キーワードは“少女感” 田村芽実×赤澤える、新アルバム発売で融合した2つの才能

 ミュージカル女優として活躍する一方で、ソロシンガーとしても着実に歩んできた田村芽実が4月8日、1stアルバム『無花果』をリリース。本作のビジュアルのクリエイティブ・ディレクターには、田村自身が普段から愛用しているファッションブランド「LEBECCA boutique」の総合ディレクター・赤澤えるを迎え、初のコラボレーションが実現した。フィールドは違えど、ドキドキわくわくする心を持ち続けること="少女感"という共感で繋がっている2人の出会いから本作の制作プロセス、そしてこのアルバムを起点にさらに発展していきそうな2人のクリエイティブ精神を語り合うスペシャル対談!

互いを尊敬しあい、 出会うべくして出会った2人

──プライベートでも交流があるというお二人ですが、どんな出会いだったんですか?
田村芽実高校を卒業する少しくらい前にLEBECCA boutiqueに出会って、心から大好きになったんです。私は顔と体が若干アンバランスというか、童顔なのに背が高いので似合うお洋服を見つけるのが難しいんですね。またその頃は体型や身長も落ち着いてきて、これ以上大きくは変わらないかな? という時期だったんですが、かといって大人の女性になったのかというと、違うなと思っていて──それは今も変わらないんですけど。
赤澤えるそんなときに出会ってもらえたことに運命的なものを感じますね。LEBECCA boutiqueは年齢で着るものを区切るのではなく、もっと内面的なもの、ドキドキわくわくする心を大切にしているブランドです。それを私たちは"少女感"と呼んでいるんですけど、年齢という意味では大人になっても内面にある少女感を大切にし続けられるのってとてもステキなことで、その頃も今もめいめい(=田村)はその状態にあるのかなと思うんですよね。個人的にはアイドル時代からめいめいのことは知っていて応援していたので、コンタクトがあったときには時が止まったような感覚でした(笑)。
田村まずお洋服を好きになって、Twitterを見てディレクターのえるさんのつぶやくことに興味を持って、共通の友だちを通じてご飯を食べに行ったのが最初でした。えるさんといると勉強になることや、新しい発想が出てくることがたくさんあって、いっぱい話をしたいんだけど、一緒に過ごせる時間は短いからいつも早口になっちゃうんです(笑)。

田村のクリエーター気質を見越した 赤澤のクリエイティブ

──アルバム『無花果』の世界観をビジュアルに落とし込むにあたって、お二人はどんな会話をしたんですか?
田村いつもは衣装やジャケットのイメージについて一緒にディスカッションさせていただくことが多いのですが、今回は自分がまだ出し切れていないものを、えるさんに引き出してもらいたいと思ったので、ほとんどお任せだったというか、えるさんがチョイスしたものを自分の体を通して表現することに徹しました。
赤澤ただ、それも普段からめいめいの表現に対する考え方や取り組み方、葛藤していることも含めてたくさん話をしてきたからできたことなんです。また彼女自身がものすごくクリエイター気質なことも知っていたので、私も仲のいいお友だちという関係性はいったん置いて創作に向き合いました。
──『いちじく』のMVには6着の衣装でさまざまな表情を見せる田村さんが収められています。
赤澤「少女から大人に変わるとき」をコンセプトに、いちじくが熟していく様子をお洋服で表現しました。最初の黄緑色のワンピースは未熟な果実。そこからだんだん熟していって、最後に一番おいしい真っ赤な状態になったところをアルバムジャケットにも持ってきています。
田村衣装を着替えるたびに、えるさんが『めいめい、今は○歳だよ』みたいなことを言ってくれて。最初は5歳から始まって、最後は実年齢よりちょっと上くらいだったんですけど、えるさんの言葉が表現を引き出してくれたところは大きかったですね。

音楽、ステージ、アパレル… いつか2人でジャンルにとらわれないコラボを

──アルバム収録曲そのものも、田村さんの実年齢の等身大な曲から、大人の女性を感じさせるものまで、表現の幅広さはさすが女優さんだなと思いました。
田村もちろん大人の女性をイメージして書いてくださったのかな、という曲もあるんですが、私としては年相応の今の自分で歌ったつもりです。ただ私は自分でも扱いづらい人間だなと思ってて(苦笑)、自分の中の軸がゼロから100まで振り切ることが1日の中でも何度もあるんですね。でも幅の大小はあっても、女の子ってみんなそうなんじゃないかなと思っていて。『毎日女の子』や『無形有形』という曲にはまさにそんな女の子の捉えどころのなさが描かれているんですけど。
赤澤私はめいめいの年齢はとっくに超えているけど、そうやって今日と昨日で違う自分に戸惑ったり、それでもちゃんと向き合ったりしているところにすごく共感できましたね。「いちじく」だけじゃなくて、別の曲でもアートディレクションをしてみたいと思ったくらい、どの曲も大好きです。
──田村さんがこよなく愛する昭和歌謡テイストな新曲も。また昭和の名曲カバーを収録した初の映像作品も同時リリースされます。
田村昭和歌謡を聴くのは昔から大好きで、歌詞に支えられることもたくさんあって。ただ1人の歌手として人の曲をカバーすることに、最初はむずがゆさのようなものがあったんです。やっぱり歌手としては歌を通して自分の思いを伝えたい、みたいなエゴも少なからずあったので。そんなときにLEBECCA boutiqueが「古着7割/新作3割」からスタートしたことを知って、この考え方なら私もカバーに向き合えるかもしれないと気持ちが楽になったんです。この素晴らしい歌を作った人や時代の思いをただクリアに受け取って、自分の体を通して温めて今の時代に生きる人たちにお届けしようと。
赤澤それができるのも、その時代の楽曲へのめいめいのリスペクトが本物だからだと思うんですよね。私もビンテージのお洋服を扱っているので、その愛の傾け方にはすごく通じるものがあるんです。めいめいとは好きなものや響く思想が近いと勝手に思っていて、単に楽しいから会いたい、一緒にものづくりをしたいだけじゃない相手と出会えることって、なかなか奇跡的なことだと思うんですよね。
──お二人のコラボレーションも、『無花果』をきっかけにさらに発展しそうですね。
田村ここがゴールじゃないよね、という話は二人でしょっちゅうしてますよね。大人になると『現実的に無理だよ』みたいなところから話が始まることって多いじゃないですか。でもえるさんは、発想や夢だけでどんなことでも「よし、やっちゃおう!」みたいなパワーがあって。えるさんとだったら、誰も考えつかないような新しいことができるんじゃないかなって、すごくワクワクしてます。
赤澤「これやりたい!」って言い続けていれば、どこかで大人も聞いてるしね(笑)。
田村でも個人的には、いつか誰の手も借りずに2人だけの創作もしてみたいな。ジャンルにとらわれない本当にプライベートなクリエイティブを──。
赤澤いちじくで言ったら、私たちの関係性もまだ黄緑色。これからもっとたくさん話をして真っ赤に熟したら、そのときがきっと旗揚げだね。

文/児玉澄子 撮影/西岡義弘

田村芽実 アルバム『無花果』トレーラー映像

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