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ORICON NEWS
Chu-Z『PaniCrew・YOHEYプロデュースによるガールズユニット』
成功例に沿ってたら埋もれてしまう(YOHEY)
YOHEYもともとアイドルの振り付けの仕事もやっていたんですけど、K-POPが入ってきたときに衝撃を受けたんですよ。J-POPが日本国内のマーケットで満足しているのに対して、K-POPはガンガン世界に出て行って、あっという間にビルボードにもチャートインして……正直「やられたな」と思いました。K-POPって世界のトレンドをよく研究していて、おいしいところを全部取り入れてるんです。もちろんJ-POPの良い部分も。
その結果、アジアのマーケットを全部持っていかれてしまった。これ、日本がやらなきゃダメだと思ったんですよ。
──ということは、K-POPをお手本にしたガールズグループを作ろうと思ったわけですか。
YOHEY国内のシーンだけ見るのではなく、世界でウケている音楽をどんどん取り入れていく、という意味ではそうかもしれません。ただ正直、K-POPも日本のアイドルグループも、最近は成功例に沿いすぎていて、同じようなグループが増えてしまっている気がするんですよ。だから、同じことやってちゃダメだと思うんです。Chu-Zも絶対に制服は着させんとこうと(笑)。
──メンバーのみなさんはどうですか? アイドルとしてはやっぱり制服を着たかったとか。
KANA私はアイドルにすごく憧れてて。アイドルと言えばやっぱり制服に黒髪じゃないですか。だから、最初のライブで金髪ショートのウィッグが用意されてたときは正直、ショックでした(笑)。
YOHEYまずはリーダー(麻衣愛)から始まって、一人、また一人とウィッグを持ってこなくなったという(笑)。
麻衣愛ウィッグの形が、前にやってたユニットの髪型とほぼ同じだったので、「これじゃダメだ!」と思ったんですよ。印象を変えるためにまっすぐにしようとアイロンをかけたら、チリチリになってしまいまして……埋めました(笑)。
LUNA逆に私はもともと洋楽が好きで、このグループのオーディションを受けたのも、普通のアイドルじゃないガールズユニットを作るというところに惹かれたからですね。
KAEDE私もアイドル募集だったらオーディションを受けなかったと思います。小さい頃からダンスを習ってて、ダンスに関わりたいと思ってたから。だから最初の頃は可愛い曲ばっかりで、「あれ?こういうことをやるために入ったんだっけ?」って思ったこともありました。
──夢や思惑はさまざまありつつ、結成から2年を経て、ステージを見ると、今はすごくまとまりがあるグループという感じですが。
KANAこの2年、YOHEYさんと活動してきて気付いたんです。新しいものを作っていかなきゃ、「アーティスト」には育っていけないんだって。ほかのグループと同じことをやってたらダメで、Chu-Zらしさって何だろうってことをすごく考えるようになりました。
KAEDE楽曲も可愛い系でずっと行くのかなと思ったら、いきなりカッコいい系が来たんですよね。それでYOHEYさんのやろうとしてることの意味がわかったというか。可愛い曲は可愛く、カッコいい曲はカッコよく、両方を振り切ってやることで、どっちも引き立つんだっていうことに気付きましたね。
ミク私は最初はただの好奇心でオーディションを受けたんですけど、今はChu-Zに人生賭けてます。それくらいYOHEYさんの熱い思いは私に影響を与えてくれてて、“東京のお父さん”って感じですね。実際のお父さんとも同い年なんですけど(笑)。
一度は夢を諦めた6人だからこそ、聴く人に響く歌が歌えると思うんです(あすか)
YOHEYテーマが『アイドル界に殴り込み』ですから、すごいの出てきた! と思われるように、やっぱり1stはパンチを打っていかなきゃなと。タイトルの「ボンバスティック」というのは我々の中では「弾けるスティック」を意味する造語で、彼女たちがMVやライブで振ってる棒のことです。“ルミトン”といって海外のクラブシーンではけっこう流行ってるんですけど、EDMがかかるとあれを振り回して踊ってるんですよ。ちなみにルミトンを使ったアイドルはChu-Zが初めてです、ってことは強調しておきたいなと(笑)。
──楽曲もまさにEDMがベースになっていますね。そこはやはり世界の流行りを意識して?
YOHEYそうですね。ただ楽曲は世界水準でも、日本で活動する以上は歌詞の力も大事なので、どの曲も内容の詰まった歌詞になるように意識しています。
あすかChu-Zって6人とも、一度夢を諦めた経験があるんですよ。私も高校時代から芸能界にいるんですが、なかなかうまくいかなかった。自分にアイドルの素質があるかどうかわからないけど、一人でやってきてダメだったんだから、グループだったら何かが変わるかもしれないって思ってオーディションを受けたんですね。そういう挫折とか、もう一度頑張ってみようという気持ちとか、自分たちの経験と重ね合わせて歌えるChu-Zの歌詞が私は大好きだし、聴いてくれる人にも響くんじゃないかなと思ってます。
──日本武道館でソロライブをやることを目標に掲げているChu-Zですが、その先にはやはり海外を視野に入れているんですか?
YOHEY海外を目指すというよりは、結果的に海外に行くと思いますね。もちろんまだまだ時間はかかるでしょうけど、楽曲もパフォーマンスも世界水準のクオリティでやっていきたいと思っていますから。作家も一流の人たちにお願いしていますし、そこには絶対的な自信があります。何よりメンバーみんな素直でええ子たちなんで、応援してくれるブレーンも増えてますし……僕もいろんなタレントに関わってきましたけど、結局売れてる人に共通するのって裏方の人間に「この子らに手を貸したい」と思わせる人間性なんですよね。
麻衣愛私もメンバー間の空気感の良さは、どのアイドルグループにも負けないと思っています。6人という人数もちょうどいいんですよね。人数が多ければ派閥もできるし、少ないとそれはそれでいろいろあって。やっぱり空気感ってステージにも出るし、人にも伝わるじゃないですか。私は一応リーダーなので、そこは当初から大事にしたいと思ってやってきました。
──今の日本のアイドルはどこか“未完成”な部分が求められていますよね。逆にK-POPはデビューの段階から完璧に作り上げられたものを出してくる。Chu-Zはどちら寄りなんですか?
YOHEY僕はアイドルっていい意味で完成されたらダメだと思うんですよ。どんだけクオリティが高くても、「この子ら、もっと上に行けるんちゃうか」とユーザーに思わせ続けるものがないと。だからChu-Zも、常に完成を求めて進化していくグループであって欲しいと思っています。
KAEDEChu-Zはいろんなタイプの曲をやってるけど、「これがChu-Zっぽい」っていうところで固まっちゃうのは面白くないと思ってるんです。いい意味で先が想像できないような、「Chu-Z、この次はなにやるの!?」と楽しみになるような活動をずっと続けていきたいです。
(文/児玉澄子)
Chu-Z「ボンバスティック!」
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