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ORICON NEWS
連載開始から36年、100巻突破『キャプテン翼』作者・高橋陽一「翼がくれた世界への感謝」
”キャプ翼”作者は、野球漫画大好き少年だった
子供の頃から絵を描くのが好きで、漫画を読むのも好きだったので、ごく自然に “漫画家”という仕事を選びました。『巨人の星』(梶原一騎)、『あしたのジョー』(ちばてつや)、手塚治虫先生の作品とか、ジャンル問わず漫画全体が好きな少年でした。特に『巨人の星』は子供のころから野球が好きだったから、ボロボロになるまで読んでいました。キャラクターが好きというよりは、“野球漫画である”ということが僕にとっての魅力でしたね。その後も『ドカベン』(水島新司)も熟読しました」
野球漫画大好き少年だった高橋陽一氏がサッカー漫画を描くきっかけとなったのが、1978 年にアルゼンチンで開催されたFIFAワールドカップだったという。
「高校3年生の時にアルゼンチンのワールドカップを見て初めて、?サッカーって面白い”と思って、そこから興味を持ったんですね。当時はインターネットもなくて、サッカーメディアも少なかった。サッカー雑誌をむさぼるように読んでいました。バックナンバーも探してね。当時のワールドサッカーシーンは雑誌で少しずつ知識をつけていきました。漫画を描く前の状態でも、スポーツは好きでしたから、ペレは大好きな選手でした。アルゼンチンワールドカップではマリオ・ケンペス(大会MVP)、その後はマラドーナが出てきたりとか、当時はすごいなと思って楽しみに見ていました。サッカーの醍醐味はゴールシーンですよね。そこに至る過程を含めて好きですね」
『キャプテン翼』に込めた作家の”夢”「途方もない夢に向かって頑張ることのすばらしさ」
(C)高橋陽一/集英社
「『キャプテン翼』という作品のテーマは“夢をもって頑張る”ということ。それをずっと描き続けてきました。大空翼の夢は“世界一のサッカー選手になること”であり、“日本をワールドカップで優勝させる”こと。その途方もない夢に向かって頑張る少年たちの姿を描きたかったんです。もう一つ伝えたかったことは、連載当時、日本のサッカーは盛んとは言えませんでしたし、プロリーグもなかったので…“この面白いスポーツを伝えたい”って思いはありましたね」
「影響を受けたと言ってくれるプロ選手がいますが、素直に嬉しいです。当時は今みたいにサッカー番組もなかったし、サッカー情報を自由に取れる時代じゃありませんでした。『翼』でサッカーを勉強した人とか、サッカーをしない人でも翼を読んで?サッカーってこういうものなんだ”って分かってもらえたりと、『キャプテン翼』はサッカーの素晴らしさを伝えるツールにはなれたのかな、少しは貢献できたのかなって嬉しく思います」