福岡に本校を置く「音楽塾ヴォイス」。今でこそYUIや絢香を輩出したとして全国から生徒が集まる有名なスクールだが、その始まりは小さなワンルームマンションの一室だった。
「うるさいって追い出されて、今の場所に移りましたけどね (笑)。でも普通のマンションですよ。大阪から通ってた絢香も、 初めて来たときは『家やん!?』って驚いてましたから (笑)」(西尾)
当時を振り返ってそう笑う西尾さん。YUIの地べたに座って歌う独特なスタイルもこうした環境から生まれたのだという。
「当時のヴォイスには椅子がなくて、みんな座って受けてたんですよ。そのせいかYUIもあぐらをかかないと歌えないって言って、ソニーのオーディションでも困らされました(笑)」
入塾時のYUIは曲を作ったこともギターを弾いたこともない、ただ音楽が好きな一人の女の子だったという。
「僕は指導中に、本人には言わずにいろんなテストをするんですよ。この人にはギターが合うのかピアノなのか、シンガーソングライターなのか歌手なのか、将来像を見るために。そこで本人のスイッチが入ったら、指導方法も変える。そういうオーダーメードの指導なので、どうしても少人数制になっちゃうんですね」
そもそも西尾さんが「ヴォイス」を立ち上げたのは、挫折がきっかけだった。20代初頭にメジャーデビューしたがなかなかヒットが出ず、一時は音楽業界から完全に身を引いたという。
「僕自身は音楽の勉強ってぜんぜんしてこなかったんです。だけどメジャーは、そんなに甘くない。感性だけで生きていける世界じゃなかったんです」
そしてある縁から福岡の音楽学校で指導する側に。そこで後進を育てる喜びを知り、「ヴォイス」の設立となる。
「絢香もYUIもたしかに天賦の才能がありました。だけど勉強なしにはここまで来れなかったと思います。それは僕自身、身にしみてわかっている。また失敗経験があるからこそ、勉強すればなんとかなると信じたいんです」
その高い指導力が、音楽業界から厚く信頼される「音楽塾ヴォイス」。しかし西尾さんは“金の卵”の育成だけを目指しているのではないという。
「僕は一回離れた音楽に、育てる立場として改めて向き合えたことに喜びを感じています。だからもちろんプロで売れることを想定して指導しますが、勉強することで喜びと達成感が味わえることを伝えたいんです。音楽は一生モノのあなたの財産なんですよ、と」
現在東京校の塾生を募集中。応募の締切りは2月28日。応募の詳細は1月31日発売の『月刊デ☆ビュー』3月号、WEBデ☆ビュー、公式ページに掲載中。
■音楽塾ヴォイスとは
徹底した少人数制で、個々の特質や進行度に合わせた“オーダーメード”のレッスンを実践。厳しくも達成感のある、才能を引き出す独自のレッスンが業界からの信頼も厚い。3カ月に1回、メジャーレコード会社による校内オーディションを行なう。
■西尾芳彦プロフィール
作曲家、音楽プロデューサー。約4年かけて新旧・洋邦の名曲を徹底分析した「ヴォイス理論」をもとに、96年音楽塾ヴォイスを設立。絢香の楽曲をデビュー曲以来手掛けるほか、YUI、Soweluのプロデュースも手掛ける。この4月に指導にあたったシンガーソングライター「マリア」がユニバーサル・ミュージックからデビューを果たす。
■応募要項
【資格】シンガーコース、シンガーソングライターコース/12〜29歳の男女。クリエイターコース/12歳以上の男女。いずれも芸能プロダクション、音楽出版社、レコード会社などとの契約のない人に限る。【締切】2月28日(必着)■応募の詳細は公式ホームページへ
http://voice-tokyo.com/
■オーディションニュース満載『WEBデ☆ビュー』HP
http://www.deview.co.jp/
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2009/01/22