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SNSで人気のMACO、自分独自の色とは

 テイラー・スウィフトの楽曲カバーで注目、最近は等身大のラブソングが人気。さらにSNSに投稿したファッションも熱い支持を受けているシンガー・ソングライター、MACO。彼女の初のアルバム『FIRST KISS』がついに完成した。様々なシチュエーションの「キス」を表現、ビタースウィートな魅力満載の内容。その聴きどころや、気になるプライベートも直撃。

ミュージシャンとしていろいろと気をつけることが増えた

  • アルバム『FIRST KISS』【初回盤】

    アルバム『FIRST KISS』【初回盤】

──ミニアルバム『23』でメジャー進出してから1年以上経ちましたが、心境の変化はありましたか?
MACO はい。当初はカバー曲のイメージが強かったですが、今年の春にシングル「LOVE」をリリースして以降、ラブソングを作るアーティストという印象が定着してきたのかなって思います。また、声質も以前と比べて厚みをましたし、ミュージシャンとしていろいろと気をつけることが増えましたね。仕事として音楽をやらせていただいるのだから。

──具体的に気をつけていることってありますか?
MACO ジムに行って身体を鍛えることですかね。あれは依存度が高いです。行くと止められなくなる(笑)。また、ちゃんと鍛えることが、体型を維持できる一番の理由だと思うし。サウナをするだけでも、自律神経が安定していいとも聞きますしね。

──MACOさんと言えばSNSを駆使して日々様々な情報を発信。特にファッションの投稿の反響が高いですよね。
MACO いつも曲のイメージにあわせたものをアップデートしているんですけど、MACOっぽいスタイルが何となく(フォロワーに)定着しているみたいで。流行に左右されるのではなく、自分が心地いいと思えるスタイルにすること。またハイブランドばかりを着るのでなく、リーズナブルなものとあわせてコーディネートするとか、気をつけてます。秋冬はチェック柄ですね。流行とか関係なく好きで、秋になると必ずどこかにポイントとして入れています。

──このたび完成したばかりのアルバム『FIRST KISS』のビジュアルは、大人っぽい印象ですね。
MACO いや、中身はそうでもないです。見た目は大人目ですが、心は10代のままなんで(苦笑)。アルバムのビジュアルに関しては、最初の段階からピンクのイメージがあって、タイトルに「キス」が入っているし、秋のリリースだから、唇型の枯葉が舞い降りるイメージを表現したつもりです。

──なぜ、このタイトルに?
MACO 歌詞に“キス”という言葉がすごく入っていて。たぶん、ラブソングを作るにあたっての象徴みたいになっているんだと思います。だから(収録曲には)いろんなキスの形が表現されていますね。また、これが初めてのアルバムになるので、みんなへ初めてのキスを届けたいという思いもあって、このタイトルにしました。

──確かに、いろんなキスの情景が見える内容ですね。そのなかでも現在話題になっている楽曲が、すでに配信限定シングルとしてリリースされている「Kiss」。別れた恋人とのキスの思い出を辿る、せつない内容。失恋をテーマにした曲は、MACOさんにとっては珍しい気が。
MACO 自分でも新しいなって思っています。最後まで好きな人と別れたことを後悔する楽曲をシングルにしたのは初めてなので。いい意味で、聴いてくれる人の期待を裏切るものになったのかな?って思います。

──MACOさん自身、こういう経験がある?
MACO 未だに引きずる恋愛ってないですね。ただ、別れた直後はすごく落ち込みますけど。

──傷心から、どうやって立ち直るのですか?
MACO 新しい恋をすることだと思います。いい恋愛をすれば、記憶ってちゃんと上書きされていって、最後にはいい思い出だけが保存されているものなのかなって。でも「Kiss」では、そこまでたどり着けていない状態を描いていますね。

女優としてYouTubeドラマに出演……女優は絶対に無理!

  • アルバム『FIRST KISS』【通常盤】

    アルバム『FIRST KISS』【通常盤】

──この楽曲をモチーフにした、松井愛莉さん初主演のYouTubeドラマ『ラストキス』が話題になっていますが。
MACO 実は、私もちょっとだけドラマに出演させていただいているんです。水をかけられてしまうお客さん役で(笑)。でも、役者さんって本当にすごいですね! MACOは、音楽で世界をもっと広げたいと思って活動しているけど、役者さんの涙の演技とか見ていると、自分にはかなわないなって……。

──これをきっかけに女優さんへの道も?
MACO 最初は興味沸きましたけど、絶対に無理です! うん……できない。

──でも、MACOさんはステージでもいつも落ち着いて、何でもこなしてしまう印象が強いですよ。
MACO よく緊張してないように見られるんですけど、実はしてます。でも、最近はプレッシャーに打ち勝つ術を見つけられたというか。どんなステージに立たせていただいても、楽しむ気持ちが出てきましたね。「自分は緊張していないんだ」と言い聞かせると、余計な力が抜けるんです。

──このアルバムでも、余計な力が抜けているというか。素直なメッセージがこめられていますよね。「24歳の私からママへ」は、お母さんへの感謝の思い=キスが素直に綴られている気がしました。
MACO この曲も、みんなびっくりするのかなって。特にママが。実はアルバムのリリースまで、この曲を作ったことを内緒にしていて。ママと離れて暮らしている24歳の今だからこそ伝えられる思いを、いろんなエピソードを交えて泣きながら書きました。

──音楽の道へ進むきっかけも、お母さんからの影響が?
MACO そうですね。ママも含め家族がいろんな音楽が好きだったというのもあるし。また、ママって寂しがりで子離れできていないところがあるんですけど、ミュージシャンとして上京しようか悩んでいた時、頑張って!と誰よりも背中を強く押してくれたんです。おかげで、今やりたいことができているのかなって。

──その他の収録曲も、24歳の現在だからこそ表現できたものばかり?
MACO そうですね。『23』はカバー曲が中心で、その前にインディーズで発表した『22』は今聴くと恥ずかしいけど、当時のMACOが言いたかったことが詰まっている作品なんです。今回は、やりたかったこと+これまでのMACOの色+みんなと楽しめるものを作りたいと思って完成させたところがありますね。だから、洋楽R&Bサウンドにも挑戦したりとか、今までだったら書かなかったタイプの曲もあるし。

──MACOさんと言えば、アリアナ・グランデやテイラー・スウィフトなどの海外ミュージシャンとの親交があることでも有名。彼女たちからの影響も?
MACO (海外ミュージシャンの)ライブなどで間近で観させていただく機会が増えて、圧倒されるばかりです。だから、そこを目標にするのでなく、MACOらしさを追求して、自分だけしか表現できないものを確立させたいなって思うようになりました。

──また、MACOさんはSNSを駆使してファンの人との親密な交流をすることでも有名。そこでも「らしさ」が生まれているのかなって。アルバム収録の「We Gonna Be Happy」は、そんなSNSでの交流のなかから生まれた曲という印象が。
MACO レコーディング中に息抜きとしてSNSをチェックしていると、どこかに行っている画像がアップされていて「いーな」って単純に思うんです。それを歌詞にしてみたって感じですね。

──今まで投稿されたSNSでの投稿で印象に残っているのは?
MACO 写真プリントのシールにMACOの歌詞を書いて、それにあうポーズを撮ってくれた画像を初めて見た時は、すごいなーって。また、私よりも若いんだけど病気で入院している女の子が、MACOの曲を歌っている映像を観た時は、胸が熱くなりましたね。私の歌で、元気を届けることができたのかなって。もっといい曲を多くの人に届けなくては、という気持ちになります。

──12月には初のワンマン公演が決定。来年2月からは全国ツアーも。そこでも、多くの人に思いを届けられそうですね。
MACO アルバム以上に、来てくれたみなさんを驚かせるステージにしたい。みんなに最高なものを見せるべく、がんばります!

自分独自の色がある曲を書き続けたい

──今後はどんなミュージシャンになりたいですか?
MACO ファッションとか見た目も大切ではあるんですけど、それより先に楽曲が愛される存在になりたいなって。私の好きなアーティストって、イントロを聴いただけで、この人だ!ってわかるものが多いというか。曲に独自の色があるんですよね。そういう曲を書き続けたいですね。SNSをチェックすると「MACOの曲っていつもいいよね」というコメントが、一番心に響くんです。そう言われ続けてもらえるようになりたいですね。

──今回のアルバム制作を通して見えた、独自の色は?
MACO バラードの曲が多いけど、今回R&Bとかポップスサウンドなどもだせたので、それが今後の独自性につながるのかなって。あと、ラブソングも重要。みんなの心に届くようなものを作っていきたい。

──今後、どんな場所でライブしてみたいですか?
MACO 大阪や名古屋など、地方のファンの方からもライブが観たいという声を多くいただくので、いろんなところに行きたいですね。あと、アジア地域も。MACOの活動はライブがすべてだと思っているので。

──ところで。アルバムタイトルにあわせて、MACOさんにとって理想のファースト・キスって?
MACO あんまりカチッとした感じじゃなくて。フランクな感じ! 「今のがファースト・キスだった?」みたいな感じが、いいかなって。

──こんなキスならいいという、理想のドラマや映画ってありますか?
MACO うーん……思い浮かばないです(苦笑)。例えば、学校の帰り道とか? ぎこちない感じ?

──それから、以前SNSでジャスミン茶が苦手という投稿をされましたね。
MACO (笑)。私、お茶系が苦手で、最近になってようやく緑茶を飲めるようになったんです。だからジャスミン茶もいけるかな? と思ったのですが、あの野性味あふれる感じが苦手でしたね……。基本的にハーブとかお花の香りがする飲食物は苦手なのかも。

──他にも、何か苦手なことってありますか?
MACO 対人関係がうまくないってところ(笑)。お仕事とか、好きなミュージシャンにならば大丈夫なんですけど、プライベートになるとコミュニケーションをとるのが苦手でして……。でも、そのもどかしさが曲作りにもいい影響を与えるのかなと思っています!

(文:松永尚久)
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