• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
(更新: ORICON NEWS

世界一個人を大切にする会社、UUUM代表取締役CEO・鎌田和樹氏

UUUMの今、そして未来

――UUUMは現在、5000以上のYouTubeチャンネルをマネジメント・サポートしています。更に、日本を代表するクリエイターが多く所属しています。UUUMにはなぜクリエイターが集まってくるのでしょうか。そして、優秀なクリエイターになるためにノウハウを密にやりとりをしているのでしょうか。

UUUM代表取締役CEO・鎌田和樹氏(C)MusicVoice

UUUM代表取締役CEO・鎌田和樹氏(C)MusicVoice

 集まってくるのはUUUMがノウハウのかたまりだからだと思います。昔は主に、テレビに出たいとなると芸能事務所に入ることが先でした。でもYouTubeでは、事務所に所属していようがしてなかろうが自分で決められる。事務所に所属していなくても活動はできます。でも高みを目指していきたいときに、法務などいろいろな問題が出てきて、個人では限界がある。そこへのサポート力がUUUMにはあります。

 それと優秀なクリエイターということですが、もちろんノウハウがあってのことですが、お笑いやタレントさんに近いと思います。言って響く人と響かない人はいて、僕らもこうやったら動画が綺麗に撮れますよというのは言いますが、朝起きて動画制作をやって下さいとは言いません。ある程度、本人の自覚と責任というのはベースにあると思います。

――そのなかでYouTuberを取り巻く環境はこの5年間で変わってきていると思いますが、そのど真ん中にいて感じている事はありますか?
 クリエイターが作るコンテンツそのものがレベルアップをしていると実感しています。UGCと言われていますが、今ではPUGC、一歩プロに足を踏み入れたような、進歩を遂げています。それと、僕らがどこまで関われたかは分かりませんが、「YouTuber」という言葉を広げられた、憧れの職業に入るほど地位が向上している、という2つのことが劇的に変わってきたと思います。

――その憧れの職業ランキングにも入るほどの人気ですが、ターゲットとして、ピンポイントで小中学生を狙っていますか?
 それはありません。結果的にそうなっただけという認識ですね。そもそも、若者にテレビを持っていないという人が増えている。朝起きてAbemaTVを見てニュースをチェックして、寝る前にYouTubeを2時間ぐらい見る、という具合にユーザーの行動が変わってきています。10代は敏感で、普通のテレビよりもAndroid TVとか、DMM.TVなど、広告が入るけど安くなれば良いという人が増えていると思います。

――テレビで言えば、ドラマもリアルタイムで見る人も少なくなっていますし、TVer(ティーバー)のようにいつでも見れるように、視聴環境も変わってきています。
 僕は、家で使っているリモコンには自分が見たいテレビ局のボタンがないんですよ。今までではテレビでは地上波を見て、一部ではスマホやパソコンで見ていましたけど、それも今後混ざってくると思います。そうなるとテレビが不便に感じるようになってくると思います。

――クリエイターに敬意を払っているという印象をとても感じます。クリエイターという名前もそうですが、マネジメントフィーもUUUMは海外のMCNよりもかなり低く設定しているということも、クリエイターへの敬意の表れだと思います。その理由はなぜでしょうか。
 全員が動画投稿をしなかったら会社としても食べていけないだろうし、クリエイターのモチベーションも上がらないと思います。アメリカと大きく違うのは、社員のコストもそうですが、立ち上げたばかりのベンチャー企業の社長の給料(役員報酬)は、初めは10万だったりもします。でもアメリカの場合は例えば、優秀な人がいたら100万から始めましょうという考えが強い。そもそも人口が違います。1本仕事するのに100万だとしたら、アメリカは1000万やなかには1億ということも。その時点でケタが違いますし、それだけ違うと(更新)頻度も多くしなくても済む。そういう意味ではその割合でも良いと思います。

――マネージメント事務所という位置づけでも良いかと思いますが、YouTuberをクリエイター、マネージャーをバディと呼んでいます。そのあたりのこだわりはありますか?
 言葉の意味が独り歩きするというのは絶対にあると思っています。例えば、マネージャーとアシスタントという言葉は、(クリエイターあるいはタレント)と対等じゃないですよね。エージェントとかいろいろな言葉がありますが、バディという名前には、僕等からしても偉いという感じではないし、どちらかというと寄り添ってやっていくというイメージに近い。変な話、僕が死んだとしてもその考えは残っていくべきだと思います。

UUUM代表取締役CEO・鎌田和樹氏(C)MusicVoice

UUUM代表取締役CEO・鎌田和樹氏(C)MusicVoice

――UUUMでは、イベント『U-FES』やファンサイトなど、エンタメという分野で色んなことをやっている印象があります。それは今後も広げていきますか?
 僕らがやりたいというのもゼロではありませんが、クリエイターのイベントはファンの人が凄く望んでいますので、日々動画を見るのとは別で、会えるという事も大切なことだと思います。そういうニーズがあれば広げていきたいなと思います。

――その一方で、この間もフィッシャーズさんが『Mステ』に出ていて、HIKAKINさんも『ダウンタウンなう』などに出られるなど、テレビ出演も多くなっています。テレビとYouTuberという関係性はどう捉えていますか?
 オファーを頂いた時によってケースバイケースですが、僕らは主戦がテレビではないので、そういった意味では取材や出演依頼を頂く、共通するメディアの一部だと考えています。

――テレビにどんどん出ていくことは?
 テレビを特別に頑張りたいということではないです。頂いた中でのお話というので受けるというのはありますけど。

――マネジメントするチャンネルが5000もあると、一般的な芸能事務所ではリスク管理が難しいと思います。リスクマネジメントはどうされていますか?
 全員というのではなく、専属契約をしていくところ、まさにバディが付いていくタイミングでのコンプラケーション(コンプライアンス・コミュニケーション)は絶対におこなっていますし、僕らで言うところの専属クリエイターの動画はチェックしています。この間もそうですが、半年に一度、クリエイターを集めての研修もしています。今回はSNSとかYouTubeまわりなどを話しました。僕らも企業ですので、リスクは今後下げていきたいので、しっかりとそういうものはやります。

――UUUMがYouTuberの価値やブランドを凄く高めているという印象ですが、リーディングカンパニーという意識はありますか?
 もちろんゼロではないと思います。広告の提供表示も、前例があったらそれに従うこともあると思いますが、JIAA(一般社団法人日本インタラクティブ広告協会)と一緒になって方針を決めて発表もしていますし、規模も影響力が全くないということはないと理解はしているので、デファクト(デファクトスタンダード=事実上の標準)になっていくようなことでも、しっかりと決めていかないといけないという意識は、必然的にしていくでしょうね。

あなたにおすすめの記事

 を検索