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VAMPS『ルーツは80年代音楽、いま聴いても名曲が多い!』

昨年9月にベストアルバム『SEX BLOOD ROCKN’ROLL』で世界デビューを果たしたVAMPS。海外デビューを果たし、ライブに対する入り込み方が変化したことで、よりハッピーな心持ちでライブに向き合えるようになったという彼ら。「AHEAD/REPLAY」から約1年ぶりのリリースとなる、移籍後第2弾となる初のシングルは、夜の世界と昼の世界を描いたという対照的な2作に仕上がった。

普段は音楽聴かない……80年代の人間と実感!?

――VAMPSはヘヴィな曲で盛り上がってる印象があるんですが、ご自身的には、プライベートで音楽を聴かれるときは、どういう曲調が好きだったりしますか?
K.A.Z重めな方が好きかな。でも、昼間から重めなやつはちょっとって感じもするから、聴く時間帯にもよるのかもな。
HYDE僕はね、普段は音楽聴かないから。

――え!?まったくです?
HYDEうん。最近は特に聴かないかなぁ。歳取るとあんまり積極的に音楽って聴かなくない?
K.A.Zあはははは。
HYDEそうじゃない?まさにそれですよ(笑)。お父さんとかお母さんが、“ねぇねぇ、五木ひろしの新譜聴いた?”って言わないでしょ。でも、若い子の会話ってそんなんでしょ?

――たしかに(笑)。職業柄いっぱい新譜を聴くので、まだそういう会話が日常なんですけど、たしかに、プライベートでは……(笑)。だいたい昔の曲聴いてたりしますね。
HYDEあ、そうかも!聴くときは80s(エイティーズ)!そういえば、この前ね、“夏の曲で思い浮かぶ曲って何ですか?”って聞かれて、OXOってバンドの曲がずっと頭の中で鳴ってて。改めて、“あっ俺はやっぱり80年代の人間なんやなぁ〜”って思いましたよ(笑)。

――80年代っていっぱいいろんな新しいモノが生まれていた時代でもあるし、やっぱりあの頃の音楽は今聴いてもいいですからね。昔、よく自分だけのロックバラード集とかをカセットテープで作ってましたからね。おふたりにとって、“ベストバラード曲”は何だったりします?
HYDE僕、ジャーニーが大好きやったんですよ。ジャーニーのバラードって全部いいなぁっと思ってて。未だにええなぁって思いますね。
K.A.Z僕はシンディ・ローパーの「トゥルー・カラーズ」なんかも好きですね。ちょっと寂しげな感じが好きだな。

――やはりその時代の曲ですね。でも、意外でした。モトリー・クルーの「ホーム・スウィート・ホーム」とか「ユア・オール・アイ・ニード」、ガンズ・アンド・ローゼズ「ドント・クライ」、スコーピオンズの「スティル・ラビング・ユー」あたりがくるのかと。
HYDEあぁ〜なるほどね。でも、そのへんも好きだけどね。けど、知ってる?「ホーム・スウィート・ホーム」を歌っていた頃、モトリー・クルーのバンド内の関係性って最悪だったんだって。モトリー・クルーの自伝に書いてあるんだけど、あんなに和やかなミュージックビデオなのに、あの景色からは想像できない内情だったって。吐き気がするくらい赤裸々に描かれているんだよね。当時、ヴィンス(モトリー・クルーのボーカリスト)が交通事故を起こして友人を死なせてしまって。

――ラズルですね(ハノイ・ロックスのドラマー)。
HYDEそう。それもあって、バンド内が1対3だったんだって。そんな状況のなかであの柔らかなバラード曲が生まれていたかと思うと、なんかいろいろと考えさせられるところがあるよね。


――そうですね。でも、インタビューをしていると、そういう話しをよく聞くんですよ。すごく明るい前向きな印象の楽曲が、“もう音楽を辞めようと思っていたときにできた曲”だったりとか。聴き手側の印象だと、辛いことがあったときには暗い曲、前向きな気持ちのときはアッパーな曲が生まれてきそうに思うんですけど、作り手側はまた違うんですか?
HYDEいろんなタイプの人がいると思うけど、僕は関係ないかな。
K.A.Z僕も関係ないかな。例えば、アルバムを出すとしたら、重めの曲ばっかりに偏ってるなと思ったら、そこに明るめな曲を入れようと思って、敢えて明るい曲を作ろうとするしね。
HYDEでもね、気持ちがおちてるときに明るい曲を作る人の気持ちはわからなくもない。例えば、ダークなときに、ダークな曲を作ってダークな歌詞を書くと、その曲が可哀相な気がするんだよね。だって、曲ってそのときだけじゃなく、ずっと歌っていくじゃない?だから、そこにわざわざ嫌な気持ちを残さなくてもって思って、前向きな歌詞を書いたことがあるから。

――なるほど。そういう想いがあるんですね。あと、すごくお聞きしたかったことが。ロックバンドのバラードは、よりバンドの深さを感じさせるモノでもあり、VAMPSの「SWEET DREAMS」もその位置にあると思うのですが、最近バラードって作られてますか?(※インタビューは「VAMPIRE’S LOVE」リリース発表前)
HYDEまさに!次にリリースするシングルがバラードですよ!本当はね、この夏のタイミングで出そうと思ってたんですよ。でも、8月23日、24日に『BEAST PARTY』も控えてるし、野外ライブ前にバラードはないかっつって、やめたんです。つって(笑)。


――“つって”って……。HYDEさん……古いです。
HYDEんふっ。
K.A.Zあははは。
HYDE夏にバラードってあんまりかなぁって。やっぱバラードって、秋なんじゃね?っつって(笑)。

――HYDEさん……。
HYDEんふっ。
K.A.Zあははは。
HYDEそしたら、映画『ドラキュラ ZERO』のタイアップが決まったっていうので、じゃぁそっちで!ってことになったんですよ。イメージ的にピッタリだったこともあって、今回はライブ向きな「GET AWAY」と「THE JOLLY ROGER」を選んだんです。作りながらも、自分のなかに、“夏のライブ前にバラードを出す”ということに疑問があったんで、ずっと引っかかってたんですけど、『ドラキュラ ZERO』のタイアップのおかげで、すごく綺麗な流れができたというか、そこにピッタリハマった流れになったんですよね。完璧な流れになったと思ってます。

80年代のニューウェーヴから受けた影響ってすごくデカイ

――『BEAST PARTY』ももうすぐですね!昨年は山梨・山中湖、2012年は愛知・蒲郡でしたが、VAMPSにとって夏の野外ライブは特別なモノですか?
HYDEそう。楽しいでしょ。“夏休み!”って感じを思いっきり体感できるというか。
K.A.Zそうだね。恒例というか。そこをやらないと夏が越せないっていう感覚になってきましたね。

――余談なんですけど、蒲郡地元なんですよ。あそこであんなパーティーなライブが観れるとは思ってなかったです!バギーでの登場も日本じゃないみたいで。あの蒲郡が………っていう(笑)。もうちょっと青い海だったら良かったんですけどね。
HYDE地元だけに余計にそう思うよね(笑)。でも僕、毎日泳いでましたよ、あそこの海で(笑)。でも、バギーでの登場は楽しかったですね。
K.A.Zあれは楽しかったね。海の真ん前にステージがあったから、すごく夏を感じたライブでもあったしね。
HYDEこれからもいろんな場所で、夏ならではのライブができたらいいなって思ってますね。

――VAMPS結成から6年。世界デビューも果たした今、結成当初とはまた違った夢が出てきたり、ふたりの関係性に変化が出てきたりというのはありますか?
HYDE基本阿吽の呼吸になってきたかな。特に何も言わないもんね。
K.A.Z年月にしても、“え?もうそんなに経ったんだ!”って感じがあるかな。ソロの頃も入れたら付き合いはもっと長いからね。音楽に対する嗅覚っていうのが似てるしね。
HYDEうん。さっきも話しのなかに出てきたけど、80年代のニューウェーヴから受けた影響ってすごくデカイ気がするよね。
K.A.Zそうなんだよね。その頃に影響を受けたモノって、今にすごく反映されていると思うしね。
HYDEそうだね。その頃の歌詞が大きな影響を与えてくれてるっていうのはないけど、楽曲に関しては、その頃の影響がすごく大きく出てると思いますね。

――今の子たちにはそれがすごく新鮮なんでしょうし、そこの焼き直しという訳ではなく、いろんなことを吸収してきたおふたりの感覚がそこに融合されてVAMPSの音が生まれているわけですからね。
K.A.Zそうだね。そこが面白いところだし、そここそが個性だと思うからね。
HYDEVAMPSの音を聴いてくれた人たちが、そこからまた、いろんなモノを感じ取ってくれたら嬉しいなと思いますね。
(文:武市尚子/撮り下ろし写真:山内洋枝)

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