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(更新: ORICON NEWS

コロッケ『僕のモノマネは“妄想”の割合が高い』

モノマネ界の“リヴィングレジェンド”として、今なお第一線で輝きを放ち続けるコロッケが著書『マネる技術』を出版。モノマネに対する姿勢や、ジャンルの底上げに尽力してきた氏の熱い想いを感じ取れ!!

ただ似てるだけならご本人の歌を聴いたほうがよっぽどいい

――数多くいるモノマネ師の中で、コロッケさんがなぜ抜きん出た存在なのか? を考えたとき、いわゆる“歌マネ”が上位観念として存在していた中で、歌が似ていることがモノマネ師として最大の功績という考え方をコロッケさんが破壊したんです。これは凄く大きかったと思います。もしコロッケさんがいなかったら「あぁ似てるね。上手いね」だけで終わっていた。
コロッケハハハハ! そんな大層なことはしてないんですけどね(笑)。凄く矛盾するかも知れないんですけど、モノマネをする際、別に似ている必要がなくてもいいと思っているんです。極論すれば、ただ似てるだけならご本人の歌を聴いたほうがよっぽどいいですから。

――そうなんですよね。そこだけではオリジナルには勝てるワケないですよね。
コロッケ2、3回観ればどうしても飽きられてします。例えば、青木隆治みたいなイケメンが歌えばその場も持ちますけど、他のモノマネ芸人は持ちません(笑)。青木隆治という子が出てきて、僕らも「あぁ、そういうこともあるんだぁ」ってビックリしたんですよ。つまり、見ていられる容姿を持っていれば“正統派”というのもあり得るんだということです。


――間が持つと。そもそもモノマネ師に“正統派”はないという事ですもんね。だったらオリジナルを観た方がいいという考え方では。
コロッケそうです。見てられない人、場が持たない人が“正統派”をやる時ほどツラいものはない。まぁ、僕自身のことなんですけど(笑)。ですから僕は3割似てればいいという答えになったんです。例えば、松山千春さんをマネる時に、「愛するこ〜と〜に〜」、ここまではしっかりやります。「疲れ〜た〜み〜たいぃ〜〜プウゥ!!」。

――ワハハハハ!
コロッケこの「プウゥ!!」が何なのか、僕も分からないんですけど(笑)。実際にやらないんですけど、僕の中で千春さんはやるなって思っちゃったんですね。

――コロッケさんにとって、本質がその「プウゥ!!」なんですよね。
コロッケそうそう!! 結局、「プウゥ!!」をやりたいための前置きなんですよね(笑)。瀬川(瑛子)さんなら「モ〜〜」って牛の鳴き声をやりたいがためにモノマネをしているんでしょうね。

――そこがコロッケさんの存在意義でありアイデンティティだと。
コロッケそうですね。ただ“ご本人”にとして、とてつもなく不快な思いをされてる方もいると思うので(笑)。

東方神起を見てると僕の顔が出てきちゃうってクレームが(笑)

――いや〜今はそんな憤慨する“ご本人”の方もいないですよ〜。たぶん(笑)。
コロッケ確かにモノマネ四天王が脚光を浴びたときに、モノマネという地位が格段に上がったことは事実なんです。ですから、“ご本人”も「しょうがないなぁ」って思ってくれたと思います。実はこの「しょうがないなぁ」っていう流れは、今も続いているんですよ。僕も時代が進むごとに興味を持つ歌手の幅が広がってますから、若いファンの方からもお叱りを受けますし(笑)。

――あぁ〜! 現在人気の高いアーティストをマネる際にってことですね。
コロッケ例えば、東方神起の「どうして君を好きになってしまったんだろう?」という曲を「どうして顔がデカくなってしまったんだろう?」って歌ってたらファンの方から「誰のこと言ってるの!?」って言われまして。イヤイヤ! 自虐的に自分のことを言ってるだけなのに(笑)。

――間違った解釈をしちゃう(笑)。
コロッケそう! あと、ファンの方でも想像力豊かな方だと、あの歌を聴けなくなってしまうそうなんです。東方神起が歌う時でもサブリミナル効果じゃないですけど、僕の顔が出てきてしまい邪魔でしょうがないらしいんです(笑)。

――でも、相乗効果としてコロッケさんがモノマネしたことで幅広く脚光を浴びるということがこれまでにも数多くありましたから。
コロッケあぁ〜。僕のちあきなおみさんのモノマネをみて興味を持った若い方が実際にちあきさんのファンになったり、五木ロボしか知らない若い方が実際に五木さんの歌を聴いて好きなったという手紙を頂くと、「あぁ〜モノマネやってきてよかったなぁ」って思いますね。僕の五木ロボを見て五木さんのファンになった子の手紙の最後には「因みに、五木さんはロボットではなかったです」って(笑)。

――アハハハハ! そりゃそうだ(笑)。
コロッケ分かってるよって(笑)。でも、『マネる技術』という観点からいうと、五木ロボも実はかなり進化しているんですよ。最初の頃は普通の“実写”のロボットだったんですけど、今はモーションキャプチャーやCGの“揺らぎ”を取り入れているんです。これは他のネタも言えることで、志村けんさんや田中邦衛さんをやるのでも今と昔で全然違います。むしろ、ずっと一緒だったらモノマネとしてはアウトだと思います。

――進化しないワケがないと。
コロッケそうです。ご本人がキャリアを重ねて変化しているんですから。モノマネ芸人が止まる必要性はない。その時代が好きという嗜好もあると思いますけど、“その時代”が好きなら“今の時代”もキッチリやらなくてはいけないと思う。武田鉄矢さんの金八先生でも昔は「コラ!!」って声を張り上げてたんです。でも、最近の金八先生は「コラ……」って冷静に低音で叱るんです。

――うわぁ〜。金八先生の教育者としての成熟度が増していくのが一言の台詞だけでも分かりますね!
コロッケそうなんです。この変化をキチンと出来ないと本当の意味でリスペクトに値しないと個人的には思っています。あまりこういうことはテレビでは言いませんけどね(笑)。

――『マネる技術』ではそういった、コロッケさんの哲学が記されていますね。
コロッケ大事なことは押し付けないこと。僕がいつも思っているのは「相手が1番、自分が2番」。常に相手にリスぺクトを持って臨むことで良い関係が結べるし、自分にとっても凄くプラスになる。つまり空気がよどまないんですね。これはなにも僕だけじゃなく、多くの方の実生活にも共通すると思います。

⇒ 最初のページ【全ては“マネ”から始まる】

『マネる技術』(講談社+α新書) 発売中

現在もモノマネ芸人として第一線で活躍するコロッケが、独自の創造を行うまでの秘密、また、常に第一線で居続けるための秘訣を初めて明かす。一流の表現者の創造の秘密を知る面白さと、自分自身にも生かされる金言が詰まった1冊。


『コロッケものまねエンターテイメント2014』
2014年7月21日(月)
神奈川県 相模女子大学グリーンホール
@開演13:30〜A開演17:00〜料金: \5,800(全席指定)
【公式サイト】

関連リンク

≪Interview1≫全ては“マネ”から始まる
≪Interview2≫記憶の片隅に残る笑い
≪Interview3≫モノマネも日々進化しないと意味がない!

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