| 「TO LOVE YOU MORE」(95年)、『レッツ・トーク・アバウト・ラヴ』(97年)、『ザ・ベリー・ベスト』(99年)と3作のミリオンヒットを飛ばし、絶頂期にあった99年、最愛の夫の看病のために休業宣言したセリーヌ・ディオンが、10年ぶりとなるオリジナルアルバムをリリースする。39歳となった歌姫に、この長きにわたるブランクは影響するのか否か。 「今年最先端のプロデューサーを集め、21世紀版セリーヌ・ディオンとして復活します」 |
「ビルボードTOP10に入っているロックアーティストの半分を手がけているといっても過言ではない世界一のエンジニア、クリス・ロードアルジがミックスし、ミッシェル・ブランチ、シェリル・クロウ、アヴリル・ラヴィーンら今風の女性ソロ・ロックアーティストを手がけるプロデューサー陣が集まりました。バラード・シンガーから脱却し、時代とともに進化し続けるセリーヌを全面にアピールした新作です」 10年ぶりのオリジナルアルバムで仕掛けた邦楽的マーケティング プレスキットには“2億枚を売り上げた、地球上ナンバー1の歌姫、完全復活!”の文字が躍る。だが、この輝かしい実績をもってしても、オリジナルアルバムは10年ぶり、最後の来日は8年前というブランクには不安が残る。高田氏はその点を冷静に見極めていた。 「セリーヌはこの4年間、ラスベガスのシアターで年間160本以上のショーを行い、ソールドアウトし続けてきたのですが、私は邦楽を担当していたこともあって担当になるまでは知りませんでした。つまり、一般ユーザーと同じ目線で見ています。20代は“『タイタニック』の曲”しか知らないでしょうし、10代になると『タイタニック』さえ知らなくてもおかしくない」 それにもかかわらず、10年ぶりの新作で通常の洋楽マーケティングをしていたのでは成功するはずがない、という危機感を抱いた高田氏は、スポーツ紙やワイドショーで取り上げてもらうための前バズ作りとして「ソニーグループでしかできないこと」を考えた。邦楽の各部署やアーティストとの折衝を繰り返し、ソニーで最も売れているセリーヌと、ソニーの若手女性J-POPアーティストを結びつける『セリーヌ・ディオン・トリビュート』の発売にこぎつけると、8月1日にはセリーヌ復活とトリビュート・アルバム発売を大々的に発表した。それとほぼ時を同じくして、セリーヌと葉加瀬太郎が共演した95年の大ヒット曲「TO LOVE YOU MORE」(累積126万枚・最高位1位)が、パナソニック「ハンディカムSDハイビジョンムービー」のテレビCM(8月下旬〜10月上旬)に起用され、「12年前の歌にもかかわらず、着うたフルで2位に」なるといった好リアクション。存在感を再認識させる第一歩に成功した。 9月26日の『セリーヌ・ディオン・トリビュート』発売とともにラジオ・オンエアをスタートし、10月24日に先行シングル「テイキング・チャンセズ」を発売すると、10月31日には待望の来日公演(囲み参照)を発表。東京公演が日本テレビ開局55周年記念、大阪公演がよみうりテレビ開局50周年記念事業であることから、同31日は『ズームイン!! SUPER』から『NEWS ZERO』まで、日本テレビ系列で“セリーヌ・ディオン・ジャック”が行われる。翌11月1日からは55周年/50周年記念のTVスポットと、店着日の6日からはSJI社がアルバムのTVスポットを打つため、「日本テレビ系列の番組を見ていると、朝から晩まで“来日決定”と“ニューアルバム発売”のスポットが流れている状態」で『テイキング・チャンセズ』の発売日を迎えることになる。 その後も大型CMタイアップが決定しており、関連商品も続々と発売されることから、3月の来日公演までは怒涛のプロモーションが展開されるという。「邦楽部署での経験を活かした話題作りとTVマーケティングを重視しました。いろいろな目標がありますが、まずは今作で50万枚を目指します」と高田氏。邦楽的マーケティングでセリーヌ・ディオン復活なるか、期待を持って見守りたい。 |
2007/11/08



