(更新:)
ORICON NEWS
女優以外のオファーが殺到する清水富美加の才気
コメディからシリアスまで演じられる役者として振り幅
さらに昨年10月期に放送されたコント番組『SICKS〜みんながみんな、何かの病気〜』(テレ東京系)では、その振り切ったコメディセンスが話題に。腐女子の同人作家を演じた清水が、「微レ存」「百理ある」などマニアックな用語満載の長台詞をオタク口調でまくし立てる姿に、ネットでは「腐女子演技がリアルすぎる」「天才」と驚きの声が上がっていた。
一方で、本人は意外にも「陰のキャラクターのほうが演じやすい」と発言したこともあり、『まれ』で見せたような繊細な感情表現にも定評がある。昨年ゲスト出演したドラマ『コウノドリ』(TBS系)では、貧困ゆえに新生児を捨てようとする若い母親を熱演。凄みすら感じさせる絶望の表情や、我が子を見つめながら崩れ落ちるように泣く芝居で視聴者を引き込み、芝居の振り幅の広さを感じさせた。
独特の世界観? “素”のキャラクターの強さがバラエティでも重宝
清水も、女優としての確かな実力が知られていくなかで、そのキャラクターが浸透するきっかけとなったのは、やはりバラエティ番組への進出だった。『おしゃれイズム』(日本テレビ系)出演時には、自作の「高菜おにぎりの歌」「バターコーンの歌」を力強く披露したりと、いつでもどこでも“ふみカスワールド”全開。「料理はしません!」とキッパリ断言し、過去の恋愛話なども隠さず話してしまう率直さもある。さらにブログやTwitterでも、「三粒入りの枝豆の真ん中になりたい」「このタイミングを逃せば向こう三ヶ月コロッケそばが食べれないでしょう。気持ち口にせず走り出すよ コロッケそばの道略して“コロway”」(原文ママ)など独特の世界観を展開し、女優とのギャップの大きさに驚く人も多いようだ。
話題先行ではない確かなトークスキルはさらなる可能性を予見させる
SNSが普及し、芸能人が手の届かない存在ではなった今の日本では、“共感”や“親近感”を得ることが人気につながる。ドラマや映画の宣伝でバラエティに出ることも当然になり、以前より格段にトークスキルが重視されるようになった。そんななかで、女優としてもバラエティタレントとしても才能を発揮できることは、清水の大きな強みだ。『まれ』『シブヤノオト』でNHKからの起用が続いているだけに、いずれはNHKドラマで大役を射止め、『NHK紅白歌合戦』の司会に抜擢される未来もありえるかもしれない。
(文/加藤恵)