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明菜に続き復活が望まれる “伝説の歌姫”たち 音楽シーンの起爆剤にも

 来年1月に復帰シングルと新録アルバムを発売することを発表し、4年3ヶ月ぶりに本格的な音楽活動を再開する中森明菜。一部報道では年末の『NHK紅白歌合戦』での電撃復帰の可能性も囁かれている。また、昨年放送されたNHK連続テレビ小説『あまちゃん』をきっかけに歌手として再び脚光を浴びている薬師丸ひろ子は今年、歌手デビュー33年目で『紅白』に初出場(2013年は『あまちゃん』企画コーナーに出演)。昭和を彩った“歌姫”の復活が相次いでいるのだ。伝説の歌姫の復活は時代に何を訴えかけるのか。また、中森、薬師丸以外にも復帰が期待される歌姫は? 改めて彼女たちの魅力に迫っていく。

中森明菜、4年3ヶ月に及ぶ沈黙を破り完全復活へ

  • 4年3ヶ月ぶりに本格的な音楽活動を再開する中森明菜

    4年3ヶ月ぶりに本格的な音楽活動を再開する中森明菜

 オーディション番組『スター誕生!』出演をきっかけに1982年5月、「スローモーション」でデビューした中森は、同年7月に発売された2ndシングル「少女A」が大ヒットしたことで一躍トップアイドルの仲間入り。「セカンド・ラブ」「十戒」「ミ・アモーレ」「DISIRE」と多くのヒット作を世に出し、長年にわたって音楽シーンで存在感を見せつけてきた。いわゆる王道アイドルポップが多数を占めていた1980年代のアイドル界において異彩を放つ低音のビブラート、どこか憂いを帯びた表情と確かな表現力、現代の歌姫たちにも受け継がれている自己プロデュース能力で、松田聖子とともに一時代を築いたその功績は、改めて語るまでもないだろう。

 ストレスによる免疫力低下で体調を崩して以来、入退院を繰り返し、2010年10月の活動休止以降、公の場に姿を見せることは一切なかったが、ベスト盤や再発盤がコンスタントに売れ続け、根強い人気の高さを証明していた。そして今年8月にレーベルの枠を超えて発売されたベストアルバム2作『オール・タイムベスト −オリジナル−』(最高3位)、『オール・タイムベスト −歌姫(カヴァー)−』(最高7位)が8/18付で同時TOP10入り。11月15日放送の彼女を特集したNHK『SONGS』も過去映像が中心だったものの好視聴率を記録した。復帰待望論が高まっていたなかでの「2015年、歌姫復活」という報せに、SNSなどでは多くの喜びのコメントが寄せられている。

数十年経っても復帰を願う声が止まない歌姫たち

 音楽界に“スター”が不在とも言われているなか、中森のように一時代を築き、現在活動休止もしくは引退している歌姫たちの復活を願う声は多い。そのひとりが、中森と同じく『スター誕生!』をきっかけにデビューし、森昌子、桜田淳子とともに「花の中三トリオ」として人気を博した山口百恵。「横須賀ストーリー」「イミテイション・ゴールド」「秋桜」「プレイバックPart2」「いい日旅立ち」と、そのヒット曲の数々は枚挙にいとまがない。1980年10月の日本武道館でのファイナルコンサートをもって芸能界を引退して以降、マスコミには一切登場していないが、テレビ番組への出演オファーが度々報じられるなど、今もなお注目され続けている。そんな山口と三浦友和夫妻は今年、「理想とする有名人夫婦」(明治安田生命調べ)で9連覇を達成。きっぱりと芸能界を引退し、“母親”としての役目をしっかり果たしているからこそ、30年以上を経た今も多くの人に伝説として語り継がれている理由なのだろう。

 また、1972年発売の「喝采」が大ヒットしたちあきなおみも、復帰待望論が止まない歌姫だ。1992年に夫・郷えい治さんと死別して以降、全ての芸能活動を休止しているが、各社からベスト盤がコンスタントに発売されており、中には1万枚を超えるセールスを記録する作品もあるなど、その人気はいまだに衰えるところを知らない。彼女の魅力は、何といってもずば抜けた歌唱力。故・美空ひばりさんに並ぶ天才歌手として、日本の歌謡史に輝かしい爪痕を残し、「またあの歌声を聴きたい」と願う人は多い。

1990年代後半〜2000年代を席巻した宇多田ヒカル

  • 歌手デビュー33年で『紅白』に初出場する薬師丸ひろ子(写真=2011年5月撮影)   (C)ORICON NewS inc.

    歌手デビュー33年で『紅白』に初出場する薬師丸ひろ子(写真=2011年5月撮影)   (C)ORICON NewS inc.

 近年では、2010年にアーティスト活動の無期限休止を発表した宇多田ヒカルの本格的な復帰が待たれる。宇多田は1998年12月、シングル「Automatic/time will tell」でデビュー。その唯一無二の歌声は多くの人々の心を捉え、結果的にデビュー作は新人としては異例のミリオンセールスを記録する大ヒット。さらに翌年3月に発売された1stアルバム『First Love』は歴代のアルバムセールス1位となる765.0万枚という驚異的なセールスを記録した。その後もミリオンヒットを量産し、1990年代終盤から2000年代の音楽シーンに与えたインパクトは計り知れない。活動休止後は表立った活動はしていないものの、ラジオやTwitterを通しての近況・情報発信は継続している。一方で2012年にアニメ映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』テーマ曲として配信、DVDシングルとして発売した「桜流し」が好セールスを記録していることからも、アーティストとしての本格復帰を期待しているファンが多いことを窺い知ることができる。

 こうした伝説の歌姫たちに共通しているのは、誰にも取って代わることのできない唯一無二の歌声、何より他者を寄せ付けない圧倒的な“スター性”の持ち主だということだろう。音楽業界が全体的なセールスの落ち込みを見せるなかで、シーンを引っ張っていけるような大スターは久しく生まれていない。だからこそ歌姫たちの復帰待望論が生まれるのであり、リスナーもカリスマ性を持った歌姫の登場を待ち望んでいるのだ。

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