濡れたアスファルトを歩く
ひとりありふれた思い出の中
最後よりも最初を抱きしめてやれたらって
そんなことを想うんだ
乾いた街で暮らす
きっと雲ひとつもない生活が
君を優しくあたためていて
まるで違う未来にいるみたいだ
君にとって僕にとって
大切なものってなんだ
さめざめと思い出すんだ
足りないもの与え合えば
愛に生まれ変わるのだと
あの頃の恋が叫んでいる
「いつかさよならの意味もわかる」
期待通りの涙を流して
やけに背伸びした台詞だった
そんなこと言うなよって思った
いまだにさよならの意味は
分からないままなんだけど
振り返ってみれば見えなかったものが
待ち受けていた
君にとって僕にとって
大切なものって問いが
ぽつぽつ足下を濡らした
欠けたところ認め合えば
それだけで僕ら愛を生み出せた
いまなら分かるんだ
雨上がり待つことすら忘れて
ずぶ濡れの僕はブルー
きらきら光る雨粒君の目に似ていた
君にとって僕にとって
大切なものってなんだ
降りしきる雨に隠した
忘れたこと思い出すよ
始まりの僕らあどけない君を
いまも覚えているよ
片時雨雨雲は気まぐれ
街ですれ違うようなまぐれ
ばらばらと傘のビート
ばらばらになった僕らの日々よ
地固まった君の別れと
ぬかるんだままの僕の別れ
ほらまたあの頃の恋が雨になる雨が降る
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