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実は好相性? 演歌と子ども向け番組
小さな子どももわかりやすい 演歌歌手ならではの歌い方
しかし、“演歌歌手”自体にフォーカスすると、昔から子ども向け番組やアニメの主題歌を数多く歌ってきた。アニメでいえば前述の北島三郎の『おじゃる丸』OPテーマ「詠人」のほか、天童よしみや細川たかし、吉幾三、八代亜紀といった歌手がテーマ曲を歌ってきたし、小林幸子は“歌のお姉さん”に起用される前から映画『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』のEDテーマ「風といっしょに」や映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル』の主題歌「さよならありがとう」といったアニメの楽曲を歌っている。
「もちろん、小さいお子さんに演歌を理解してと言っても難しい話だとは思いますが、演歌歌手はその歌唱法の特性もあって、結果的に小さな子どもにも日本語の発音がわかりやすく、耳にしっかりと言葉が入ってくるので、童謡やアニソンと相性が良いんです。最近はカラオケ番組で演歌歌手が高得点をたたき出していたり、アニソンの名曲をカバーしたりして賞賛されることも多いですが、他のジャンルの曲を歌うと、その歌唱力の高さに驚かされます」(エンタメサイト編集者)
演歌歌手×子ども向け番組、今後も増加の可能性?
「最近では20代・30代の客も少しずつ増えてきてはいるものの、演歌ファンが高齢化していると言われる中で、若いファンの獲得は命題です。そこで、うまくいけば親を巻き込んで人気拡大が期待できる子ども向け番組はいいのではないかと思います。氷川さんの後輩グループ・はやぶさはTVアニメ『デュエル・マスターズVSRF』(テレビ東京系)のOPテーマを歌ったことで、イベントに親子連れが増えたと聞きますし、これから続々と事例が増えていくかもしれませんね」(前出・編集者)
ここ数年、演歌自体はそれほど売上的には落ち込みを見せてはいないが、例えば大泉逸郎の「孫」のような、誰もが知るような大ヒットもでていない。ヒットの種は、意外とこういうところにあるのかもしれない。