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剛力彩芽、歌手・女優・司会業での独自のこだわりとは

自信はあるけど、自分のこと好きじゃなかった

――自分でも、ずっと変わりたいって思っていたでしょうしね。
剛力 それはそうですね。もともと年上の方と接するのは嫌いじゃなかったんですよ。ただ、うまく言葉で自分を表現できなかっただけで。だから、その楽しさに気づいてきて、自然と変わったんだと思います。あとは、仕事をするようになって、スタッフさんとかの家族以外にも甘えられる人ができてきた。それも大きい気がします。やっぱり甘えられるのって、自分の素を出せるっていうことだと思うので。

――そのおかげで、もっと心をオープンにして生きたほうが楽しいって気づいたのかもしれないですね。
剛力 そう。そのほうがずっとラクだし楽しいんですよ。高校に入学した頃かな。母親に「自信はあるけど、自分のこと好きじゃないよね」って言われたんですね。それを聞いて、“ああ、確かに!” って思いました。例えばダンスという好きなことをするとき、“自分はできる!” っていう自信はあるんですよ。でも、自分自身のことを好きにはなっていないなって思ったので。しかも、そのとき母親は「私は自分のこと大好きなんだよ」って言ってたんですね。そういうふうに言えるのって、すごくステキ。だから、それもひとつのきっかけだったのかもしれないです。実際、母親からの言葉は、いろんなきっかけになることが多いですから。

――やっぱり一番身近な存在ですからね。それに、そういう自分のことを曲にして歌えるのも、アーティストならではですよね。
剛力 本当にそうだと思います。今思うと、なんであのときからしゃべっていなかったんだろう。もったいないなって思うんですよ。でも、あの自分がいたからこそ、今の自分がいる。そういう時期を経験しているから、今はひとつひとつのことを後悔したくないって思えるんです。だから、今は全部全力でやるようにしていますね。

――そういう意味では、今、ちょっとネガティブな感じの人も、そこから一歩踏み出すことが必要かもしれないですね。
剛力 本当にどこにきっかけってあるかわからないと思うんですよ。だから、挑戦してみるのも大事だし、いろんな人に出会うのも大事だと思う。何気ないひと言が大きな影響をもたらすこともありますからね。

MCはちょっと背伸びを、声のトーンを変えている

――剛力さんは、女優や司会としても活躍なさっていますよね。それって自分の中ではスイッチを切り替えているんですか?
剛力 いえ、あんまりオンオフがないんですよ(笑)。でも、スタッフさんには、「カメラ前に立つと顔が変わる」って言われますし、母親には「人前に立つと全然顔が違う」って言われます。やっぱりお芝居のときは役になりきるので、できるだけ自分は見せたくない。自分という要素は、オリジナリティを出すためにお芝居の中に取り入れるだけ。でも、アーティストは剛力彩芽そのものなので、私自身の気持ちや表現を出していきたいなって思います。そしてMCは……ちょっと背伸びをしています(笑)。

――ああ、そうですよね。だって、番組を仕切らなきゃいけない立場ですから。
剛力 はい。だから、ちょっと大人っぽい感じというか、声のトーンとかも変えてますね。

――確かに。『奇跡体験!アンビリバボー』(フジテレビ系)のときなんかは、落ち着いているというか、ゆったりしゃべってますよね。
剛力 そうなんです。言葉の言い方だけで全然印象が変わるので、そこはちゃんと意識してやりたいなって思ってますね。でも、アーティストとしては、できるだけ自然体でいたい。そのままの自分を見てもらいたいっていう気持ちは、すごく強いです。

―― 一番自由に表現できる場所ですしね。
剛力 そうですね。お芝居だけやっていたら、直接ファンの方にお会いする機会っていうのが、本当に少ないじゃないですか。舞台をやったとしても、舞台の上でお芝居をしている限りはお客さんとはからめない。でも、アーティストはお客さんと一緒にライブを作ることができるので、そこがすごくいいところだなって思います。

――アーティスト、女優、MC、その全部があるのが、剛力さんのなかではいいバランスなんですか?
剛力 もう最高です。これだけいろいろやらせていただけるということも、なかなかないと思うので、ありがたい場所にいるなって思います。本当に幸せですね。だから、これからも全部全力でぶつかっていきたいと思っています。

(文:高橋栄理子/撮り下ろし写真:草刈雅之)
剛力彩芽 オフィシャルサイト(外部サイト)

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