになりがちな気がします。とくに、宇宙人や昆虫人間のような特殊な女の子が出てきて、その魅力と特殊さゆえに面白いオチにつながるというのが、比較的作りやすく、また描いていて楽しいストーリーです。毎回いろいろな女の子を描けるのが、一話完結の4コマの都合の良いところです。

SNSで公開するメリットは「承認欲求が満たされること」

――ギャグのネタはどこから仕入れていますか?

【留々家さん】特にテーマを限定せずに漫画を描いているので、何でもネタになりうると考えています。そういうふうに考えると、現実生活のイヤなことも「漫画のネタになるかもしれないな…」とプラスに考えることができます。

――SNSで作品を公開するメリット、デメリットを教えてください。

【留々家さん】メリットは承認欲求が満たされること、デメリットは「いいね」や「リツイート」がつくたびに、その4コマを見返してしまうので、時間を空費してしまうことです。

――SNSで作品を公開するうえで、気を付けているポイントはありますか?

【留々家さん】性的なネタを扱う場合、下品にならないようにしています。他には、ネットなどですでにさんざん叩かれているようなモノを叩くようなネタは避けます。

――これまでに一番反響があった4コマ漫画を教えてください。

【留々家さん】今年の2月に投稿した『鶴の恩返し』の4コマです。バズった理由は、『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』という、適度にマニアックなオモチャ(アニメ)を題材にしたからでしょう。引用RTやRT後のツイートを見てみると、「これってあのオモチャのネタじゃんw」という感じのコメントを添えてRTされている方が多かったです。元ネタのオモチャを知らなければあまり面白さがわからない、それだけに、元ネタを知っていて面白さが分かった人は、そのことをアピールしたくなる。クイズやなぞなぞの答えが分かった人が、そのことをアピールしたくなるのと同じ心理が働いているのではないでしょうか。

――フォロワーからのコメントは気にしますか?

【留々家さん】ツイートがバズったときは、どうしてバズったのか、コメントを見て考えてみることはあります。褒めのコメントはうれしいですね。でも、「ゴリラがドラミングするときの手はグーじゃなくてパーだよ」みたいな、ツッコミのコメントが付くことがあって、そういうときはへこんでしまいます。

――フォロワーの反応で思い出深いものはありますか?

【留々家さん】初めてバズったときに、私の4コマに声をあてた動画を作ってくださった方がいらっしゃいました。「バズるとこういう反応があるんだぁ!」と思いました。

――留々家さんの作品にはたくさんの「いいね」がついていますが、どんなところが支持されていると思いますか?

【留々家さん】毎回きちんとオチがあり、しかも今までになかったような新しいオチをつけているからだと思います。4コマのアイディアを思いついても「既出のような気がするな」と感じたらボツにします。実際は既出でなくても「すでに誰かがやっているだろう」と感じた時点でボツです。たくさんの作家がいる中で特に私の4コマが好きという方がいるとしたら、そういうところを支持してくださっているのではないかと思います。

――これからの目標を教えてください。

【留々家さん】4コマを描くことに関しては、目標はありません。今まで通り、思いついたアイディアを消化していくだけです。今は最低でも週1本はアップするようにしていますが、時間の使い方を工夫してもっとアップするペースを上げたいです。どちらかといえば、4コマ漫画の研究、とくに「オチとは何か」ということに興味があって、そっちの方で結果を出せないかと考えています。と言っても、関係ありそうな本を乱読しているくらいで行く先は不透明ですが。一刻も早く目標を立てて努力しなければと焦りつつ、現実生活に埋没しかかっているのが現状です。
留々家(るるいえ)さんTwitter:@ruru_ie

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