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【ライブレポート】ポルノグラフィティの横浜スタジアムライブ 「みんなと一緒に作ってきた道」さらにその先へーー
「サウダージ」「アゲハ蝶」、ヒット曲を意外なアレンジで披露
最初のMCでは、「今までいろんな道に僕らも足を踏み入れたんだけど、今日はまたそことは違う道に、今まで分け入ったことがない道に足を踏み入れようと……。どアタマでは足を踏み入れんでいいようなとこに行ったけど」と語った岡野。実は1曲目の「ハネウマライダー」を途中からやり直したことに触れ、「足を踏み外したな(笑)」(新藤)と笑いを交えながらも“THE WAY”の意味合いを説明。ただ進むのではなく新たな道も見せていきたいという話に、観客は深く納得させられた。特に「アゲハ蝶」は、前回(2014年)の横浜スタジアムでは豪快なファイアーダンサーとともに漆黒の夜を味わうようにして演奏されたもの。まだ明るい中、そよ風を感じながら聴くスパニッシュなノリはとても新鮮だった。
「昨日は雨でビショビショだった人も、今日は汗でビショビショに!」
巨大モニターに映し出された歌詞を読みながら聴くと、あらためて切なさがこみ上げてくる「EXIT」から、イントロだけで歓声が上がる「愛が呼ぶほうへ」。いつの間にかしっとりと暗くなった空に、新藤の柔らかなギターソロと岡野のどこまでもまっすぐな声が吸い込まれていく。昼と夜の狭間で聴く愛の歌は、人々の感覚を永遠へとつなげる――そんな気持ちになるのも、まさに野外ならでは。そして、それも環境すべてを味方につけるポルノグラフィティの楽曲ならではなのだと痛感した。とにかくその歌と光景は、涙が出るほど美しかった。
“辿り着いた”のではなく、“ここから一歩踏み出していく”
アンコールでは、11月9日発売の新曲と、“初心表明”として16年前に決意を綴った「ダイアリー 00/08/26」を演奏。“THE WAY”という名の今回のライブは、恒例のスタジアムに“辿り着いた”のではなく、“ここから一歩踏み出していく”様を体現した、ポルノグラフィティのロック精神と男気を再確認するライブだった。