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14年ぶり! 日本のHIP HOPの立役者・KICK THE CAN CREWが語る復活の理由

 「クリスマス・イブRap」、「マルシェ」など多くのヒット曲を放ち、日本の音楽シーンにHIP HOPを根付かせるきっかけを作ったKICK THE CAN CREW。2004 年に人気絶好調のなか活動休止を発表した彼らが、ついに14年ぶりに復活! オリジナルアルバム『KICK!』を引っさげ『復活祭』も行う3人に、活動再開に至る心境を聞いた。

14年前から変化、「今回のアルバムは自分たちの意思で決めたこと」

――結成 20 年という今年、待望のオリジナルアルバム『KICK!』も発売、本格的に復活されました。やはり節目ということが大きかったのでしょうか?
KREVA 2014年に『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』に出演した後、「このまま制作に入らないのかな?」という空気をスタッフから感じ取ってはいたんです。ただ2017年がKICK THE CAN CREWを始めてから20年だということに気が付いたので、2016年1月から1ヵ月に1曲のペースで制作を始めて、2017年にリリースすれば結成20年でちょうどいいんじゃないか、という気持ちがあって、今回のタイミングになりました。
LITTLE このまま3人でライブに出演し続けていたら、「こいつら曲はもう作らないのかな?」と思われるかもしれない。だから、「やばい! 曲作らなきゃ」って(笑)。
KREVA ただ、やれと言われて作った曲の取材だと、何を聞かれても「やれと言われたので」としか答えようがないんですよね(笑)。そういうのが面倒くさくなってくると、今度は嘘をつき始めるでしょ。それは絶対にやりたくなかったから、今回は自然にリリースすることになって良かったなと思います。

――14年前は“リリースしなければ”といった、追い込まれるようなこともあったのでしょうか?
KREVA 追い込まれるというか、やはり商業ベースに乗ってしまうと、例えばレコード会社のスタッフから「○ヶ月連続でリリースすることが決まったから」と言われたりして、そこに乗っかっていくしかないんですよね。自分たちの意思と関係ないところでやることが増えてくると、変な方向に行っちゃうのかなという思いはありました。でも今回のアルバムは自分たちの意思で決めたことだし、3人で出したアイデアや話し合いの元に生まれたものなので、自信を持って聴いて欲しいと言えます。

「オレたちがやっていることが伝わる」フリースタイルラップ流行に思うこと

――久々に3人で制作してみて、お互いに変化を感じた部分はありますか?
KREVA 特に変わっていないかな。今回も3人で楽しく、そして真剣に向き合って曲を作れたのはすごく良かったです。今までで一番良いアルバムが出来たと思うし、ライムスターの宇多丸さんからも「今までで一番良いね」と言われました。
MCU UL(MCUとLITTLEによるユニット)で活動していたときも、1stアルバムをKREVAがプロデュースしてくれたんです。それで復活前から3人でスタジオに入ったりしていたから、今回はそういった経験もあって、よりスムーズに楽しくできたと思います。
LITTLE みんなでいろんなアイデアを出しながら作るんですけど、自分1人だったら「この言葉でサビにいかないだろう」と思うことも、3人でいると、面白いと思った言葉には誰かがOKを出してくれる。そんな環境なのが良いなと改めて感じました。

――最近はフリースタイルのラップバトルが流行っていたり、CMなどでもラップが使われていたりと再びラップのブームがきていますよね。そういうシーンについてどう思いますか?
KREVA オレはフリースタイルをやらなくなってから久しいので、そういうシーンが盛り上がっていても、そこにコミットしようとは思ってないです。でも、ラップのシーンで人気者が増えていけば、自然とオレたちがやっていることが伝わると思うんですよね。「韻を踏むってそういうことなのか」とか、ラップをやる上でのルールを知ったうえで、「あ、ここも韻を踏んでる!」と気付く人が増えたら面白いなと思います。

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