俳優の船越英一郎(66)が5日、都内で行われた舞台『赤ひげ』の製作発表記者会見に参加した。 冒頭、船越は「どうも普段は崖あたりで犯人を捕まえたりしております。船越英一郎でございます」とジョーク交じりにあいさつ。2023年に初演された際も赤ひげを演じた。これが船越にとって初の舞台だった。「NHK BS時代劇という枠で赤ひげを演じさせていただくことになってから、かれこれ10年近くが経とうとしております。NHK BS時代劇でシーズン4まで赤ひげをやらせていただきました。これは私のライフワークにさせていただけるようなことになれたかなと思っている矢先に、明治座さんからお話をいただきまして、舞台『赤ひげ』しかも明治座150周年という大変な栄誉とともに、重責を背負うことになりました。当時、私は63歳でございました。なんと経験がなく、前回が初舞台となりました。初舞台にして、それだけ大きな公演となりました」と振り返る。全公演でスタンディングオベーションが起きたそうで「望外な奇跡のような喜びを、お客様からいただきましや。その声に後を押されるようにして、今回の再演ということになったわけでございます。まさに役者冥利に尽きる再演でございます」と感謝していた。 前回の公演で苦労したことも明かす。「全部が苦労でございました。初めてでございますから」としながらも「何が1番苦労したかと言いますと、せりふでございます。ずっと映像しかやらせていただいてきませんでした。映像は、どんどんどんどんせりふを入れる。特に私はベラベラしゃべる役が多くございました。特に最後、犯人を追いつめたら僕1人でしゃべりますから(笑)。普通は犯人が告白するんですけど。私のやらせていただいていたシリーズは不思議と全部俺が解説をする」と苦笑いで違いに言及。「長いせりふを言ってはきたのですが、OKが出た瞬間に全部どっか行くんです。綺麗さっぱり崖下の海の中に流れていく。だから次の日に『すみません。リテイクです』と言われたら、いちから覚えなきゃいけない。実は舞台でも、それが起こりまして…。完璧に覚えて、初日をきちんと務め上げた。2日目に『よし、行くぞ』と思ったら全くせりふが出てこない。OKをいただいたので、全部忘れてしまいました…。これが以降、毎日、続くんです。とうとう千秋楽まで僕は他の出演者の方の誰よりも先に劇場まで足を運びまして、最初から最後までずっと一人でやってみることを繰り返さなければならなかったというのが1番の苦労でございます」と懐かしんでいた。 本作は、山本周五郎の傑作小説『赤ひげ診療譚』の舞台化。小石川養生所を舞台に、名医でありながら型破りな信念を貫く“赤ひげ”と、若き医師や貧しい市井の人々との交流を描く。2023年の初演では、重厚なストーリーに加え、臨場感あふれる演出や大胆な舞台美術が高く評価され、全公演スタンディング・オベーションを巻き起こした。今回は、再演となる。医術を施すだけでなく、患者の抱える事情にまで寄り添い面倒をみる新出去定(にいで・きょじょう)、通称“赤ひげ”役を務めるのは、船越英一郎。長年、ドラマで赤ひげを演じてきた船越は、2023年の公演が初舞台。圧倒的な存在感で観客を魅了した。赤ひげや同僚医師たちと切磋琢磨しながら成長していく保本登役には岩橋玄樹。患者を献身的に看病する姿が医師たちにも影響を与える女中・お杉役には、元日向坂46の丹生明里。医員見習の津川玄三役は佐藤友祐。同じく医員見習の森半太夫役は小南光司。そして、人々を温かく見守る女中・お光役は熊谷真実が務める。
2026/11/05