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「らしさ」の呪いが制作の原点 ―― 7周年広告に宿した『7ORDERの哲学』

 2026年5月18日〜24日までの7日間、渋谷駅に現れた「君の一番目のファンより。」という巨大な看板。そこには、夢を目指す息子に向けた"親からの手紙"と幼少期の写真たちが掲載されていた。多くの歩行者が足を止め、じっと見入ったこの看板――正体は、7ORDERが精力を注いで放った7周年記念の自社広告。記念広告でありながら、なぜ自分たちの姿を出すことも、グループのロゴを前面に掲げることもなく、言葉だけで勝負したのか。その根底には、セルフプロデュースならではのクリエイティブ哲学と、7ORDERという特殊な成り立ちゆえにかけられたとある〈呪い〉が秘められていた。リーダーであり、7ORDERが所属する株式会社L&L’sの社長も務める安井謙太郎氏と、本広告のクリエイティブプロデューサーであるM氏。当事者の2人が、この広告の裏側に込めた真意を語る。

渋谷の「道玄坂ハッピーボード」に掲出されていた7周年広告 (C)株式会社L&L’s

渋谷の「道玄坂ハッピーボード」に掲出されていた7周年広告 (C)株式会社L&L’s

「広告掲出をやりたい」 7周年の節目を彩る自社広告の始動

安井謙太郎(以下:安井):もともと「7周年の節目に広告を出す」というのは、自分のなかで決めていたことでした。しかし、いざ動きはじめてみると、当初考えていた企画が上手く形にならなくて。再びゼロベースで考えなおしているときに、クリエイターチームから上がってきたのが『親子の絆』というテーマだったんです。普段から社内で企画を立ち上げるときは、最近見て良かったものの情報などをみんなでシェアして、自分たちのアイデアと結びつけていくことが多く、今回も、とあるシャンプーの広告を見たクリエイティブプロデューサー・Mの「『親子』ってキーワードいいかもね」という一言がきっかけになりました。とはいえ、家族に関するテーマは極めてパーソナルなもの。個人的な『親子の絆』の物語を、どのように“大衆向けのメッセージ”へ昇華させるかについて、チームで深く考えていきました。

マーケティングを考慮しない、 自社広告ならではの〈純粋性〉を駆使した描き出し

クリエイティブプロデューサー・M(以下、M氏):通常、広告と呼ばれるものの大半は「何かを売りたい」「広く認知させたい」という目的があって出稿されるものです。しかし今回は、完全に自分たちの会社から出す自社広告。だからこそ、7ORDERが大切にしている「普通じゃないことをする」という哲学を第一にプランニングしました。本来であれば、ツアーやアルバムの宣伝を大きく載せるところですが、今回はそういった要素をあえてすべて排除しています。『親子の絆』というパーソナルなテーマを描くにあたり、メッセージの〈純粋性〉を高める必要があると考えたんです。宣伝をなくすことで、「君の一番目のファンより。」という言葉に重なるノイズを極限まで削ぎ落としたかったんですよね。デザイン面でも"嘘のない〈純粋性〉"を意識していて、たとえば看板に掲載した「親からメンバーに向けた直筆の手紙」も、原寸大より少しだけ大きくしたリアルなサイズ感で載せています。通りすがりの人に見やすいよう文字を大きくしてしまえば、そこに嘘が生まれてしまう。手紙というものは本来、"たった一人"に宛てて書かれるものなのだから、世の中のみんなが読む必要はない――そんな考えをデザインにも反映していきました。「まずは本人たちが目にしたときに、一番感動するものを」と思いながら作った広告でしたが、結果として多くの方に届いてくれて嬉しかったです。「〈想い〉を尖らせるほど、世の中に広がっていく」ということを学ばせてもらいました。

7周年広告に掲げたメッセージ「君の一番目のファンより。」 (C)株式会社L&L’s

7周年広告に掲げたメッセージ「君の一番目のファンより。」 (C)株式会社L&L’s

類を見ない広告ゆえの不安 発信した先でしかわからない“反応の天秤”

安井:「僕たちらしい広告になる」という自信の一方で、「ファンの方たちが寂しくならないか」という不安もずっと抱いていました。7周年の広告にしては、世の中やパーソナルな関係(親子)に向けた重心が大きすぎるんじゃないか、と。でもいざ掲出がはじまってみたら、ファンの皆さんがまるで自分ごとのように感動してくださって、本当に安心しました。それだけでなく、7ORDERを知らない方々の目にも留まっていることをSNSを通じて知って。制作段階から掲げていた「僕らのことを知らない人にも刺さる広告にしよう」という狙いが叶えられたことも、個人的には嬉しかったです。

M氏:正直、僕も内心はめちゃくちゃ不安でしたよ。「メンバーだけが感動して、まったく話題にならなかったらどうしよう」って(笑)。でも、想像以上にいろんな方に届いてくれて驚きました。7ORDERを知らない方がわざわざ足を止めて、広告の文字を読んでくれる。これだけ広告で溢れかえっている時代に、それってなかなかないことなんですよ。「メンバーを感動させる」という目標と、「多くの方に届けたい」という願い??その2つがきちんと両立できて良かったなと思います。ただ、やっぱり一番嬉しかったのは、親御さんからの手紙を受け取ったメンバーの反応に立ち会えたことですね。「一番伝えるべき人に、ちゃんと感動を届けられたな」と。

人から人へ繋がっていく“広告のバトン” ゴールを飾るのは受け取る「あなた」

安井:個人的に、最近は広告に限らず、発信したものが良くも悪くも“考察”される時代だと思っていて。今回の広告も、受け取ってくれた方が僕らの言葉にさらなる意味をもたせてくれたおかげで、ここまで広がっていったのだと感じています。ライブのMCなどでも同じようなことがよくあって、僕が何気なく放った言葉をファンの方がいい意味で拡大解釈してくれたり、可能性を広げてくれたりするんです。時には僕自身すら覚えていないような発言まで、皆さんが大切に持っていてくれることも。だからこそ、ずっと7ORDERを応援してくださっている方には、通りすがりの方とはまた違った、この広告ならではの解釈が生まれているのだろうと思います。「過去にあの話をしていた人がこの言葉を発信している。ということは、こういうメッセージも含まれているのかもしれない」と、僕ら作り手以上の可能性を、受け手が言葉に吹き込んでくれているんじゃないかな、と。ある意味、広告の最終形態とは、作り手と受け手の〈共作〉によって完結するものなのかもしれません。

渋谷の「道玄坂ハッピーボード」に掲出されていた7周年広告 (C)株式会社L&L’s

渋谷の「道玄坂ハッピーボード」に掲出されていた7周年広告 (C)株式会社L&L’s

7ORDER らしい言葉は、 クリエイターとの“ファーストテイク”で生まれている

M氏:今回の「君の一番目のファンより。」というコピーはクリエイティブチームみんなで作り上げたものですが、普段のクリエイティブでは、メンバーから最初にもらったテキストのたたき台を可能な限りそのまま世に出すことを心掛けています。というのも、7ORDER は全員がクリエイター気質なので、一度フィードバックを戻してしまうとめちゃくちゃ作り込みはじめてしまうんですよ(笑)。そうしてリライトしているうちに、最初に出ていたはずの“生の言葉の温度感”が、どんどん薄れていってしまうかもしれない。せっかく魅力的な言葉を生み出す人たちなのに、それじゃあもったいないじゃないですか。だからこそ、僕らクリエイティブサイドは「彼らの〈本心〉が宿っているファーストテイクの言葉を、いかに鮮度を落とさずに受け取るか」を一番に意識して制作に向き合っています。

「君の一番目のファンより。」 ――コピーに込められたそれぞれの想い

安井:今回の広告ではメンバーの親御さんから手紙をもらいましたが、それはある意味、企画の意図をわかりやすく可視化するためのフックでもあって。親に限らずとも、誰にだって人生における「一番目のファン」が存在すると思ったんです。それは親かもしれないし、友達かもしれない。昔からずっと縁が続いている人かもしれないし、月に1回ふと連絡をくれる人かもしれない。普段の生活のなかで見過ごしてしまいがちな"支えてくれる人"の存在を思い出すことで、日々孤独に戦っている人たちの気持ちが少しでも軽くなったり、安心できたりしたらいいな――。作りながらそんな想いが湧いてきて、僕自身、自分たちの活動の意義を再確認することができました。

M氏:安井が言うように、皆さんの「一番目のファン」を思い出してもらえたら、という気持ちで作っていました。自分の可能性を最初に信じてくれた人って、人生においてとても大切なはずなのに、慌ただしく生きているとどうしても忘れてしまいがちじゃないですか。でも、そういう存在が確かにいること、あるいは過去にいてくれたことを思い出すだけで、もう一度前を向く気力が湧いたり、安心したりできるかもしれない。あの広告を目にした方が、少しでもそんなやさしい気持ちになってくれたら――。それが、僕ら作り手側の共通した願いです。

リーダーであり、7ORDERが所属する株式会社L&L’sの社長も務める安井謙太郎氏のメッセージ (C)株式会社L&L’s

リーダーであり、7ORDERが所属する株式会社L&L’sの社長も務める安井謙太郎氏のメッセージ (C)株式会社L&L’s

手書きの臨場感が物語る、 世界に一つの〈親子の絆〉

M氏:親御さんに手紙を依頼することが決まった段階で、クリエイティブチームとしては“手書き”以外の選択肢は考えていませんでした。個人的な感覚として、言葉がデジタルな“フォント”に変換された瞬間に、大切なニュアンスが削ぎ落されてしまう気がして。文字が整えられることで、そこに宿るはずだった〈感情〉が置き去りにされてしまうのが嫌だったんです。実際に完成した広告を見て、メンバーの一人が「文字を見ただけで自分の親ってわかる」と言ってくれたとき、やっぱり手書きにしてよかったと思いました。「これこそが、このパーソナルな広告を象徴する言葉だな」と、いまでも強く印象に残っています。

安井:手書きだったおかげで、手紙一枚からメンバーそれぞれの『親子の絆』がリアルに伝わってきて、本当に素敵でした。実は、僕の母の手紙だけ唯一縦書きだったんですよ(笑)。それがすごく母らしくて、思わず笑ってしまいました。僕自身、ここ2〜3年で手書きの良さに気づかされた身でもあるので、今回の企画は純粋に嬉しかったです。

「僕ららしく、他と違うことをしなければ」 その〈呪い〉が制作のエッセンス

安井:7ORDER は特殊な成り立ちでできたグループだからか、常に「他とは違う、僕らだけの表現をしなければ」という一種の〈呪い〉のようなものにかけられているんです。もし僕たちが、普段から当たり前のようにテレビに出演したり、アルバムをリリースするたびに大々的な広告を出したりできる環境であれば、そんなふうには思わなかったかもしれません。僕らの場合、こうした広告を出す機会は「一世一代の大きなお買い物!」という感覚に近くて。だからこそ、投じる言葉の一つひとつに「7ORDER ならでは」を色濃く反映させたいんですよね。世の中と交われる場が圧倒的に少ない分、限られた貴重な瞬間でどれだけメッセージを届けられるかが勝負になる。今回「この広告の前にいるあなた」と語りかけるような書き出しを加えたのも、そんな想いからでした。僕らが自分にかけている「他と同じじゃダメだ」という〈呪い〉。それは時に苦しくもあるけれど、〈呪い〉があるから生み出せるものがあって、〈呪い〉があったから足を止めてくれた “あなた”がいる。それに気づけたいまは、〈呪い〉も結構良いものなんじゃないかな、なんて思ったりしています。

(インタビュー・記事:満斗りょう)

7ORDER

7ORDER

■楽曲情報
7ORDER「Miracle」
2026年6月7日(日) 配信リリース

再生・ダウンロードはこちら
https://linkco.re/V218uEAA(外部サイト)

MVはこちら
https://youtu.be/JVzPzv8IuSo(外部サイト)

■アルバム情報
7ORDER『ROMAN』
2026年3月15日発売

<収録内容>
1. ルール
2. Love u Lucky me
3. 町中華キメたいな
4. 星とランデブー
5. Christmas Music
6. Iihito
7. アソビタリナイナ
8. TRUE SPARK
9. いつか
10. エール
11. 幸せにバンザイ

<販売形態>
[通常盤] SORC-1012 / ¥3,300(税込)
[初回限定盤] SORZ-1013 / ¥4,950(税込)
レーベル:7ORDER RECORDS


■イベント情報
Lucky’s club party

日時:2026年7月21日(火)
会場:Zepp Diver City
<1公演目>
開場 14:30 / 開演 15:30

<2公演目>
開場 18:00 / 開演 19:00


【チケット料金】
指定席 8,500円(税込)
※入場時に別途ドリンク代が必要となります。


【チケット販売スケジュール】
Lucky’s club先行(抽選)
受付期間:2026年6月11日(木)12:00 〜 6月28日(日)23:59

▼お申し込みはこちら
https://7order-luckysclub.com/tickets/all/pages/1(外部サイト)


■ツアー情報
7ORDER LIVE TOUR 2026 ROMAN

【公演スケジュール】
日時:2026年6月14日(日)
会場:新潟・NIIGATA LOTS
開場 17:00 / 開演 18:00

日時:2026年6月20日(土)
会場:兵庫・チキンジョージ
開場 17:15 / 開演 18:00

日時:2026年6月21日(日)
会場:大阪・GORILLA HALL OSAKA
開場 17:00 / 開演 18:00

<追加公演>
日時:2026年6月22日(月)
会場:大阪・BIGCAT
開場 18:15 / 開演 19:00

日時:2026年6月27日(土)
会場:北海道・ペニーレーン24
開場 17:15 / 開演 18:00

日時:2026年6月28日(日)
会場:北海道・ペニーレーン24
開場 14:15 / 開演 15:00

スタンディング:¥6,500 (税込)
※別途ドリンク代必要 (新潟公演を除く)


■7ORDER プロフィール
2019年5月始動。歌を歌い、楽器を奏で、ダンスを踊り、よく喋り、時には暴れ、2026年5月22日に7周年を迎える5人組。
皆んなで抜けたり誰かに抜けられたりしながら、境界線を壊して飛び越えてきた。
ゆえに今「7」は、頭数を示す数字ではない。
バンドと呼ぶには踊りすぎているし、ダンスグループと呼ぶには演奏しすぎている、人生丸ごとエンタメ団体。

安井謙太郎(Vocal)真田佑馬(Guitar, Vocal)諸星翔希(Sax, Vocal)萩谷慧悟(Drums, Vocal)長妻怜央(Keyboards, Vocal)

X :https://twitter.com/7order_official(外部サイト)
Instagram :https://www.instagram.com/7order_official(外部サイト)
TikTok :https://www.tiktok.com/@7order_official(外部サイト)
YouTube :https://www.youtube.com/@7ORDER(外部サイト)
OFFICIAL FANCLUB「Lucky’s club」:https://7order-luckysclub.com(外部サイト)
OFFICIAL APP「ORDERMATE」:https://7order-ordermate-app.jp/lp(外部サイト)
OFFICIAL STORE :https://7order.official-ec.store(外部サイト)
WEBSITE :https://7order-official.com(外部サイト)

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