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団塊の世代を中心としたシニア層の昨今の動き

 9月23日、「元気ですか! ようこそつま恋へ!」南こうせつの甲高い叫びから始まった31年ぶりの吉田拓郎かぐや姫のつま恋コンサート。このコンサートは今年を象徴する出来事として、一般新聞の一面でもとりあげられるほどの社会的関心事となった。このコンサートが大きな関心を呼んだのは、それが、こと音楽という範囲にとどまらず、昨今の団塊の世代を中心としたシニア層の動きを代表する実例となったからである(■つま恋コンサートの模様)。

 このコンサートに集まったのは、31年前に吉田拓郎やかぐや姫の音楽に大きな影響を受けた若者たち。つまり今の50〜60才の人たちが中心となっていた。団塊の世代が1947年から1949年生まれの人たちだと定義すると、このコンサートに集まったのは、まさにその世代が中心であったのだ。

 この日静岡県掛川市にあるつま恋に集まったのは3万人。その経済波及効果は20億とも30億ともいわれる。

 この例をみるまでもなく、今年は団塊世代のエンタテイメント消費の動きが活発に見え始めた1年だったといえよう。今、サラリーマンとしては定年を迎える彼らが自分たちが青春時代に影響を受けたカルチャーに再度ふれようとする、当時かなえられなかった夢に再挑戦しようとする、いずれも自然な流れだということができよう。

 近年マーチンやフェンダーといった高額のフォークギターやエレキギターが売れているという。これも中心となっている消費者は団塊世代だろう。青春時代には高くて手が出なかった憧れの名器も今なら手に入れることが可能、手に入れた楽器を持って再度当時の仲間とグループを結成するということになる。高額の楽器の売れ行きが好調というのも納得できる。最近、自分たちが演奏できるフォーク喫茶が多数生まれているのも、前出のような流れと無縁ではないだろう。

 ワイルドワンズが先日武道館でコンサートを行った。何と1万人収容の武道館が満員になり大変な盛り上がりだった。彼らが現役当時でもなし得なかった武道館コンサートを実現できたのは、「中高年よ楽器を持って集まろう、一緒に演奏しよう」というコンセプトがあったからとも聞く。当日は1万人の大演奏会になったとか。そう簡単には動かないシニア世代だが、やり方によっては大きな動きになることがあるということが立証された。

 とはいっても通常は彼らの動きがマスのブームを形成する可能性は低い。彼らに情報を行き渡らせるのは容易ではないし、情報を得たからといって即動くことは稀だからだ。だから、70年代フォークやロックのコンピレーションが多数発売され、話題を呼んでもいるのだが、それが1週間に10万枚売れるというような動きを示すことはなく、総じてセールス的に大きな話題を呼んではいない。ただ、1年トータルで考えると万単位のセールスを記録するものも多く、CD市場が縮小しているといわれる中で、シニア狙いのマーケット規模は年々拡大しているということができよう。

 ますます重要性を増している世代として、団塊およびその周辺世代には、今後、より大きな注目が必要だといえそうだ。

■拓郎、かぐや姫、伝説のライブが今甦った!(09月26日)

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