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令和の飛躍タレントの共通項は“自己肯定感”? 背景に毒舌キャラ衰退か

自己肯定感の低い人に寄り添う、自虐・闇・毒舌キャラの飛躍

  • フリー転身後、「何も楽しいことがない」「ひとりで家で泣いてる」「毎日の不満コラムを書いている」などの闇発言を連発していた田中みな実(C)oricon ME inc.

    フリー転身後、「何も楽しいことがない」「ひとりで家で泣いてる」「毎日の不満コラムを書いている」などの闇発言を連発していた田中みな実(C)oricon ME inc.

 そうして“おとなしくなった”芸能界で10年ほど前から異彩を放ちはじめたのが、自虐や毒舌タレントだ。昭和の破天荒、自我の塊キャラがすぐさま“叩かれる”ようになった平成に入って、自己肯定感の低い人にも共感されるタレントが登場しはじめる。指原莉乃にしてもブレイクのきっかけとなったのはネガティブキャラだったし、芸人のヒロシやモデルの栗原類の超絶な自虐ネタが人気を集めた。かつてはぶりっ子キャラで“女に嫌われる女”代表格だった田中みな実でさえも、フリー転向後は闇・自虐キャラで女性人気を獲得した。

 また、有吉弘行とマツコ・デラックスが絶対的人気を確立したのも、“苦労人”のバックグランドありきではあるが、いわゆる“キラキラ系”や鼻高々な人気者への鋭いコメントが、自己肯定感の低い現代人の溜飲を下げたことも大きいだろう。それまでの“異次元で輝く芸能人”では、自己肯定感の低い視聴者からすればむしろ毛嫌いする存在だっただろうが、2人はそうした視聴者を見事に味方につけたのだ。
  • 毒舌キャラで見事な”返り咲き”を遂げた有吉弘行(C)ORICON NewS inc.

    毒舌キャラで見事な”返り咲き”を遂げた有吉弘行(C)ORICON NewS inc.

  • 有吉との”名コンビ”もいまや見慣れたが、鋭いコメントと抜群のトーク力で国民的人気を誇るマツコ・デラックス(C)ORICON NewS inc.

    鋭いコメントと抜群のトーク力で国民的人気を誇るマツコ・デラックス(C)ORICON NewS inc.

 最近でも、先月の『マツコ会議』(日本テレビ系)にてコスプレ文化を取り上げた際、マツコが「日本経済はオタクの人が支えている」「テレビはオタクの人たちを特殊な人たちと扱いがち、変わり者扱いするのはもう古い」などと発言すると、ネット民から称賛の声が相次いだ。

 泉ピン子、野村沙知代、おすぎとピーコなど、これまでの“毒舌タレント”は国民的人気者というよりは、自ら嫌われ役を買って出て、場を盛り上げている感があった。しかし、今はそういった“ご意見番”ですら、「誰かを傷つける発言はひどい」、「見ていて不快」として炎上する時代になったのである。その影響なのか、相手を攻撃・否定するのが常であるはずのお笑いの世界においても、昨年末の『M-1グランプリ』で最終決戦まで勝ち残り話題となったぺこぱの「全肯定する」「誰も傷つけない」スタイルが称賛されるに至ったのである。

 “現代型毒舌キャラ”として人気を博す有吉やマツコらは、毒を吐くにしてもあらゆる方面に気を遣い、笑顔でフォローするなど工夫しているが、炎上せずに鋭いコメント叩き出すには相当なコメント力を要する。その高度スキルを持ったタレントはごく一部に限られ、今や悪目立ちせずに個性を発揮することは大変困難な時代になったのは間違いない。

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