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ORICON NEWS
Matt、1周回って好きに? “Matt化”現象に見る異質キャラ定着の妙
浮世離れした“二世ボンボン”で話題、当初は突き抜けた個性に拒否反応も
一方、『バイキング』(フジテレビ系)で坂上忍の「メイクでこうなってんの? 施してらっしゃるんですか」、「今イチどんな人か知らないし、知りたくもない」といったコメントに噛みつく一幕も。Twitterで「坂上忍っていう人は何者なの? あなたに僕のこと知ってほしいなんて一言も言ってませんけどね 僕もあなたのこと知りたくないし、興味も全くないので会いたくないです。さようなら」と反論したことがニュースに。
後日、イベントで「小さいころから父に『好きなことに努力して突き進め』とずっと言われてきて、今もそれを忘れずにいる。確かに違和感はあるかもしれないけど、エンターテイナーとして普通ではいけないと思う」と自身の信念を披露しつつ、父からの助言で「“自分もそこに乗っかったら終わり。相手にしてはいけない”と。本当にその通り」とTwitterの反論を削除したことも告白。これには親子ともども賛否の声が上がり、良くも悪くも一躍話題の人となったのである。
メディア出演減少も“美意識高すぎキャラ”がSNSで躍進
何より、メディア初登場時のインパクトをはるかに凌駕する塩化ビニール感あふれる写真が話題に。生身の人間とは思えない美を追求した姿に、ネット上では「アンドロイドだ」、「いやマネキンだ」、「サンダーバードだ」と騒然となった。以降、MattがSNSに写真を投稿するたびにネットニュースにアップされるまでに。そして、SNS上にしか存在しないMattに飽き足らなくなったのか、やがて「動くMattが見たい」という思いもよらぬ“Matt待望論”が巻き起こったのである。
そして2019年5月、満を持して『ウソかホントかわからない やりすぎ都市伝説』(テレビ東京系)に出演し、地上波TVに“復帰”すると、視聴者も「本当にマネキン」、「もう芸術」などと大反響。実際、本人も『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)に出演した際、TVに出なかった半年の間に450本のまつげエクステ、ケミカルピーリング、エレクトロポレーション、ビタミン注射、白玉点滴、ヒーリングライト、ジェルネイル等々、さまざまな美容法で磨き上げたことを告白。SNSで公開している写真も「バリバリ加工してますよ」と認めつつも整形は否定し、「朝起きてから家出るまで3時間かけた“全部メイク”」であると宣言したのである。
“Matt化”が浸透、顔面変化も“美意識の賜物”に
さらに、Mattの“バリバリの加工写真”は、鼻筋の通った小顔加工の元祖ともなり、今では“Matt化”と呼ばれて日常的に使われるまでに浸透。SNSでは芸能人から一般人まで“Matt化”した写真が絶えず投稿されており、メディアも“Matt化”を記事にするようになった。継続は力なりとはこのことで、かつてのアンチですらある意味“バカ負け”し、「1周回って好き」といった声も頻出。桑田真澄氏の次男として鮮烈デビュー⇒TV露出を控えてSNSで話題になりつつ美容アカウントとして支持を集める⇒世間が「動くMatt」を求めたころに満を持してTV解禁⇒異質キャラの定着といった一連の流れは、Mattの思うがままに視聴者がハマッたようにも見える。
その結果、日に日に変化するメイクや写真加工も“美意識の賜物”として受け入れられ、何を言われようと自分が美しいと思うものを追求していく姿は、“美白の女王”故・鈴木その子さんや、正体不明の姉妹から“ファビュラスな姉妹“として一般層にも愛されるようになった叶姉妹を彷彿させる。Mattがお茶の間の人気者となるかどうかは未知数だが、視聴者にとって気になる存在となったことは間違いない。
まさに粘り勝ちと言えるキャラの定着を果たしたことで、これからは消費されることもなく性に合った仕事を選んでいくこともできるはずだ。その結果が、CM出演のように本業をブラッシュアップする新たな仕事に繋げられているのだろう。今後も他人の批判や偏見などに臆することなく、自分の道を貫き通していくに違いない。