ボクシングだけに留まらない多彩な顔を持つ岡澤セオン(30)。中学・高校時代から音楽に深くのめり込み、奈良を拠点に活動するロックバンド・LOSTAGEの熱狂的なファンとして、大阪まで一人で足を運ぶほどだった。その高校時代の映像が、2026年1月に全国公開されたLOSTAGEのドキュメンタリー映画に使用されていたことが明らかになった。
連載第3回は趣味・プライベート回。「音楽との出会いと現在」、「LOSTAGEへの深すぎる愛」、「ラジオへのこだわり」、「料理の哲学」、「アニメ・マンガとの付き合い方」まで、競技の枠を超えた岡澤の素顔を余すところなく届ける。
──改めて、岡澤さんにとって音楽はどんな存在ですか?
岡澤 もう、僕の人生になくてはならないものですね。本当にオンオフともに寄り添ってくれる存在だなと思っています。
音楽にはまったのは中学から高校にかけてです。最初はRADWIMPSがきっかけで、当時まだちっちゃいライブハウスでライブしていたころに山形に来られて、その時に行きました。そこから徐々にインディーズの方に流れていって、パソコンでひたすらネットでディグ(検索)って、新しいバンドを見つけていく楽しさにはまっていった感じです。
──LOSTAGEとの出会いはどんなきっかけだったんですか?
岡澤 高校生のときにディグっていたら偶然見つけたんです。「やばい、これは」ってなって、そのままホームページで見つけたライブ情報を元に、友達を誘って仙台まで行ったのが最初です。
LOSTAGEのどこに惹かれたかというと、「エモい」という言葉が今でこそ普通に使われていますけど、ただ熱いだけじゃなくて、どこか哀愁や寂しさを感じさせる音楽なんです。
彼らは奈良に拠点を置いて、大手流通も使わず配信もしない独自のスタイルで活動をしています。そういうLOSTAGEの「こだわり」だったり「芯」のようなものは(プロに転向せず)ボクシング競技を選んだように、知らず知らずのうちに自分の生き方にまで影響しているような気がします。
──今年1月に公開されたLOSTAGEのドキュメンタリー映画『A DOCUMENTARY FILM OF LOSTAGE ‐ ひかりのまち、わたしたちの-』に岡澤さんの映像が使われたと聞きました。どんな経緯だったんですか?
岡澤 当時、LOSTAGEのライブに高校生が来ることはかなり珍しかったみたいで、メンバーの方がマイクで「今日、高校生が来ているらしいんだけど」って言ってくれた時に「はい!はい!」と答えて、曲をリクエストしたんです。
それを映像ディレクターさんが撮影していて「これ、どこかで使ってもいいですか?」って聞かれて、「もちろんです」って答えました。それが2011年ごろの話で、そのまま10年以上経った頃に、突然映画の制作スタッフの方から連絡をもらい「当時の映像を使っても大丈夫でしょうか?」と、僕は10年前に承認していたので「もちろんですよ!!」と即答しましたし、当時メガネかけている高校生の頃の自分の姿が日の目を浴びる日がやっと来たんだと、うれしくなりましたね。
──第1回で映画化されたら霜降り明星のせいやさんに主演してほしいとおっしゃっていましたが、テーマ曲は誰に歌ってほしいですか?
岡澤 LOSTAGEさんしかないです!曲は、「NEVERLAND」ですかね。主題歌感があってすごく好きなんです。恐れ多いですが(笑)。
──ラジオも好きだと聞きました。きっかけは何だったんですか?
岡澤 大学生の時に友達がラジオ好きで、みんなでドライブをする時にいつもラジオを流していたんです。そこから自分でもはまっていった感じです。
必ず毎週聴く大好きな番組があるのですが、諸事情によりここでは名前は伏せさせていただきます(笑)。ラジオを聴くのは移動中とか、あと料理しながら、散歩中とかです。
競技のために…とかではなく、本当に純粋な趣味です。ラジオを聴きながらお酒を飲んだりする、自分だけのオフの時間の癒しといえるかもしれません。さらに最近は、ラジオをきっかけに応援していただける機会もあったりするので、そういった点がとてもモチベーションになっています。
──山形のご実家では祖父母が居酒屋「すずらん」を、お父さんがバーを経営されていたとか。幼い頃から料理に慣れ親しんでいたんですか?
岡澤 いや、それとは全く関係ないんです(笑)。母親が週末「すずらん」にお手伝いに行っていて、父親も夜はバーをやっていたんで、弟と2人で家にいることが多かった。「肉とか食材あるから焼いて食わせて」っていう感じで始まったのが料理との出会いです。だから小さい頃は好きだったとかじゃなくて、必要に迫られてするものって感じでした。
本格的にはまったのは鹿児島での一人暮らし時代です。お金もなくて、炊飯器もなくて土鍋でご飯を炊いていました。炊いている間が暇だから、じゃあおかずも作ろうかなという感じでスタートしました。
今は本当に完全オフの時とかに料理をしますね。ただ僕の場合、レシピを見ておいしいものを作りたいとかではなく、SNSで掲載されていた名前も味も分からないような料理を作るのが好きです。
先日は「Tinga de pollo」という料理を作りました。調べたらメキシコの家庭料理らしく、でも完成したらとてもおいしくて、次の日の移動にも持って行きました。作れるかどうか怪しいものの方がワクワクしますね。ゼロから作り上げていく時間が好きなんです。
ただ食事に関しては、作ることよりも“お店に食べに行く”ことの方が実は好きです。食べログには、2000店舗ぐらい行きたい店を保存していて、遠征先とかで街の名前を調べたら、近くに保存しているお店が引っかかるようにしています。減量・試合が終わったら「あそこのお店に行ける!」っていうのがモチベーションになります。
──連載1回目で「アイシールド21」の話が出ましたが、最近ははまっているマンガやアニメはありますか?
岡澤 実は中学・高校の頃はアニメを見ていませんでした。それが変わったのが『エヴァンゲリオン』でした。知人の方にアニメの全話を貸してもらい、それを一気に見たりして、アニメの楽しさを知りました。
好きなアニメは『天元突破グレンラガン』。この作品は世界選手権の前に見直して、モチベーションを上げさせてもらいました。またバレーボールの『ハイキュー!!』も好きで、多分全話泣いたと思います(笑)
そして、アジア大会前に見るアニメは『王様ランキング』に決めているんです。主人公のボッジからとても勇気をもらいますし、最近では一番好きなアニメなので、これを見て気合をもらって大会に臨もうと思います!
■岡澤セオン(おかざわ・せおん)
1995年12月21日生まれ、山形県山形市出身。ガーナ人の父と日本人の母を持つ。本名:岡澤セオンレッツ クインシー メンサ。中央大学法学部卒業。INSPA所属。大橋ジム拠点。小中学校でレスリングを経験後、高校入学を機にボクシングを始める。2021年AIBA世界選手権ウェルター級で日本人初の金メダル。東京・パリ2大会連続オリンピック出場。2025年World Boxing世界選手権70キロ級銀メダル。2026年9月に愛知で開催されるアジア競技大会で2大会連続の金メダル獲得を目指し、2028年ロサンゼルスオリンピックでの金メダル獲得を目標に掲げる。
【写真】幼少期から鋭い目つき!レスリングに打ち込む岡澤セオン
連載第3回は趣味・プライベート回。「音楽との出会いと現在」、「LOSTAGEへの深すぎる愛」、「ラジオへのこだわり」、「料理の哲学」、「アニメ・マンガとの付き合い方」まで、競技の枠を超えた岡澤の素顔を余すところなく届ける。
──改めて、岡澤さんにとって音楽はどんな存在ですか?
岡澤 もう、僕の人生になくてはならないものですね。本当にオンオフともに寄り添ってくれる存在だなと思っています。
音楽にはまったのは中学から高校にかけてです。最初はRADWIMPSがきっかけで、当時まだちっちゃいライブハウスでライブしていたころに山形に来られて、その時に行きました。そこから徐々にインディーズの方に流れていって、パソコンでひたすらネットでディグ(検索)って、新しいバンドを見つけていく楽しさにはまっていった感じです。
──LOSTAGEとの出会いはどんなきっかけだったんですか?
岡澤 高校生のときにディグっていたら偶然見つけたんです。「やばい、これは」ってなって、そのままホームページで見つけたライブ情報を元に、友達を誘って仙台まで行ったのが最初です。
LOSTAGEのどこに惹かれたかというと、「エモい」という言葉が今でこそ普通に使われていますけど、ただ熱いだけじゃなくて、どこか哀愁や寂しさを感じさせる音楽なんです。
彼らは奈良に拠点を置いて、大手流通も使わず配信もしない独自のスタイルで活動をしています。そういうLOSTAGEの「こだわり」だったり「芯」のようなものは(プロに転向せず)ボクシング競技を選んだように、知らず知らずのうちに自分の生き方にまで影響しているような気がします。
岡澤 当時、LOSTAGEのライブに高校生が来ることはかなり珍しかったみたいで、メンバーの方がマイクで「今日、高校生が来ているらしいんだけど」って言ってくれた時に「はい!はい!」と答えて、曲をリクエストしたんです。
それを映像ディレクターさんが撮影していて「これ、どこかで使ってもいいですか?」って聞かれて、「もちろんです」って答えました。それが2011年ごろの話で、そのまま10年以上経った頃に、突然映画の制作スタッフの方から連絡をもらい「当時の映像を使っても大丈夫でしょうか?」と、僕は10年前に承認していたので「もちろんですよ!!」と即答しましたし、当時メガネかけている高校生の頃の自分の姿が日の目を浴びる日がやっと来たんだと、うれしくなりましたね。
──第1回で映画化されたら霜降り明星のせいやさんに主演してほしいとおっしゃっていましたが、テーマ曲は誰に歌ってほしいですか?
岡澤 LOSTAGEさんしかないです!曲は、「NEVERLAND」ですかね。主題歌感があってすごく好きなんです。恐れ多いですが(笑)。
──ラジオも好きだと聞きました。きっかけは何だったんですか?
岡澤 大学生の時に友達がラジオ好きで、みんなでドライブをする時にいつもラジオを流していたんです。そこから自分でもはまっていった感じです。
必ず毎週聴く大好きな番組があるのですが、諸事情によりここでは名前は伏せさせていただきます(笑)。ラジオを聴くのは移動中とか、あと料理しながら、散歩中とかです。
競技のために…とかではなく、本当に純粋な趣味です。ラジオを聴きながらお酒を飲んだりする、自分だけのオフの時間の癒しといえるかもしれません。さらに最近は、ラジオをきっかけに応援していただける機会もあったりするので、そういった点がとてもモチベーションになっています。
──山形のご実家では祖父母が居酒屋「すずらん」を、お父さんがバーを経営されていたとか。幼い頃から料理に慣れ親しんでいたんですか?
岡澤 いや、それとは全く関係ないんです(笑)。母親が週末「すずらん」にお手伝いに行っていて、父親も夜はバーをやっていたんで、弟と2人で家にいることが多かった。「肉とか食材あるから焼いて食わせて」っていう感じで始まったのが料理との出会いです。だから小さい頃は好きだったとかじゃなくて、必要に迫られてするものって感じでした。
本格的にはまったのは鹿児島での一人暮らし時代です。お金もなくて、炊飯器もなくて土鍋でご飯を炊いていました。炊いている間が暇だから、じゃあおかずも作ろうかなという感じでスタートしました。
今は本当に完全オフの時とかに料理をしますね。ただ僕の場合、レシピを見ておいしいものを作りたいとかではなく、SNSで掲載されていた名前も味も分からないような料理を作るのが好きです。
先日は「Tinga de pollo」という料理を作りました。調べたらメキシコの家庭料理らしく、でも完成したらとてもおいしくて、次の日の移動にも持って行きました。作れるかどうか怪しいものの方がワクワクしますね。ゼロから作り上げていく時間が好きなんです。
ただ食事に関しては、作ることよりも“お店に食べに行く”ことの方が実は好きです。食べログには、2000店舗ぐらい行きたい店を保存していて、遠征先とかで街の名前を調べたら、近くに保存しているお店が引っかかるようにしています。減量・試合が終わったら「あそこのお店に行ける!」っていうのがモチベーションになります。
──連載1回目で「アイシールド21」の話が出ましたが、最近ははまっているマンガやアニメはありますか?
岡澤 実は中学・高校の頃はアニメを見ていませんでした。それが変わったのが『エヴァンゲリオン』でした。知人の方にアニメの全話を貸してもらい、それを一気に見たりして、アニメの楽しさを知りました。
好きなアニメは『天元突破グレンラガン』。この作品は世界選手権の前に見直して、モチベーションを上げさせてもらいました。またバレーボールの『ハイキュー!!』も好きで、多分全話泣いたと思います(笑)
そして、アジア大会前に見るアニメは『王様ランキング』に決めているんです。主人公のボッジからとても勇気をもらいますし、最近では一番好きなアニメなので、これを見て気合をもらって大会に臨もうと思います!
■岡澤セオン(おかざわ・せおん)
1995年12月21日生まれ、山形県山形市出身。ガーナ人の父と日本人の母を持つ。本名:岡澤セオンレッツ クインシー メンサ。中央大学法学部卒業。INSPA所属。大橋ジム拠点。小中学校でレスリングを経験後、高校入学を機にボクシングを始める。2021年AIBA世界選手権ウェルター級で日本人初の金メダル。東京・パリ2大会連続オリンピック出場。2025年World Boxing世界選手権70キロ級銀メダル。2026年9月に愛知で開催されるアジア競技大会で2大会連続の金メダル獲得を目指し、2028年ロサンゼルスオリンピックでの金メダル獲得を目標に掲げる。
2026/08/18