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(更新: ORICON NEWS

井浦新「大切なのは、思い立つ瞬間の純粋さ」

継続していくために、子どものような純粋な気持ちを大切にしている

若い頃に興味を持って長く続けてきたものが、結果として今の力になっているというが…続けたい想いがあってもなかなか行動に移せないこともあるのが大人。“続ける”うえで、大切にしていることは何か、もう一歩踏み込んで聞いてみると、子供のような一面が顔を出した。

「続けていくためには…“初期衝動”を大切にしています。一番最初に出てくるのが、その人の一番素直な感覚だと思うんです。役者の仕事でも、テストの演技が一番良くて本番で泣けなかったこともありました(笑)。でも、最初から全力でいたい。子どもって楽しいことがあると、まるで無限のエネルギーがあるかのごとく、いつまでも遊ぶでしょう。初期衝動はその感覚のこと。楽しそう、やってみたいという純粋な気持ちが、活動のエネルギーになります。その気持ちを大切にしてきたからこそ続けてこれたんじゃないかな」

子どものころの感覚や感性を大事にする。自分の直感を信じること。それは、原体験を通じて、自分が行きたい方向の本質を見失わないためには大切なことではないか。そうして若い頃から初期衝動を大切にしてきた。大事に“続けて”きた結果、今は「子どもがそのまま大人になってしまった」ような好奇心旺盛な体質になったと、井浦は笑う。

「好きな事ばかりだから、オンオフの感覚がないんです。エンジン3つ積んでいるくらいの気持ちですが、無理はしていません。ガソリンは無限にあります。仕事こそ最大の遊び。寝る間も惜しんでやりたいことばかりですから。大人の男性は、社会に出て大人になって家族を持って、家族のためにいろいろなことを諦めていく、という話をよく聞きます。やることよりも切り捨てることを選んでいるなら、そうなるのは当然です。ですが、環境が変わってもそれに順応して「続けて」いく“努力”ができるのが人間だと思うんです」

人間は想像することができる生き物。環境が変わったとしても、諦めて捨てることはない。今の環境でどうやったら続けていけるのかを考えていく。そこが面白さであり、大事なところだと井浦は考える。“違い”や“困難”を受け入れ、その中でいかに続けられるかを模索するのも、生きる楽しさのひとつと捉えているようだ。

違う世界に飛び込んだ時、探究心が深まっていく

「日々の生活でも人の数だけ人の形がある。自分の考えと違う人がいたら対立もするかもしれません。でも、自分とは異なる考えの人がいても面白い、いや、違うほうが面白いんです。そう思った時に、生きることへの欲求や探究が深まっていく。人間っておもしろいって思う」

この考えが日々の活動それぞれで生きている。今の井浦新が感じている“違い”の楽しさを聞いてみた。井浦は放送中のドラマ『コントレール〜罪と恋〜』に出演し、過失で人を殺めてしまい、その時のショックで声を失った青年・長部瞭司を熱演する。

「極端な設定ですね。でも、作家の大石静さんの書く世界は、設定は極端だけど日常は現実的なんです。非日常と日常の境目を感じさせず、当たり前の日常を感じさせるところが、面白いと感じます。リアリティというか…でもリアリティをぶっ壊せって思いでやっている。生っぽさは大切ですが、しっかり作った生っぽさを見せたい。長部は喋れないので繊細な芝居が求められます。映像の大きさとして、映画に比べてテレビでは繊細な芝居が伝わりづらい。目の動き、体の角度…細かい部分の表現が伝わりづらい。でもあえてそこに挑んでいます。スタッフさんともテレビのモニターでどこまで伝えられるのかを熱心に取り組んでいますね」

自分の言葉通り、最新作の現場でも「自分と役柄との違い」「技術的な問題」もプラスに変換し、やりがいと感じているようだ。

何歳になっても、人生は楽しめる

「大人になるほど、子供のような感覚を大事にしたい。大人になるほど純粋にならないといけないって思います。今は『目指せ60歳』がテーマです。60歳は解放が始まる段階だと思うんです。きっと60歳になったら、僕はもっと自由になれる気がする。そこに向けて経験を積み重ねています。今、意識して続けていることも、60歳までやっていければ無意識にやっていけそう。もっと上手になれると思っています。もちろん、その後も“修行”は続けます、永遠の修行ですね」。

まだまだ楽しいことはたくさんある、とうれしそうに語る姿が印象的だった。まずは飛び込むこと。そして、続けること。続けるためには、自分との違いや困難を楽しんでいくということ。

30代から何かを始めようと思っている男たちに伝えたい。最初から上手にできる人なんていない。すぐに結果が出ることなんてない。長い時間をかけて楽しんでいけば、結果的に自分の力になる。井浦新的に考えたら、35歳で始めれば、60歳まで25年もある。20年、30年と楽しむことができるのだ。何かを始めるのに年齢なんて関係ない。「始めたい」なら、飛び込んでみよう。今すぐ。

(取材・文/加藤由盛、写真/RYUGO SAITO、ヘアメイク/橋本孝裕[SHIMA])
『コントレール〜罪と恋〜』(NHK)
無差別殺人事件で夫を失った孤独な女・青木文(石田ゆり子)。絶望の淵で出会った運命的な恋の相手は、夫を殺した男・長部瞭司(井浦新)だった……。人生には、どんなに苦しい時でも、思いがけない出会いが訪れる。重い過去を背負った男女が惹かれ合い、人生の喜びと、そのはかなさを噛みしめて生きていく、大人のためのラブストーリー。
4/15(金)〜毎週金曜22時(全8回)
出演、石田ゆり子、井浦新、原田泰造ほか
【公式サイト】(外部サイト)


『HiGH & LOW Season2』(NTV)
4/23(土)〜毎週土曜深夜
【公式サイト】(外部サイト)
<編集後記>
取材は代々木上原の「ELNEST CREATIVE ACTIVITY」の実店舗「MIGHTRY」で行った。私服をリクエストしたところ、アウトドアスタイルで登場。シューズはアディダスのトレイル・ブースト。軽くてグリップ力もあって、アウトドアではもっぱらコレだとか。テレビで拝見するモードなイメージとのギャップが印象的だったが、いつもこんな感じですよ、と教えてくえた。愛用のカメラはペンタックスの「K-3」。相棒について聞いてみると「アジアを旅する企画があって、その時もずっと一緒だったんでボコボコなんです。ずっとリコーGRを使ってきたので、その流れで同社のペンタックスに落ち着きました」。語り口こそ物静かでしたが、今にもそのまま旅に出てしまいそうなアクティブさを感じた。

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