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ポスト南キャン? 異彩を放つ男女ペア芸人・メイプル超合金とは
強烈なインパクを放つ怪しい2人組だが、漫才は意外にも正統派
いかにも怪しいふたりだが、漫才は意外にも正統派で、ボケ役のカズレーザーが「ジークジオン!」(アニメ『機動戦士ガンダム』に出てくる掛け声)と叫びながら登場すると、ツッコミの安藤を「どうした、この女装した冷蔵庫」「俺の最寄の化け物」などとなじりながらスタート。カズレーザーは常に不敵な笑顔で自由奔放にボケまくり、そこに安藤の声量も重量感もあるツッコミが入るというスタイルで、締めはふたりで「ブババブババブババ〜!」(『ドリフ大爆笑』(フジテレビ系)のオチの音楽をイメージ)とかました後、カズレーザーが「現場からは以上でした」などと言って終わる。これら一連の流れや形式はカズレーザーが決めたらしいが、それなりに試行錯誤もあったようである。
「(ジークジオン!は)もっとも景気の良い言葉だと思い、冒頭で叫ぶことにしました。(締めのブババ!も)ネタのオチの付け方がわからず、苦し紛れに言った言葉です。ドリフ自体はあまり意識してなかったのですが、後々考えれば完全にパクリですね。(ネタ作りは)中学生の頃の自分が見て“世の中にはバカな大人がいるんだなー”と笑えるようなネタ作りを心がけています」(カズレーザー)
2人のキャラやコンビでの立ち位置は、南海キャンディーズと対照的
「男女のコンビで、相当なインパクトがあるという意味では南海キャンディーズに似ています。ただ、静ちゃんが乙女の部分を維持しているのに比べると、安藤の迫力は女芸人の中でもトップクラス。陰湿かつ天才肌の山里さんに比べても、カズレーザーは天才というより狂気を感じさせるボケっぷり。南海キャンディーズでは男、メイプル超合金では女が手綱を握っているところも正反対です」(バラエティ番組制作スタッフ)
確かにフォーリンラブや相席スタートなど、男女コンビが話題になっているが、どちらも女性のほうがクローズアップされている。男女ともにキャラが濃いということでは、メイプル超合金は南海キャンディーズに継ぐコンビだと言えるかもしれない。そのあたりについて本人たちはどう思っているのだろうか?
「男女コンビの先輩として尊敬する方と比較していただいて光栄です。山里さんにはラジオ等でもお褒めいただきましたが、まだまだ遠く及ばない存在だと思ってます。南海キャンディーズさん以降、いわゆる夫婦漫才ではない男女コンビが急増し、あまつさえ夫婦漫才師の数を上回っている現状からも、南海キャンディーズさんは男女コンビの頂点だと思います」(カズレーザー)と意外にも殊勝な言葉が返ってきた。
勢いのある“暴走力”が最大の武器、テレビ界で異彩を放つ毒々しさ
そんなふたりに今後の目標を聞くと、安藤の「M‐1グランプリの決勝にまた行きたいです」という答えに対して、カズレーザーは「年収6兆ドル」と答えた。どこまでもボケに徹するカズレーザーだが、実は普段から自由奔放な性格らしく、安藤も目が点になるような経験をよくすると言う。
果たしてメイプル超合金の勢いは今後も続くのか? 南海キャンディーズを超えることができるのだろうか? 実際、そのアクの強い迫力は、最近安定して落ち着いてきた南海キャンディーズの比ではないという意見もある。しかし、その強すぎるインパクトが逆に“苦手”な視聴者がいることも確かだ。いずれにしろ、メイプル超合金の最大の魅力は、やはりその勢いのある“暴走力”。昨今、おとなしくなった感がなきにしもあらずのテレビ界に、久々に現れた“毒々しい”お笑いコンビであるだけに、今後もシュールで狂気に満ちたお笑いをキープすることで、自ずと道は開けていくのだろう。