『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』Dolby Cinema版公開記念舞台あいさつが12日、都内で行われ、澤野弘之(音楽)、SennaRin(アーティスト)、村瀬修功(監督)、笠井圭介(プロデューサー)、小形尚弘(エグゼクティブプロデューサー)が参加した。 今回の舞台あいさつは、作品が持つ静けさと迫力のバランスが一層際立つ上映スタイルDolby Cinema版にちなみ、今作のこだわりの1つでもある“音と音楽”という観点から作品を掘り下げる内容に。第1章から続いて音楽を担当した澤野は「また新たに『ハサウェイ』と向き合って音楽を作れたことも嬉しかったですし、何よりも今回は挿入歌が見せ場だったので、SennaRinと[Alexandros]の川上洋平さんと一緒に(楽曲制作を)やれたのもすごく刺激的でした」と喜びを語った。 村瀬監督も「挿入歌の2曲は狙い通りで、何回も何回も楽曲を聴きながら編集をしていたので、ずっと頭の中で鳴り響いていました」と、SennaRinが歌う「CIRCE」と[Alexandros]川上洋平とのデュエット曲「ENDROLL」について印象深さを明かす。続けて澤野はレコーディング時、川上に「フェイクを切らないでほしい」と言われたことがすごく思い出に残ってるとのこと。監督も「ちょうどそのフェイクの部分と潜水艦の音がどうしても重なっちゃって、音響演出の笠松さんに『両方聞こえるように』とお願いしました。そこをうまくやってくれたので、すごく記憶に残っています」と振り返った。 挿入歌を担当したSennaRinは楽曲制作について、「澤野さんから絵コンテとデモ、メニュー表も共有していただいていて、“ギギが普段どんなことを思っているのか”とか、“ハサウェイとケリアがお互いどういう風に思い合っているのか”を探りながら作詞させていただきました」とコメント。「特に『ENDROLL』に関しては音数が少ない楽曲なので、どの言葉を選ぼうかたくさん考えた記憶があります」と、丁寧に言葉を紡ぎ制作した過程を明かした。 そんな澤野の音楽について笠井プロデューサーは、若手のころ『機動戦士ガンダムUC』の制作に携わりながら通勤中も仕事中もずっと聞いていたと振り返る。好きな曲を問われると「澤野さんの音楽は『MAD-NUG』が一番好きです」と挟みつつ、“上手く行ったシーン”などについて問われると「『CIRCE』が流れている中でギギが部屋の模様替えをしているシーンは自分の中で粘って色々良くしようとしたシーンなので、本当にいいシーンになってよかったなと思いますし、いい楽曲をありがとうございました」と澤野とSennaRinに感謝を述べた。 続いて、本作の中で好きなシーンや印象的な場面についてのトークへ。澤野は「ケリアが坊主にするシーンは衝撃的でした」とコメント。MCを務めるエグゼクティブプロデューサーの小形も「今回ケリアをしっかり描いたのは映画として良かったんじゃないかなと思います」と語る。村瀬監督は「小説ではケリアはすぐいなくなる人になってしまっていて、どう映像の中に収めるかを悩みました。回想シーンをいくつか作った上で、これは『ENDROLL』のシーンでまとめてしまおう、というのは、 本当に最後に決めた感じですね」とコメントし、小説版を映像化するにあたっての工夫を明かした。 さらに本タイトルの制作にあたって、原作の富野由悠季からとある2本の映画を見るよう勧められたという。小形は「ぶっちゃけ全然関係ない映画ではあるんですよ」とこぼしつつ、村瀬監督は「これを見てくれと言われたのでぼくも結構真面目に受け取ったんですが、1ヶ月くらい考えた結果“直接は関係ないな”となったんです。でもそこからイメージすることが多くて、ケリアとハサウェイの出会いはその映画のワンシーンにわりと近いシチュエーションで作っていたり、富野さんから“青春を描いてくれ”という話はずっと耳に残っていたので、そういう意味では富野さんに言われたことがかなり影響を受けています」と振り返った。
2026/03/13