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5年ぶり再始動のWaT、紆余曲折を経て10年「2人なら大丈夫」
(ファンの方に)恩返しをしなくちゃなって、改めて思いました
小池 本当ですか? 正直、久々に2人で一緒に写真を撮って、俺ら、おっさんになったなって(笑)。
ウエンツ もう、30歳手前ですからね。逆に10年前の僕らをそのまま求められても、年齢的な部分はもちろん、それぞれの経験値が上がっているぶん、そこはどうにもお応えできないことだなって。
――いい意味でずっと2人は少年性を持ち続けているんですよね。
ウエンツ (ほくそ笑みながら)楽しいんですよ、人生が。
小池 なんか急に嫌な奴になってる(笑)。
ウエンツ 今楽しいことがいっぱいある上に、このあともっと楽しくなるだろうなって気しかしてないんですよ。
――何に対しても楽しもうという気持ちが重要であると。
ウエンツ もちろん落ち込むときもないわけではないですが、その感情を引きずるよりも、とにかく未来は明るい! って。そう思ったら、落ち込む理由がなくなるじゃないですか!
――ちなみに代々木で路上ライブをしているときから、このような思考だったんですか?
ウエンツ (いきなり小声で)まったく違います(笑)。20代前半のころは未知なる遭遇の連続で、明るい想像をしたくても経験値がないからできないんですよ。怖さや失敗もあるし。もちろん今でも怖さはありますが、失敗も経験してきているので、未知なる遭遇をしても、もはや動じることがないんです。
――小池さんは?
小池 僕も楽しいですね。そこは一緒だな、と。オンオフの切り替えが昔に比べて抜群にうまくなった気がする。昔は休みの日は、何をするって決めずに家でなんとなくダラダラ過ごしちゃうことがあったんですが、今はちょっとでもスケジュールがあいていたら、何かしら予定を入れちゃいますね。やんなくちゃいけないことがある方が人としてちゃんとするというか、アクティブに動いていると、そのぶん日々の生活に張りが出るんですよね。それにそこで得た経験が演技にしろ、歌にしろ、何かしらにつながって、結果、自分の貯金になるというか、表現の幅が広がるんですよね。
――当時とは異なる2人のWaTが、今後どうなるのかさらに楽しみになりました!
小池 今、まさに曲作りをしているまっただ中で。WaTの曲ってどうだったっけな? って昔のDVDとか最近見返しているんです。昔の自分たちを見ていると、さっき言っていただいたように、「ピュアだな、こいつら」って自分でも思うんですけど(笑)、正直、あのころのWaTを表現したいと思っても、良くも悪くも年を重ねてしまった今の自分たちには無理なんですよね。5年空いたことで、当時の癖とか、聴いている音楽とかも変わってるし。だから、出来上がったどの曲もWaTっぽくなくて……改めてWaTって難しいなって〜(苦笑)。WaTの難しさにちょうど今、直面しているところなんです。
――楽曲にもキラキラ感が全面にあふれていましたからね。
小池 今は意識的にキラキラを出さなきゃって(笑)。
――でも、当時からWaTって等身大の2人があらわされていたぶん、自然とみんなが待ち望んでいる形のWaTになるんじゃないかと。
小池 今日、僕らの原点である代々木公園に行って、さらに今でもキラキラしていると言ってくださって、いいヒントをもらえた気がします。無理して当時のキラキラ感を作ろうとするのではなく、今の楽しい気持ちを素直に曲に乗っけてみたらどうなるんだろう? って試す引き出しが増えました。
――ウエンツさん的にはいかがですか?
ウエンツ 僕は当時WaTを知ってくれていた人たちに、「WaTってこうだったよね」って提示するのが先かなと。何より待っていてくれた人たちに対するお礼というか、恩返しをしなくちゃなって、今日改めて思いました。だから、今の僕たちはこうですよって主張することよりも、まずはファンの方たちの気持ちに寄り添ってから、また一緒に進んでいけたらいいなと。
小池 そのためにも、とにかく今はいろんな曲を作らなきゃ(笑)。
――新たな名曲の誕生、2015年版“WaT”を楽しみにしていますね。
小池 プレッシャーが(笑)。正直、当時も売れたい、売れなきゃいけないって気持ちはありました。今もそこは変わらずあるんですが、それ以上に“WaT”を楽しみたいです。曲が生まれるまではものすごい苦しみがありるし、今まさに生みの苦しみを味わている最中なんですが(苦笑)、出来上がったら、その苦しみをすべて忘れちゃうぐらいの快感に変わるので。
ウエンツ 今回は曲や歌詞はもちろん、2人ともこの5年の間にミュージカルなど、音楽的にもいろんな経験をしたので、歌い方とか昔は追及しなかったことまで徹底してやると思います。とはいえ、まだ曲ができていないんで、漠然としているんですが。
活動休止中に不仲説も……すっと僕らは仲良し!
2人 早かったです!
小池 でも、実質WaTとしてやっていない時期のほうが長いですからね。
――5年間停止していたものが、淘汰されずに戻れるって、すごいことですよね。
ウエンツ それも待っていてくれるファンの方がいてくれるからですよね。
小池 これからこの5年の間をどう埋めていこうかという。正直、離れていってしまったファンの方もいるでしょうし、想像以上に大変だと思いますが、この2人なら大丈夫だろうという妙な自信は5年前よりもありますね。
――5年の間、お互い(の活動)に対して気にはしていたんですか?
小池 ウエンツが出演している舞台を見に行ったり、僕の舞台を見に来てくれたり。でも、テレビをつければ、(ウエンツが映って)いるから(笑)。予約してまで見るということはなかったですが、朝も夜もしょっちゅう(画面を通して)ウエンツに会っていたので、僕の中では離れているという感覚はなかったし、ウエンツの活躍を目の当たりにして、いい刺激をもらっていましたね。
ウエンツ 徹平は最近は舞台が中心なんですけど、生で見る徹平の演技には毎回圧倒させられましたね。
小池 生ものという意味では、舞台もライブと一緒だなって。あと、個人的にすごくウエンツがうらやましいことは、『スッキリ!』(日本テレビ系)のレギュラーコーナー。国内外の錚々たるアーティストがゲストとして登場してるじゃないですか! その人たちの生歌をあんなに間近で聴けて、毎回ウエンツと変わってほしいなって(笑)。
ウエンツ 頑なにお断りします(笑)。
小池 じゃあ、WaTが再始動したら、『スッキリ!』に出演させてよ!
――いいですね〜!ぜひ今年はウエンツさん自身の歌声を『スッキリ!』で披露してほしいです!
ウエンツ ダメダメ!
小池 なんでダメなの? むしろウエンツから番組サイドに出演のお願いしてよ。
ウエンツ 加藤(浩次)さんの前で歌いたくない。あの人絶対に手拍子しないから(笑)。
小池 大丈夫だから、加藤さんに頭下げてよ!(笑)。
ウエンツ それで番組降ろされることになったらどうしてくれるの?
小池 そこはウエンツの腕次第でしょ(笑)。
ウエンツ その前に徹平がいい曲作ってくれないと! WaTとしてリリースできないから!
――お互い責任のなすりつけ合いのようになってきましたが(笑)。確かに楽曲が完成しないことにはすべてがはじまらないですからね。
小池 頑張ります(苦笑)。若い世代の人たちは、僕らに対して、朝見る人とか、演技をやっている人っていうイメージで、2人が歌を歌っていることを自体、知らないと思うんですよ。これまでWaTを待っていてくれた方には懐かしさと新しさの両方を感じていただきつつ、5年間空いたぶん、そのなかで個々が得たものをいい融合のさせかたをして、みなさんに届けたい、湧き上がる想いをWaTを知らない若い世代に向けても発信していきたいです。自分たちで言うのもなんですけど、こういう2人組ってあんまり見かけないから、貴重だと思うんですよね(笑)。
――各自はもちろん、“WaT”そのものがキラキラしてますからね。
ウエンツ でも、WaTがキラキラできるのは、ファンの方たちがいてこそ。これまでもずっと一緒にWaTを作りあげてきてくださったので、とにかく早くファンの方たちの前に2人で立ちたいです。
――ファンの人に「お帰りなさい」って、涙で迎えられたらどうします?
小池 1人ひとりの涙を僕の手で拭います。
ウエンツ それでステージ終わっちゃうから(笑)。
小池 みんなの涙で手がしわっしわになって、肝心のギターが弾けなくなっちゃうという(笑)。
ウエンツ それは困るから、心の中で拭って!
――では、最後にメッセージをお願いします。
ウエンツ ファンの人に対しては、本当にお待たせしちゃって申し訳ないという気持ちが第一にあります。どこまでみなさんの期待に応えられるかわからないですが、今僕らが持っている力をフルにみなさんにぶつけたいと思います。
小池 よく活動を休止している間に「ウエンツと仲悪いの?」って聞かれたんですけど(笑)、全然そんなことはなく、ずっと僕らは仲良いです!
ウエンツ でも、ここでまた仲良しを強調すると、実は不仲なんじゃないのかとか疑われたりして(笑)。
小池 もう、どう受け取ってもらってもいいよね。結局は自分たち次第だし、いま2人の気持ちは間違いなく同じ方向を向いているから、あとはそれをどういう曲にして、どんな形にして歌っていくのか……ずっと応援してくださっているファンの方、今回初めてWaTの存在を知った方もぜひ今後のWaTの動向、作品を楽しみにしていてほしいと思います。
――2015年は“WaT”としての2人をたくさん見ることができると!
小池 歌う場があれば、どこでも行きたい気持ちです。
ウエンツ WaTに「前進」という曲があるように、止まっていた時間を少しでも一緒に前に進めていけたらと思っています。まだまだ完成途上の僕らを楽しみにしていてほしいです。
(文:星野彩乃/撮り下ろし写真:西田修平)
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